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現金勘定を使わないための運用方法

現金を使わない工夫

こんにちは、京都の若ハゲ税理士ジンノです。

 

フリーランスの方にとっての一つの関門と私が考えているのが現金の取り扱いです。

現金があると何が問題かというと、管理をして残高を把握する必要があること。プライベート用と事業用と二つの財布を持つのも大変です。

 

現金勘定に金額が記載されている以上は、そこに手元もしくは家に(銀行口座に預けていないという意味です)現金がなければなりません。

現金勘定を使わないで済むような方法を考えてみましょう。

 

目次

銀行口座の連携

まずは根本的に現金を使わない、現金での支払いをしない、ということがまず第一です。銀行振込に切り替え可能なものは切り替えましょう。

 

この際には銀行口座をインターネットバンキング対応にしておくと、通帳を見ながら一つずつ仕訳を入力する必要がなくなります。

 

例えば電気料金を振込している場合には以下のような仕訳が考えられます。

(水道光熱費)/(普通預金) 10,000 関西電力

のような形で通帳から一つずつ入力をしますが、インターネットバンキングでうまく連動させている場合には以下のような情報があらかじめ入った状態で仕訳の提案をしてきます。

 

(???)/(普通預金) 10,000 カンサイデンリョク

この???の部分だけを選択入力すれば良いということになります。

クラウド会計ソフトによっては、電力会社の名前を把握して???の部分を「水道光熱費」じゃないか?という推測をしてくれるものもあります。

 

もっと上手に運用することができると、例えば通帳の摘要欄(文字が入っている部分)を読み取ってカンサイデンリョクだと、自動的に入力するという設定をつけることができます。

 

つまりは最初のうちが肝心で、この自動で設定したり推測で仕訳を起こせるかどうか、というのは効率化につながり、また現金を使わないで済むように意識できます。

 

たったこれだけと思うかどうかですが、毎月10や20の通帳の出入りであれば手で入力することでも負担は感じにくいですが、これが増えていって例えば毎月通帳の出入りが100権を超えたらどうでしょうか?

 

もたらされる結果が同じであればラクな方法を選択するのが一番です。

 

現金を使ってしまうとこの自動で入力や仕訳を推測する、ということについては別の方法を取る必要があります。

 

領収書やレシートをスキャンしてそれを会計ソフトなどに読み込ませて仕訳入力をする方法です。

 

工程でいうと

・現金で支払った領収書・レシートをスキャンする

・会計ソフトなどに読み込ませる

・仕訳の提案等があるので修正し入力する

となり、スキャンと読み込ませの部分だけ工程が増えます。

 

結局のところ、現金で支払をしてしまうとこの点については効率化が遠くなります。インターネットバンキング対応の預金口座で対応できるものは切り替えましょう。

 

現金の代わりにクレジットカードで支払ったらどうなるかも見ておきましょう。

 

クレジットカードで上記のような水道光熱費を支払った場合にはクレジットカードでの支払い内容確定と、クレジットカード利用金額の引き落としにタイムラグが生じます。

 

例えば8/26に水道光熱費の支払いをクレジットカードからで確定した場合には

8/26 (水道光熱費)/(未払金)10,000円 カンサイデンリョク

となり、クレジットカードに未払の支出が溜まっていくイメージです。

 

クレジットカードは定期的に引き落としされますので引き落とされたタイミングで以下のような仕訳入力が必要です。

(未払金)/(普通預金)120,000 VISA

クレジットカードでの決済と実際のお金の支出のタイミングがズレるのでそのズレを把握するために未払金という勘定科目を使います(未払費用でも大丈夫です)。

 

プライベートのみの現金がある状態と考える

売上についても同様で振り込んでもらうのが一番ですし、クレジットカード対応できるのであれば決済システムを導入することも検討のひとつです。

 

そうは言っても現金で売上をもらってしまったらどうすればよいか。

そのときは売上として受け取ってはいるが、その受け取った現金はプライベートの財布に納めたと考えてみます。

 

具体的には事業主勘定(事業主貸、事業主借)というものを使います。

 

事業主勘定は事業とは別のプライベートの自分あての入出金というイメージです。ここを深堀しすぎると訳が分からなくなりますので、そうなんだなぐらいでよいです。

事業主貸は事業主に貸している、事業主借は事業主に借りている、その捉え方でひとまずは十分です。

 

売上が入ってきたらどういう仕訳を入力するか

(現金)/(売上) 110,000 決算料

としてしまうと手許に事業用の現金があることになります。

 

入力の際に現金勘定を使うとそこに現金があることを意味しますので注意が必要です。

よくフリーランスの方の帳簿を拝見していると現金勘定の残高が何十万、何百万となっていることがあります。

 

その状態だと手許に何十万あることに帳簿上はなってしまうのですが、実際にはそんなことはありません。

 

また現金勘定がマイナスの状態の帳簿もよくお見掛けしますが、自分のお財布で現金がマイナスの状態を想像してみましょう。あり得ないですよね。

 

お財布の中身の状態としてはゼロ以上しかありえないので、現金勘定の残高がマイナスの状態はすなわち「何かがおかしい」ということになります。

 

現金を管理するというのはみなさんが思う以上に大変だということが少しわかったでしょうか。

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売上を現金で受け取ったらプライベートの財布しかないということを想定して

(事業主貸)/(売上) 110,000 決算料

事業に関する経費を現金で支払ったら同じくプライベートの財布から支出したことを想定して

(水道光熱費)/(事業主借) 10,000 関西電力

としておくことで事業用の現金がない状態を帳簿上作ることができます。

 

いや、そんな事業主勘定を使わなくても私はおカネの管理はしっかりできるんだ、ということであれば、現金勘定を使っていただいても全然問題ないです。むしろそのほうが本来でいうと正しい処理です。

 

現金で受け取ったものを事業用の銀行口座に入金する、現金で支払ったものを現金勘定からの支払いで仕訳入力する。

日々の現金の残高と帳簿上の残高が合っているのであれば無理をして事業主勘定を使う必要はありません。

 

まとめ

多くのフリーランスの方の帳簿や法人であっても小売業・飲食業などではレジ上の金額と現金の残高が合わない、ということはよく見かけます。

 

自信がなければ事業主勘定を上手に使う、現金を使わないように銀行口座・クレジットカードを活用することを検討してはいかがでしょうか。

ご心配な方、心当たりのある方は早めにお近くの税理士に相談しましょう。

 

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この記事を書いた人

京都市下京区で税理士をやっています、ジンノユーイチ(神野裕一)です。
相続や事業のお困りごとを丁寧に伺い、解決するサポートをしています。
フットワーク軽く、誠実に明るく元気に対応いたします。

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