6月4日 揉めないためのマイルドな相続対策セミナー 申し込み受付中です

減価償却は節税になる?おカネの流れで確認してみるとわかる

減価償却を おカネの流れで見てみる

固定資産を購入すると減価償却という手続きでもって経費にしていきます。この減価償却が節税になると考えている方がいらっしゃいますのでおカネの流れで本当に節税かどうか確認してみましょう。

目次

減価償却の流れ

支払をしたタイミングで経費に全部なればいいですがそうはいかないのが固定資産です。

使った分、価値が減少した分を経費にしてください、というルールがあり、決まった経費化の方法(減価償却の方法)があり、決まった期間があります。

実際にその固定資産が使用できる期間とは別です。この経費化をする決まった期間のことを耐用年数といいます。

法人ですと実際に車をつかえる期間で減価償却をして申告書で調整(法定の減価償却費分を加算)することもできますが、ここでは割愛します。

用語の整理をしておきます。

固定資産:10万円以上のものは何かしらの方法で減価償却します

償却方法:減価償却する方法 定額法や定率法があります

耐用年数:減価償却をする期間 実際に使える期間ではないです

といったぐあいです。

固定資産は買ったときには基本的に一括で経費にならないんだな、という理解でよいです。(少額減価償却資産を除く)

おカネの流れでみてみる

ではおカネの流れを見てみましょう。

例えば車を買ったとしましょう。事業に使うための車で300万円だとします。けっこういい車ですね。

購入時におカネが出て行って車に変わります。耐用年数が6年間、定額法で償却するものとします。事業年度の最初に購入したものとして一年ずつ見ていきます。

減価償却前の利益が300万円、税率は30%でやってみましょう。

1年目:減価償却費50万円 利益:300万円-50万円=250万円 

    250万円×30%=75万円→税金

2年目以降も同じ内容だとすると×6で6年間の全体収支がでます。

トータル:減価償却費300万円 利益1,500万円 税金450万円です。

減価償却費利益税金
1年目50万円250万円75万円
2年目50万円250万円75万円
3年目50万円250万円75万円
4年目50万円250万円75万円
5年目50万円250万円75万円
6年目50万円250万円75万円
トータル300万円1,500万円450万円
6年間で均等に償却

ではここで車代300万円が1年目に全部経費になったとしたらどうでしょうか。計算してみましょう。

1年目:減価償却費300万円 利益300万円-300万円=0 税金も0

おー!やった!と思いたいところですが6年間のトータルで見ないと6年間で減価償却した場合との比較になりませんよね。2年目から6年目を見てみましょう。

2年目:減価償却費0 利益300万円-0=300万円 税金300万円×30%=90万円

となりました。

2年目から6年目は変わりないので×5して1年目の数字をプラスすればトータルがでます。

トータル:減価償却費300万円 利益1,500万円 税金450万円です。

減価償却費利益税金
1年目300万円0万円0万円
2年目0万円300万円90万円
3年目0万円300万円90万円
4年目0万円300万円90万円
5年目0万円300万円90万円
6年目0万円300万円90万円
トータル300万円1,500万円450万円
1年目に一括で償却

減価償却を6年間でやった場合と1年間で一気に計上できた場合とで比べる6年間のトータルは同じです。

固定資産を購入しても節税になるというわけではなくむしろおカネは出ていきますので資金繰りを圧迫することになります。(おカネが先に出て行って経費になるのは後からなので)

なので節税になるために固定資産を購入するというのではなく、事業に必要だから購入するという姿勢が大事です。

またその固定資産を購入したら売上があがるのか?利益に貢献するのか?という視点も必要で、無駄な買い物をしないようにしたいものです。

特別償却と特別控除ならどっち?

一定の要件を満たした固定資産で高額なものであっても一括償却という特例があります。

要件は厳しいのですが特別償却して一括で減価償却し全部経費になるというものです。

この場合は上記でいうとパターン2の場合と同じです。

さらにこの特別償却は税額の特別控除とどちらを適用してもいいよというケースが多く、どっちがいいか、というご相談が時折あります。

この場合は特別償却で一括で経費にしても最終的な経費の金額は変わりません。上段でおカネの流れをトータルで見たときには変わりないのとおなじです。

同じ金額をゆっくり経費にするか一括で経費にするか、その違いだけです。

一方で特別控除の場合には例えば固定資産の購入価額の7%を税額から控除することができたりします。

税額がダイレクトに控除されると税金が減りますのでトータルで見たときには税額に有利になるケースが多いです。

もし大きな設備投資を予定していて中小企業投資促進税制の特例が使える場合には特別控除を検討してみましょう。

まとめ

減価償却で節税しましょうと説明されている書籍やインターネットの記事がありますが、前後の文脈は大事です。その年だけで見ると有利に見えますよね。

今日の記事でみたように耐用年数をトータルでみると変わりがないんだなというのがよくわかります。

一時の税金がへるためだけに固定資産を購入して設備投資するのではなく計画的に取り組みたいところです。

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!

この記事を書いた人

京都市南区で税理士をやっています、ジンノユーイチ(神野裕一)です。
相続や事業のお困りごとを丁寧に伺い、解決するサポートをしています。
フットワーク軽く、誠実に明るく元気に対応いたします。

目次
閉じる