まだタイミングじゃないな、という方はぜひ毎月末の事務所通信メルマガ(無料)の登録をこちらから!

税務調査の連絡が来たら――クリエイターの調査の流れと、慌てないための準備

「税務署から電話が来たら、どうすればいいんですか?」――ご相談の中で、よくいただく質問です。

ある日突然「調査に伺いたい」と言われたら、頭が真っ白になってしまうと思います。ただ、税務調査には決まった流れがあります。事前に知っておけば、必要以上に怖がることはありません。

今回は、連絡が来てから調査が終わるまでの流れと、そのあいだに準備しておくことを、クリエイターの事情に沿って整理します。

目次

連絡が来てから――電話を受けたその場で、全部答えなくていい

税務調査は、ほとんどの場合、事前に電話で連絡が来ます。そのとき、調査の日時と場所、対象となる税目と年分、確認したい帳簿や書類などが伝えられます。

税理士に代理を頼んでいて、その旨を示す書類(税務代理権限証書)を提出していれば、税理士にまずは連絡が行きます。

「ある日いきなり、調査官が玄関に来る」というイメージをお持ちの方もいるかもしれません。

ですが、悪質なケースでなければ、予告なしの調査はほぼありません。予告なしで踏み込むのは、国税局の査察(いわゆるマルサ)のように、刑事告発を前提とした案件が中心です。何年にもわたって申告していない、意図的に売上を隠している、といったケースです。

ふだんから申告しているクリエイターが、いきなり自宅に踏み込まれることは、まず考えなくて大丈夫です。

日程は、締切が迫っているなど正当な理由があれば、相談して変えてもらえます。その場で決める必要はありません。「税理士と相談してから折り返します」と伝えれば十分です。

連絡を受けたら、まず税理士に相談しましょう。顧問税理士がいなくても、この段階からスポットで依頼することができるケースもあります。

調査の当日――自宅が仕事場なら、自宅で行われる

調査が行われるのは、基本は事業をしている場所です。自宅を仕事場にしているクリエイターの場合は、自宅に調査官が来ることになります。

または税理士事務所や税務署に出向いてということも選択肢になりますので事情があれば説明して対応してもらうようにしましょう。無理やり自宅で、というのは今はないと思ってもらって差し支えないです。

個人の調査は、1〜2日で終わることが多いです。午前中に仕事の内容や売上の入り方などの聞き取りをして、午後に帳簿や通帳を確認する、という流れがよくあります。

仕事場を見せてほしいと言われることもあります。家賃や光熱費を仕事とプライベートで按分して経費にしている場合、その割合に根拠があるかを確かめるためです。

その場で答えられない質問があっても、「確認して後日お答えします」で問題ありません。

また、出版社やイベント主催者などの取引先に、取引の内容を確認することがあります(反面調査)。クリエイターがいちばん気にされる点だと思いますが、申告内容を確かめるために必要な範囲で行われるもので、すべての取引先に連絡が行くわけではありません。

「ペンネームで活動していても関係ありますか?」と聞かれることもあります。ペンネームでの収入も、ご本人の売上として調査の対象になります。きちんと申告していれば、心配はいりません。

調査の結果、指摘がなければそのまま終了です。誤りが見つかれば、修正申告をするか、税務署が更正(税額の訂正)を行う形で終わります。

慌てないために――いまから準備しておくこと

連絡が来てから慌てて探すのは大変です。次のものを、すぐ出せる状態にしておきましょう。

  • 売上が入るすべての口座の通帳と、プラットフォームの入金明細
  • 帳簿、領収書、請求書(電子データで保存しているものは、すぐ表示・印刷できるように)
  • 即売会・通販の売上の記録と、在庫表
  • 出版社との契約書、支払調書
  • 家賃や光熱費を按分しているなら、その割合の根拠を書いた一行メモ

調査で確認されるのは、通常は過去3年分が中心です。ただし、申告漏れがあれば5年、不正があれば最長7年までさかのぼることがあります。少なくとも数年分は、整理して保存しておきましょう。

青色申告をしている場合には最長7年間の帳票の保存義務がありますのでそれに沿った形でまずは保管をしておきましょう。

また、調査の前に自分で申告の誤りに気づいたら、修正申告を先に行うのが望ましいケースがあります。調査の連絡が来る前に自分から直せば、加算税がかからない、または軽くなる場合があるからです。

▶ 関連記事:〈売上除外と重加算税――“うっかりの計上もれ”と“除外”は何が違うのか〉

▶ 関連記事:〈棚卸し漏れと経費率の異常――税務調査に選ばれやすい申告の特徴〉

まとめ

  • 税務調査には決まった流れがあります。連絡が来たら、まず税理士に相談し、日程は落ち着いて決めましょう
  • 悪質なケースでなければ、予告なしの調査はほぼありません
  • 自宅が仕事場なら、調査は自宅で行われることが基本です。仕事場や按分の根拠を見られることがあります。ただし事情があれば調査の場所は考慮されます。
  • 通帳・帳簿・売上記録・契約書を、すぐ出せる状態にしておくのがいちばんの備えです

まずは、売上が入る口座と、帳簿や記録の保存場所を、紙一枚に書き出してみましょう。それだけでも、いざというときの安心感がずいぶん違います。

調査の連絡が来て不安な方は、スポット相談もご利用ください。

税金・確定申告のご相談について

顧問契約中の方のご連絡や単発のご相談は、LINEまたはお問い合わせフォームからどうぞ。新規の顧問契約は、現在お受けしていません。漫画家・同人作家・イラストレーターの方は、CTA(クリエイターズ・タックス・アライアンス)からご相談ください。

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!

この記事を書いた人

京都市下京区で税理士をやっています、ジンノユーイチ(神野裕一)です。
相続や事業のお困りごとを丁寧に伺い、解決するサポートをしています。
フットワーク軽く、誠実に明るく元気に対応いたします。

目次