こんにちは、京都の若ハゲ税理士ジンノです。
不動産を売却する機会は多くないかと思いますが、それゆえ初めての方も多くいらっしゃいます。というか初めての方が大半です。
どういった書類が不動産の売却に関しての申告で必要になるか整理しておきます。
基本的な書類についての整理です。特例適用の場合には各種特例の内容に合わせて必要な書類が変わりますので注意しましょう。
売ったときの書類
不動産を売却した時の書類により売却した値段や物件の詳細などを確認します。
不動産の売却については売った値段と買った値段の比較で売った値段のほうが高ければ利益が出ていますのでそこに対して課税されます。
この利益の金額が出ているのか、でているならいくらなのか、確認をするために売却にあたっての資料として契約書が必要です。
また売却の際には固定資産税の精算を行うことがあります。
固定資産税は毎年1月1日の所有者に課されるものですが年の途中に売却しているとタイミングによって固定資産税の精算が必要となります。
この固定資産税の精算として受け取った金額も売却の対価に含めますので注意が必要です。
また不動産を売る際には各種の手続きとそれに伴う書類があります。
契約書に印紙を貼ることから売却について不動産会社に仲介手数料を支払ったり、司法書士に登記の費用を払ったりします。
仲介が入っている場合には売却の対価から上記のような費用を相殺されることが多いですが、申告書において利益を計算する際には総額表示といって相殺前の金額で表示して計算をする必要があります。
これは簿記のルールとしても同じ相殺された金額じゃなくて総額でやるんだなぐらいの感覚で大丈夫です。
相殺となった費用部分についても領収書が発行されるのが基本ですので受け取った領収書は不動産を売ったときの契約書と一緒に保管しておき申告の際に準備できるようにしておきましょう。
買ったときの書類
まずはその不動産を自分が買った場合を考えます。
買ったときにも同じく契約書によるかと思いますので買った時の契約書があるのが一番よいです。
買った時の価格はいわゆる原価とされて利益計算の際に売ったときの価格から差し引くことができます。
建物が売買した不動産の中に含まれている場合には減価償却という価値の目減りの分を考慮する調整が入ります。
購入の際にも売ったときと同じように各種手続き(仲介手数料等の支払)があるのが通常ですのでこの時の領収書も同じく準備します。
取得のために要した費用と表現されることがありますが、税理士に確定申告を任せる場合には一式で渡して判断してもらうのがよいです。
自分が買ってきたものではなくて相続した不動産の場合はどうでしょうか。
この場合は相続したときの価額は関係なくて、一番最初に買ってきたときの価額を引き継ぐことになります。
おじいさんやおばあさんが昔に買ってきたものが相続でバトンタッチされてあなたに渡ってきたときに売却をしたら、そのおじいさんおばあさんが買ったときの価額が利益計算のベースです。
なのでまずは一番最初に買ってきたときの契約書が残っていないかどうかの確認が必要となります。
この契約書が残っていることは余り多くなく、その場合には取得した時の価額をどのように考えるか、方法がいくつかあります。
ひとつは分からないのであれば売却した価額の5%ということにして計算をしてもいいよ、という特例がありますのでそれを使うこと。
もうひとつは建物の標準的な建築価額や路線価などで計算をできないかトライしてみること。
ほかには売主側に契約書が残っていないか、不動産会社に資料がないかなどいろんなアプローチの仕方がありますので、検討していくことになります。
ほかの所得に関する書類
不動産を売ったことについて利益が出ている場合には確定申告をして税金を計算し納税が必要です。
ただしこの不動産を売ったことについてのみ申告をするのではなく、令和3年に不動産を売ったのであればその年のほかの所得についてもあわせて申告をすることになります。
不動産を売ったことによる利益だけで申告ということではなくほかの所得があれば申告書に反映していく必要があるということです。
この不動産を売ったことによる税金の計算は給与や年金などの所得と違った計算のやり方をします。
申告分離課税といって不動産売却の利益の部分については別の税率等を使って計算をし、ほかの所得と最終の税額で合計する、そういうイメージです。
なので不動産を売却したことについての資料だけではなくその年の不動産売却以外で所得があればその資料が必要となります。
まとめ
今日整理したのは基本的な事項としての書類です。
不動産の購入はマイホームの購入で経験することがあっても、売却はそう多くないと思います。丁寧に一つずつそろえていきましょう。
冒頭でもお伝えしましたが不動産の売却については各種特例がありそれぞれに合わせて必要な添付書類なども変わってきます。これだけあれば特例まで受けられるというものではありませんのでご注意ください。