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漫画家・同人作家の無申告が補足される要因と原因

漫画家・同人作家の無申告が補足される要因【動画記事】

ファンの多い作品の作画をしておられた漫画家の方が申告をしていなかったことにより告発されたというニュースが流れてきました。

申告が必要なのに申告をしていない状態=無申告と呼びますが、漫画家・同人作家の方は無申告の状態が補足されやすいとも言えます。その要因となんで無申告になってしまうのか考えてみます。

目次

支払調書という存在

漫画家や同人作家のお仕事をしている場合には売上、つまり収入は原稿料、印税、二次利用印税が主になってくると考えられます。

これらの報酬は源泉徴収の対象となりますので、作家の手元に収入が振り込まれる際に、出版社・電子書籍の配信会社が事前に源泉所得税を引いて、作家の代わりに納めるというルールになっています。

原稿料等の収入は源泉徴収されて、作家は確定申告前に一定割合で計算された所得税を前払いしている状態です。

出版社側は源泉徴収した所得税を税務署に作家の代わりに納め、その内訳等を支払調書という形で税務署にいわば報告書を出します。

Aという作家に去年一年間でいくらの原稿料等を支払い、源泉所得税はいくらでしたという内容が記載されており、作家の方は見たことがあるかたも多いのではないでしょうか。

本来は出版社等が税務署に提出する書類ですが作家側にも確定申告の参考資料として渡しているケースは多いです。

つまり、作家側は原稿料等の収入がある場合には出版社が一年分をまとめて税務署に情報提供しているのと同じ状態になります。

よって、作品がヒットしたりして多額になればその分目につくでしょうし、その名前で申告をしているかどうかを確認できると考えられます。

出版社側は作家個人に対して報酬を支払っている場合には調書の提出義務があるためこうした情報の共有は逃れることはできません。

ほかにも近しい人などからの情報提供、つまりはタレコミで税務署側が動くということも考えられます。

ただし漫画家・同人作家の場合にはコミュニティ的には狭い中で活動しているケースが多く、自分が無申告であることは基本的にだれに対しても隠したいことでしょうからタレコミから無申告を補足するのは漫画家・同人作家の場合は少ないのではと個人的には考えています。

なぜ無申告になってしまうのか

一般的な感覚ですと毎月数百万単位で口座に入金があったり、1,000万円をこえる金額の入金が一回であったりすると焦るというか不安になります。

確定申告どうしようかとなるはずですが、作家の方はそのあたりの感覚が鈍いというか何とかなるだろうと良いように想像してしまう方も多いかもしれません。

そもそも漫画家・同人作家になって稼いでいるぐらいですから事務的なことや確定申告の事務作業そのものが苦手という可能性は大いにあります。

苦手だからやらなくてもいいというわけにもいかず事業主として続けていく限り毎年申告は必要です。

漫画家・同人作家のかた特有の問題としては、昼夜逆転している状態のかたが非常に多く見えるということ。

頑張って昼間は起きてくださいというわけではなく、メールやチャットなど相手方の時間拘束をしない連絡方法で連絡できるようにしてはどうでしょうか。

作家の方の多くは夜静かなときに仕事がはかどるとおっしゃることが多いため、わたしもお客様のところに行くときやオンラインでも打ち合わせがあるときにはなるべく夕方にしています。

昼夜逆転していても夕方は起きている方が多いというのが私の経験上からの対応策のひとつです。

仕事が忙しくなってきてしまって後回しにしてしまう癖があるという方も多い印象です。

これをやらなきゃ、なんとかしなきゃと思いながら目の前の仕事に忙殺されて後回しにしてしまうことは誰にでもあることです。

いかんせん源泉徴収されているので所得税を既に払っているし大丈夫だろうと考えている方も過去にはいらっしゃいました。

そうならないためにはどこかのタイミングで税理士に依頼することをまず第一に検討するのがおすすめです。

作家の方が苦手な申告や事務仕事が得意なのが税理士であり、申告まで行えるのは無償独占といって税理士に限られます。

苦手なことがあって目の前の仕事に没頭したほうが収入も上がる、という場合には遠慮は不要です。

実際私のところで顧問をしている漫画家・同人作家のかたの多くが事務仕事から解放されてほっとしたとおっしゃっていただきますし、実際収入が増えている方が多くいます。

それは申告や事務仕事という苦手作業をする時間を作品作りにリソース配分できているから、精神的な懸念が軽減して作品作りに集中できるから、という要素が大きいからじゃないかなとわたしは考えています。

まとめ

いずれにしても無申告の状態というのが税務署にバレやすいのが漫画家・同人作家のかたです。

もし今しんどいなと感じていてある程度の収入があるなら思い切ってお近くでも信頼できそうな税理士でも探してみて依頼できないか相談するのがよいでしょう。

申告ができていないのであれば早く動き始めて自主的に期限後申告をするのが最もダメージを減らせます。

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この記事を書いた人

京都市下京区で税理士をやっています、ジンノユーイチ(神野裕一)です。
相続や事業のお困りごとを丁寧に伺い、解決するサポートをしています。
フットワーク軽く、誠実に明るく元気に対応いたします。

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