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同人ゲームクリエイターの消費税

DLsiteやSteamで売上が増えてきた、消費税はいつから申告納付なのか—この疑問を持っているクリエイターの方はとても多いです。

消費税の判断を誤ると、申告漏れや加算税のリスクにつながります。本記事では、同人ゲームクリエイターが特に注意すべきポイントを実務的な観点から整理します。

目次

課税事業者になるかどうかの判定—「2年前の課税売上」で考える

消費税の課税事業者になるかどうかは、原則として2年前(基準期間)の課税売上高が1,000万円を超えているかどうかで判断します。

よく誤解されるのが「今年の売上」で判断してしまうケースです。判定の時間軸がずれているため、気づかないうちに課税事業者になっていた、というトラブルが起きやすい部分です。

📌  「特定期間(前年の1〜6月)の売上が1,000万円超」でも課税事業者になる規定がありますが、これは給与支払い金額が1,000万円という基準もあります。給与を支払っていない個人事業主のクリエイターには、実質的に関係がないケースがほとんどです。

また、判定に使う売上は「源泉所得税を控除する前の金額」です。プラットフォームから受け取る際に源泉徴収されていても、その控除前の額面金額で判定します。

複数プラットフォームの売上はすべて合算する

複数のプラットフォームで販売している場合、それぞれの売上を合算して1,000万円かどうかを判定します。

例:DLsiteで600万円 + BOOTHで300万円 + Steamで200万円 = 合計1,100万円 → 課税事業者の対象

「それぞれのプラットフォームでは1,000万円を超えていない」という考え方は誤りです。複数プラットフォームで販売している同人ゲームクリエイターが特に陥りやすい誤解のひとつです。

なお、Steamなど海外のプラットフォームで得た売上については「輸出免税売上(消費税率0%の課税売上)」として扱います。

消費税はかかりませんが、課税売上の判定には算入されますので、1,000万円の判定から外れるわけではありません。この点も見落としやすいポイントです。

また2年前の課税売上高は免税事業者の場合は消費税部分を含めた売上金額で判定し、課税事業者の場合は消費税部分を除いた売上金額での判定です。

売上金額が税込み1,000万円なのか、税抜き1,000万円なのか、また売上金額によっては今年は課税事業者、来年は免税事業者と行ったり来たりするケースもあります。

インボイス登録—タイミングと登録後にやるべき手続き

2年前の課税売上高判定とは別にインボイス登録をすると課税事業者になります。2年前の売上高はこの場合は関係がなくなります。

2年前の課税売上高での判定で免税事業者だとしてもインボイス登録をすると強制課税事業者ですので申告納付の義務が生じます。

ではどのタイミングでインボイス登録をするのがよいか。

登録するタイミングの考え方

課税事業者になったタイミングでインボイス登録(適格請求書発行事業者の登録)を検討する方が多いですが、登録は義務ではありません。登録が実際に影響するのは、主に事業者(BtoB)との取引がある場合です。

  • 個人向け(BtoC)販売のみのクリエイター:インボイスの有無で買い手への直接的な影響は限定的
  • 出版社・ゲーム会社など事業者との取引がある場合:先方の仕入税額控除に影響するため、登録の必要性が高くなる

ここで注意が必要なのはプラットフォームに登録してDLC(ダウンロードコンテンツ)として販売している場合は取引形態としてはBtoBになるということです。

「自分はBtoCだけだから関係ない」と判断する前に、取引先の種類を一度確認しておきましょう。

登録後にやっておくべき手続き

インボイス登録をしたあと、忘れがちな実務的な手続きが2つあります。

  • DLsiteなどのサークル設定でインボイス番号(T番号)を登録する:プラットフォームの管理画面に登録欄があります。未登録のままにしておくと、売上金額に影響が出ることがあり、相手方にも影響が生じます。
  • 取引のある出版社・ゲーム会社などへの通知・連絡:登録番号を先方に伝えておくことで、相手方でのインボイス対応がスムーズになります。

FANZAやDLsiteではインボイス登録をしている事業者とそうではない事業者で卸値を変えていますのでインボイス登録をしたらサークルで登録申請処理をしておくことを忘れないようにしましょう。

消費税の処理には、適切な会計帳簿が前提になる

消費税の申告にあたっては、適切に処理された会計帳簿が必要です。これは見落とされがちなハードルです。

売上や経費を正しく記帳し、課税・非課税・免税の区分を明確にしておく必要があります。

「確定申告だけしていればいい」という感覚でいると、いざ消費税の申告が必要になったときに帳簿が整っておらず、対応が困難になるケースがあります。

売上が伸びてきた段階から、会計ソフトの導入や記帳の体制を整えておくことが、後々の手間を大きく減らします。

「気づいたら課税事業者」を防ぐための年次確認

売上が伸びてきたら、年に一度、2年前の課税売上を確認する習慣をつけましょう。消費税の申告を忘れると無申告加算税・延滞税のリスクがあります。

もっともよいのは確定申告の時期に今年や来年の課税事業者判定をしておくというものです。

例えば今の時期ですと2025年分の確定申告が終わっているでしょうから、2027年の課税事業者判定を行えるはずです。

判定の時間軸のズレ(「今年」ではなく「2年前」の売上で判定する)が見落としの最大の原因です。特に売上が急増したクリエイターは注意が必要です。

消費税の課税事業者になるタイミングでのご相談・ご依頼はとても多くいただいています。

自分ではやりきれないと感じたときがご相談・ご依頼のタイミングになりますので、ご自身の消費税の課税事業者判定をしてみて検討していただくのがおすすめです。

ジンノユーイチ税理士事務所

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この記事を書いた人

京都市下京区で税理士をやっています、ジンノユーイチ(神野裕一)です。
相続や事業のお困りごとを丁寧に伺い、解決するサポートをしています。
フットワーク軽く、誠実に明るく元気に対応いたします。

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