スケジュールを把握しておくことで対策が必要な場合は対応できますし、予測ができることで不安も軽減します。
法人の事業運営上で必要な税務の事務手続きについて整理しておきます。
いつ何をするのか確認しておく
個人事業主から法人を設立して法人で事業を継続する法人成りのパターンもあれば、いきなり法人を設立するパターンもあります。
法人を設立した場合には法人税法というルールと会社法というルールに基づいて運営をしていくことになります。
「法人」というぐらいですから法人という人格があるものとして個人事業とは異なる部分がたくさんあるわけです。
事業を運営するという点だけでみると個人事業主のほうがラクです。手続きの量がそもそも全然違います。
法人を設立したときにどのような手続きがあるかを確認しておいて年間スケジュール的に自分が何をしなければいけないかを把握しておきましょう。
法人の事務手続きのスケジュール
法人の場合は決算をいつにしてもよいです。月社歴の長い会社ですと月末ではなく20日というケースを今でも見かけます。
決算をいつにするかで変わる部分もありますが一番多いとされている3月末決算でスケジュールを確認します。
3月 決算 棚卸等
5月 申告及び納税 株主総会等 役員報酬の決定
7月 源泉所得税の納付(納期特例の場合)
11月 法人税等中間申告、予定納税
12月 年末調整
1月 源泉所得税の納付(納期特例の場合) 償却資産税申告 法定調書合計表
オーソドックスな内容ではありますが割といろいろやることがあるなと感じるかもしれません。
役員報酬を支払っていたり、従業員を雇用している場合には社会保険、労務関係の手続き等が加わります。(月額算定基礎届、労働保険の申告、給与支払報告書の提出など)
法人が継続して事業を行っている場合にはずっとかかる手続きです。またこれに消費税の申告納税等が加わると結構スケジュールとしては詰まってきます。
事業をやりつつこれらを自力でこなすのはかなりハードルが高いと考えられます。
自分でできることはやりつつ税務のことは税理士に、社会保険のことは社会保険労務士に依頼をするというのも選択肢の一つです。
上記の手続きは基本的にすべてオンラインでも完結します。特に税務についてはオンラインが推奨されていて便利になっています。
法人税の申告については電子申告の普及率が高いですし、地方税についてもオンライン対応が可能なものが増えています。
事業運営に加えて上記のような手続きがあるんだなということをなんとなくイメージしておくと急な対応が減ります。
また納税についても期限があるものですのでいついくらぐらいを納めることになるか、ということを年間を通して把握しておくと資金繰りを考えるきっかけになります。
月末になって把握していない税金の支払いがあるとそれだけでもきつく感じるものです。
事前に把握しておくことの重要性は実は高いのです。
中小企業の経営者の悩みの一つである資金繰りも、将来のおカネの動きを事前に把握しておくことそのものです。
そのうえで対応をしていくことへと落とし込めるとおカネのことを過度に心配し不安を軽減して事業に取り組めます。
すべてのことを見通すことはもちろんできませんが、予測をすることで対策ができますし何より腹が決まります。事務手続きと納税、納付、資金繰りのスケジュールを合わせて確認しておくことが大切です。
いろんな経営指標があって迷うかもしれませんがまずは現預金から把握していくようにオススメしています。
まとめ
法人の事務手続きスケジュールとそれを把握することの効果についてお伝えしました。
おカネの心配をするのであればまずはどのタイミングで何が必要なのか。事務手続きのスケジュールと一緒に資金繰りも考えるとより効果的です。