確定申告の時期になって、通帳を見返したら個人の支出と仕事の入出金が混在していた——そういう方は少なくありません。
「とりあえず今の口座で管理している」という方に知っておいてほしいのが、口座を分けるだけで年間の帳簿作業がどれだけラクになるか、ということです。
逆に言えば、分けていないとそれだけ手間とリスクが積み上がっていきます。
口座が混在していると何が起きるのか
個人の口座に仕事の入出金が混ざっていると、帳簿付けの難易度がぐっと上がります。
DLsite・BOOTHの売上、コミケの売上金、印刷費、交通費、資料代——これらが食費や光熱費と同じ通帳に並んでいる状態では、年末に一件ずつ「これは経費か、プライベートか」を判断する作業が発生します。
問題はそれだけではありません。記帳の手間が増えることで、経費の計上漏れが起きやすくなるのです。税務上、経費の漏れは損です。
正当に使った費用を申告に反映できなければ、その分だけ余計に税金を払うことになります。事業とプライベートの支出が混在している状態は、見落としのリスクを常に抱えている状態とも言えます。
| 【よくある混在の例】 ・DLsite・BOOTHの売上振込が生活費口座に入ってくる ・印刷所への支払いを個人カードで済ませている ・コミケの参加費・交通費の領収書はあるが、どの口座から出たか分からない |
青色申告を目指すなら「分けている状態」が前提になる
青色申告は複式簿記による記帳が必要で、最大65万円の特別控除を受けられる制度です。ただし、複式簿記では「お金がどこから来てどこへ行ったか」を正確に記録することが求められます。
口座が混在していると、この「お金の動き」の追跡が格段に難しくなります。
仕事の収入と支出が整理された口座があることが、青色申告の記帳を現実的なものにする土台です。事業用口座を持つことは、青色申告に向けた第一歩と考えてください。
事業用口座に入れるもの・出すものの基本
まず「入れるもの」から整理しましょう。
- DLsite・BOOTH・Steam・コミケ売上など、活動に関わるすべての収入
次に「出すもの」です。
- 印刷費・コミケ参加費・画材・ソフトウェア代・外注費など、活動に関わる支出
「完璧に分けなくてもいい」という前提でお伝えします。まず売上の入金先を事業用口座に統一するだけでも、確定申告のときの作業量はかなり変わります。
入金の整理から始めて、余裕が出てきたら支出も移していく、という順番で十分です。
クレジットカードも分けると抜け漏れがなくなる
口座を分けても、クレジットカードが一枚だと引き落としで混在が起きます。個人の使用分と仕事の経費が同じ明細に並ぶと、カード会社の明細を確認するたびに仕分けが必要になります。
事業用のカードを一枚作って、仕事関係の支払いをそこに集中させると記帳がシンプルになります。
年会費無料のカードで十分ですし、経費の支払い口をひとつにまとめることで計上漏れも防ぎやすくなります。
入金先の口座と、経費の支払いカード——この二つを仕事専用にすることで、お金の流れが「仕事の分だけ」きれいに見えるようになります。
途中から始めても遅くない。今月からできること
「年の途中から始めても意味がないのでは」と思う方もいますが、そんなことはありません。切り替えた月からきれいに管理できれば、それ以前の分は通帳を見て仕分ければよいだけです。
来年の確定申告をラクにするために、今月から口座を分けて動き始めるのが一番現実的な選択です。
freee・マネーフォワードとの連携で記帳が自動化される
事業用口座をfreeeやマネーフォワードと連携すると、入出金が自動で取り込まれます。あとは「これは何の支払いか」を確認・分類するだけで、帳簿がほぼできあがります。
口座を分けることと会計ソフトの連携はセットで考えると効果が高く、記帳にかかる時間を大幅に短縮できます。口座を整理してから連携設定をするのが、もっともスムーズな順番です。
【まとめ:今日からできること】
① 事業用の口座を一つ用意して、売上の入金先をそこに統一する
② 経費の支払いは仕事専用のカードにまとめる
③ 口座とfreee・マネーフォワードを連携して記帳を自動化する
この3ステップで、確定申告の負担は確実に減らせます。
確定申告が終わった少し落ち着いてきた今の時期に来年の確定申告をラクにするための対策を少し考えてみましょう。
