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不動産のリバースモーゲージの注意点

リバースモーゲージ

こんにちは、京都の若ハゲ税理士ジンノです。

不動産をお持ちの方で不動産屋さんや金融機関からリバースモーゲージしませんか?というご提案を受けるかたからご相談をいただくことがあります。

タイミングとしては住宅ローンが終わったタイミングなどが多い印象です。注意点を解説しますので判断のヒントにしていただければと思います。

 

目次

流れをまずは整理

不動産のリバースモーゲージと聞いてパッと思い浮かべばよいですが、そういうかたは少ないかなと思いますのでまずは流れを整理しておきましょう。

 

住宅ローンの完済した不動産を持っている側の視点でみていきます。

・ローンを完済したので不動産の抵当が外れます

・新たにその不動産に担保を設定します

・担保設定は極度額が設定されていますので借入が可能です

・利息と元本の返済は設定された期限または亡くなったときです

・相続人は不動産を売却して返済します

というのが一般的な流れです。

 

不動産はあるけれど生活費が足りないなどの事情で利用されるケースが多いです。

 

新たに担保を設定して借入をしていくのですが極度額というのが耳なじみがないかなと思います。

 

通常の担保設定だとおカネをいくらか借りてその金額に対して不動産に担保設定がなされますので金額は既に決まっています。

 

極度額の場合は限度が設定されるイメージです。いくらまでなら借りられますという金額設定になります。

 

最大の注意点

最も注意をしなければいけない点は最後の相続人は不動産を売却して返済するという点です。

 

亡くなった不動産所有者が現預金を持っていて返済できるのであれば問題ないですが、そもそもおカネがないのでリバースモーゲージを利用しているケースが大半です。

 

相続人のかたにとっては大事な愛着のある実家かもしれませんが売却をして返済をしないということだと相続人の持ち出しになります。

 

つまり借金を相続して不動産を守るということです。元金と利息の一括返済を求められることが多いので負担感は強くなります。

 

また想定してた価額で不動産が売却できれば良いですがそうではない場合には売却した対価が借入額を下回る場合にははみ出した分を返済する必要ができます。

 

数字で考えてみましょう。

不動産の売却価額1,500万円
借入元金と利息あわせて2,000万円
だとすると返済に500万円足りませんので相続人のかたが負担することになります。

 

また不動産を売却して返済するにあたっても譲渡所得税がかかることがありますのでその点も注意が必要です。

 

ほかに選択肢がないか慎重に判断

生活費が足りないという理由であれば支出をチェックして、相続人の方から仕送り・援助などしてもらえないかまずは相談してみましょう。

 

せっかく終わった住宅ローンなのにまた借入が増えてしまうことになりかねません。

 

実家を売って借入を精算することになるよりかはよい選択肢かもしれません。

 

もその不動産を売却することについてあまり抵抗がないのであれば売却して引っ越しをするのもひとつです。

 

この場合には居住用財産を譲渡した時の特別控除の特例(いわゆる居住用財産の3,000万円控除)も利用しやすく所得税も抑えられます。

 

せっかくの実家なのに、と相続人の方がおっしゃるのも感情としてはよくわかりますがおカネの勘定とは切り離す場面も必要です。

 

リバースモーゲージを検討する際にはほかの選択肢がないか、結局借入を引き継ぐのは相続人の方になりますのでその点も踏まえて相談の機会を設けてみましょう。

 

まとめ

リバースモーゲージは金利も住宅ローンと比べると高くなりますし想定以上に極度額が低く抑えられることもあります。思っていたのと違う、となりかねません。

かなりリスクが高い方法に見えるのでもし実家でそういう話が出ている場合には一度立ち止まって情報を整理してみるのがよいでしょう。

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この記事を書いた人

京都市下京区で税理士をやっています、ジンノユーイチ(神野裕一)です。
相続や事業のお困りごとを丁寧に伺い、解決するサポートをしています。
フットワーク軽く、誠実に明るく元気に対応いたします。

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