同人ゲームを開発している個人事業主の方の経理について、確定申告の際に役立てていただけるよう整理しておきます。
売り上げの計上基準について
経費の話に入る前に、売り上げの計上についてもご質問をいただくことが多いので、先にお伝えしておきます。
DLサイトやFanzaなどでゲームを販売している場合、基本的に末締め・翌月払いで明細が上がってきます。
たとえば2月末締めであれば、3月20日ごろに入金があるイメージです。この場合、売り上げの計上は入金のあった3月ではなく、締め日である2月の売り上げとして計上しておく必要があります。
Steamでゲームを販売している場合も同様で、Steam側から発行される明細をよく確認することが大切です。
明細の下部に「何年何月の売り上げ」や「withholding tax(源泉徴収税)」など、経理に必要な情報が記載されていますので、そこをしっかり確認するようにしてください。
入金ベースで処理してしまうと売り上げの集計期間がずれてしまい、消費税の計算などに影響が出る可能性があります。
ご自身で帳簿付けをされている方の内容を確認させていただくと、入金ベースで処理されているケースが少なくありませんので、改めて確認しておくことをおすすめします。
経費の中身について
次に、経費の中身についても整理しておきます。
同人ゲーム開発は元手よりも時間が必要というケースが多く、経費の絶対額はそれほど大きくないイメージがあります。ただし、以下のようなものは経費として計上できます。
- 設備・機器類:開発用のパソコン・タブレット・モニター、デスク・チェアなど。30万円以上のものは減価償却が必要ですが、青色申告の場合は300,000円未満であれば一括で経費計上できます(少額減価償却資産の特例)。(税制改正が予定されており40万円に基準があがります)
- サーバー・データ保管費用:サーバー費用やオンラインバックアップのストレージ費用は、同人ゲーム開発者にとってかなり比重の大きい経費になることがあります。
- 通信費:オンラインでのやり取りが多い業種ですので、通信費も経費に計上できます。
- 自宅事務所の按分:自宅を事務所として使用している場合は、事業に使用している割合を按分して経費に計上できます。
- 素材・アセット費:Unityなどで購入したアセットや各種素材も経費になります。
- 市場調査としてのゲーム購入費:同人ゲームの場合、市場調査として他のゲームを購入・プレイすることは業務上必要な行為と考えられますので、一定程度であればゲームの購入費用も経費に計上できると考えています。
源泉徴収・平均課税について
同人ゲームの販売については、基本的に著作権の使用料として源泉徴収の対象となるケースが多く、その場合は変動所得の平均課税の対象になります。
ただし、pixivなどでコンテンツをユーザーに直接販売している場合は、著作権の使用料として対価を得ているわけではなく「コンテンツの販売」という形になる可能性があるため、平均課税の対象になるかどうかはかなり微妙な判断になります。
この点はまだ税理士によって見解が異なる部分もありますので、詳しい専門家に確認しておくことも選択肢として持っておくとよいでしょう。
まとめ
同人ゲーム開発者の方が確定申告を正確に行うためには、まず売り上げを「入金日」ではなく「締め日」基準で計上することが大前提です。
経費については、開発機材やサーバー費用、素材・アセット費、通信費など計上できる項目があります。
また、源泉徴収や平均課税の扱いについては販売プラットフォームによって判断が異なる場合もあるため、不明点は早めに税理士に相談することをおすすめします。
