同人ゲームを制作している方で海外で販売しているかたがいらっしゃいます。Steamに代表されるゲーム配信プラットフォームですね。
これらの海外販路がある場合の対応について概要をお伝えします。
平均課税の対象かどうか
まずゲームの配信、販売ですので国内のプラットフォームやサイトで販売している場合には著作権の使用料という形での収入になっていることが多いです。
FANZAやDLsiteでゲームを販売していると収入から源泉徴収されていますし著作権の使用料は源泉徴収の対象の収入です。
国外のプラットフォームを使ってゲームを販売している場合も場所の違いはあれど著作権の使用料に該当します。
実際にSteamなどから交付される明細においても現地国において源泉徴収されており(Withholding taxという表記で控除)、著作権の使用料という認識なんだなというのが分かります。
このSteamなどを使ったゲームの配信に関する収入についても日本国内に居住している事業主がプラットフォームを通じて販売していることになり、日本国での確定申告が必要です。
そのため、海外プラットフォームで販売しているゲームの売上も平均課税の対象となると考えられます。
アダルトコンテンツについては日本よりも規制が厳しい国もあれば、規制が緩い国もあったりしますので販路のひとつとして捉えている事業者が多いようです。
海外の会社が運営する配信プラットフォームを通じてゲーム配信を日本国に住んでいる個人事業者(居住者と呼んだりします)が行っている場合には日本で所得税の確定申告が必要、ということは認識しておきましょう。
その海外分の売上も著作権の使用料になっていると考えられますので処理を間違えないように注意してください。
源泉所得税の対応
もう一つ気をつけたい部分としては源泉所得税部分があるかどうかです。
プラットフォームから明細が届いた際にwithholding taxという記載があって、売上から控除されている計算の場合があります。
米国や台湾のプラットフォームで配信している場合には控除されているはずです。
この項目がいわゆる日本での源泉所得税と呼ばれるもので、配信会社が事業者の代わりにその配信会社の所在する国に納めている状態です。
ただ日本でも確定申告をして外国でも同じように源泉徴収されていると二重課税となってしまいます。
こうしたことを防ぐ観点から外国との租税条約がある場合にはまずそちらを優先して確認し、そのうえで日本国内で外国税額控除(外国での課税分を日本で控除する)という処理の段階を踏みます。
ここは少しややこしいのですがそれぞれの国との租税条約の中身で取るべき処理や申請などが変わってきます。
例えば米国であれば著作権等の使用料に関しては租税条約上は免税の対象となっていますので、日本では外国税額控除できず、米国に納められた源泉所得税を還付してもらう処理が必要です。
この還付してもらう処理もタイミングによっては書類が違ってきます。
配信プラットフォームの会社宛ての手続きなのか、相手国の歳入庁や国税の取り扱い部門に対する手続きなのかの違いになってきます。
場合によっては配信プラットフォームを通じて条約相手国の手続きをしてもらうことも必要になるケースもあり、租税条約や相手国の税務処理関係によって異なるので注意が必要です。
まとめ
海外プラットフォームを利用してゲーム配信をするということの垣根が低くなっている状況があります。インターネット取引が発達してきたおかげともいえるでしょう。
そのぶん税務会計処理の複雑さも増していますので取引をしようと考えている場合には注意が必要です。