法人にするとなんでも経費にできる、と考える人がいるのですが事業に必要だから経費、という部分を再確認しておきましょう。
事業に必要だからとは
事業に必要だからとはどういうことか。まずここから整理しておきましょう。どういうものが経費になるかわからないというかたもいらっしゃいますので。
例えばモノを買ってきてそれを売る、という仕事の場合にはその買ってきたものが経費(仕入れ)になります。
花屋さんだとすると仕入れてきた花をアレンジメントなどして売りますよね。
その草花は仕入れとなり、正確なことを伝えると売れた分だけ原価になります。余ったら商品としての在庫です。
花を仕入れてきてそれをそのまま何もせずに売れればよいですがそうもいきません。
花を包む包装資材が必要でしょうし、温度管理が必要で小さい温室を用意してそこに入れて保管しておくのであれば水道光熱費もかかります。
お店などに配達するのであれば配達用の車に関するものも車両費としての経費です。(ガソリン代や自動車税、駐車場代など)
テナントを借りているのであればそこの家賃も経費です。そこで事業を営むために必要なので。
花を売るという事業を営むために必要な支出が経費ですので、自分の事業に当てはめて考えてみましょう。
あと検討しておきたいのが事業とプライベートの割合に大きな差がある場合です。プライベート利用が9で事業利用が1みたいな割合なケースがあります。
例えば法人成りして会社で社有車を持てばいいという話も見聞きしますが、法人の事業で車が必要なのかどうなのか。
漫画家・同人作家のかたでも取材名目があれば大丈夫だと言われたりすることがあるようですが、取材での車の利用とプライベートの利用だとどちらが多いか、またその車を所有するにあたっての経済的合理性があるかどうかもポイントです。
衣食住に関するものは特に注意
経費のことをお話しするときによくお伝えするのが衣食住に関するものは特に注意が必要ということです。
仕事をしていなくても服を着ますし、食事もします。家で過ごすプライベートの時間もあるでしょう。
衣食住に関する支出が経費かどうかはより慎重に判断したほうがよいです。
事業で必要だった、事業を営むにあたっての経費だった、ということを説明できるように整理しておきたいものです。
事業によって経費の割合というのはある程度想定できるものです。
例えば消費税の簡易課税による計算は営む主たる事業によって消費税の控除割合が変わってきます。
それだけが目安ではないですが税務署側にも膨大なデータがあるため、この事業ならこれぐらいの経費の割合というのは把握されているといえるでしょう。
そこから逸脱しているとなんでこんなに経費が多いのかと注目されますし場合によっては税務調査のきっかけにもなります。
個人事業主の場合は特に、プライベートと仕事があいまいで個人的な支出が経費に計上されていないかがチェック項目のひとつになります。
個人事業主の場合には所得税の確定申告書の合計所得金額で生活しているとみてもよいのでそこが少なすぎる場合は経費の見直しをしておいたほうがよいです。
まとめ
事業に必要かどうか、という視点で経費を見直しておいたほうがいいです。定期的なタスクとして入れ込んでおくとよいかなと。
わたし自身も自分の月次決算のときに経費の見直しを定期的に行っています。