こんにちは、京都の若ハゲ税理士ジンノです。
事業をやっていますと事業年度というものがあり、期間を区切って利益を算出して申告をし納税をします。
個人事業主・フリーランスの方でしたら暦年(1月1日から12月31日)、法人でしたら任意で決められます。
その決まった事業年度に売上と費用がキチンと期間対応してるかチェックが必要です。その効果について解説します。
売上の期間対応
今期の売上かどうか、というのは一番確認しておきたいポイントです。
モノがあるビジネスであれば引き渡した時点、出荷した時点、納品した時点、受取側で検品した時点など色んな売上の計上基準があります。
サービス提供をするビジネスの場合にはサービス提供が完了した時点が計上基準となります。
大切なポイントとしては売上の計上基準をコロコロ変えずに継続して適用することです。
去年は引き渡し時点で、今年は納品した時点で、とかなると売上金額が違ってくる可能性があります。
今期に売上を計上すべきものか、それともその売上は来期のものなのか期間対応をキチンとさせることが大事です。
請求書を出したタイミングですか?と聞かれることがあるのですが、請求書を出すタイミングがどのタイミングかによります。
例えば月末締めにまとめて請求をしているときには問題にはなりづらいですが、これが20日締めだとどうでしょうか。
8/20が売上の締め日で7/21~8/20までの売上をまとめて請求する場合の請求書を考えてみましょう、7月末日が決算日だとします。
請求書を出したのが8/21だとして請求書ベースで売上を計上する処理をしていると8月分の売上に7/21~7/31の売上が混ざることになります。
7/31の時点ではモノが引き渡されている、サービス提供が完了しているものもあるでしょう。その場合には売上に計上する必要があります。
これと似たような話で売上金額を受け取った時点で売上を計上しているケースもあります。
その場でモノを引渡してその場で代金を受け取っている場合はよいのですが、上記のように振込の場合には請求書を発行した日がいつかは確認が必要です。
今期に引渡しやサービス提供が完了しているなら今期の売上です。
費用の期間対応
費用も同じく期間対応が求められます。
今月末期限の請求書が手許に届いた場合にはその内容の確認が必要となります。
例えば7月中にサービスを受けたことについて7月末時点の請求書として8月に入ってから届いた場合には先月の費用となります。
まだ代金を支払っていないだけでサービス提供は完了していますので未払の状態ということです。
費用についても売上と同様に今期の費用かどうかは契約書や請求書等で確認をして期間対応させる必要があります。
反対に既に支払っているけれどまだサービス提供を受けていないものがある場合には前払いの状態ですので今期の費用からは外して来期に計上します。
適切な決算を目指す
一定期間の利益金額をキチンと計算しようと思うと売上と費用がキチンとその一定期間に対応していることがとても大切です。
売上や費用についてその期間に対応させるために利用する勘定科目のことを経過勘定といいます。
未払費用、未収収益、前払費用、前受収益、こういった勘定科目のことを指します。
また売上はあがっているけれど未収のものを売掛金として処理をし、仕入はしているけれど未払のものを買掛金として処理をしたりします。
外注費なんかでも同じく未払費用となるケースも多いのでこういった、ホントは今期だけどまだ払ってない、まだもらっていない項目を適切に処理をすることで適切な決算に近づいていきます。
特に一定期間の分がまとめて請求書を作る、請求書をもらうという場合には決算をまたいでいないかは注意が必要です。
賃料なども前払いになっていないかの確認をし、売掛金で未収となっているものがないかも確認をすることが決算時の処理のひとつです。
反対に来期の売上や費用となるものが見つかることもありますのでこちらも経過勘定科目を使って処理をしていきます。
普段の月次決算で気を付ける習慣がない場合にはまずは決算の時の処理を基に月次決算でも取り入れられないかチェックしてみましょう。
適切な決算ができて利益計算ができたときにはじめて適切な税金の金額の算出が可能となります。
まとめ
おカネの流れだけを追っていると、未収だけど売上がたっているもの、未払だけどモノは既に手元にあるモノなどを見逃してしまいます。
取引の内容を見ながら今期に計上すべきもの、来期に計上すべきものを適切に振り分けていくことが決算時には必要です。
特に決算月の翌月末締め払いのものがあったりすると見逃しているケースがありますので注意してチェックしてみましょう。月次顧問で仕事をしている場合には決算月の翌月分資料をみると気が付きやすくなります。