月次顧問ではなく「気になったときだけ相談したい」という方のために、スポット相談というサービスを提供しています。
実際にどんなご質問が多いのか、ここで正直にお伝えします。「こんな質問をしていいのかな」と迷っている方の参考になれば幸いです。
質問①「これって経費になりますか?」
スポット相談で最も多いのが、「○○を買いました。これは経費になりますか?」という質問です。
漫画家・同人作家・イラストレーターの方からは、ペンタブ代、資料本代、イベント参加費、画材代など——「経費の判定」に関するご相談です。
税務の判定に明確なマニュアルはなく、「これは大丈夫」という確認をプロにしたいという気持ちが背景にあります。「安心したい」「自分の判断を確かめたい」という心理は、とても自然なことです。
質問②「法人化すべきタイミングですか?」
売上が伸びてきた時期に多いのが、法人化に関するご相談です。「今の売上なら法人にした方がいい?」という質問をよくいただきます。
ただ、私は法人化を積極的にお勧めする立場ではありません。法人化すると毎年の決算・申告費用、社会保険料の負担、登記費用など、思った以上のコストがかかります。メリットが出るラインを慎重に見極めることが大切です。
スポット相談では「すぐ法人化を」とは言いません。現状の収支・生活スタイル・今後の方向性を整理しながら、「法人化のメリットが出てくる条件はどこか」を一緒に確認しています。
質問③「消費税・インボイスはどうすればいい?」
インボイス制度の導入以降、「インボイス登録は必要ですか?」「課税事業者になるタイミングはいつ?」というご相談が増えています。
基本的な考え方としては、「課税事業者になるタイミングでインボイス登録をする」で問題ありません。
売上1,000万円を超えた翌々年から消費税の納税義務が生じますので、そのタイミングで登録を検討するのが自然です。
「取引先からインボイス登録を求められている」という場合は個別に判断が必要です。売上規模や取引先の状況によって対応が変わりますので、不安な方はスポット相談でご確認ください。
質問④「税務調査って来ますか?」
「フリーランスでも税務調査は来ますか?」「どんな人が調査されますか?」という質問も、意外と多くいただきます。
結論からお伝えすると、最も危険なのは「無申告」です。売上があるのに申告をしていない状態は、税務署に発見されたとき、無申告加算税や延滞税など追加のペナルティが重くなります。
一方で、きちんと申告できていれば、漫画家・イラストレーターなどのクリエイター業は税務調査の対象になりにくい業種と考えています。
相談の中でよく話題になること——平均課税と文芸美術国保
上の質問に答えていく過程で、自然と話題になることが多いのが「平均課税」と「文芸美術国保」です。
平均課税とは、一時的に収入が大きく増えた年に使える所得税の計算方法です。原稿料や印税など収入の変動が大きいクリエイターの方には、税負担を抑えられる可能性があります。
文芸美術国保は、文芸・美術・著作活動を行う方が加入できる国民健康保険組合で、所得に関わらず保険料が一定になる点が特徴です。
収入が増えてきた方には健康保険料の節減につながることがあります。どちらも「知らなかった」ではもったいない制度ですので、該当しそうな方には相談の中でご説明しています。
相談の本質は「確認したい」という気持ち
ここまで挙げた質問を見ると、共通することがひとつあります。それは「この判断は正しいのか、一度プロに確認したい」という気持ちです。
ひとりで仕事をしていると、税務に関する決断をすべて自分でしなければなりません。
「これで合ってる?」「もっといい方法があったのかな」という不安は尽きないものです。スポット相談は、その不安を一度整理するための場だと考えています。
スポット相談でできること・できないこと
【できること】
- 「これは経費になるか」の判断と考え方の整理
- 消費税・インボイス登録のタイミング確認
- 法人化の検討ポイントの整理
- 税務調査リスクの確認
- 平均課税・文芸美術国保などの制度説明
- 申告書の見直しと改善提案
【できないこと】
- 税務申告の完全な委託(顧問契約向けのサービスです)
- 継続的な経営コンサルティング
- 融資先への対応など継続的な対外交渉
スポット相談は「気になったときの質問」「一度の確認」向けのサービスです。継続的なサポートが必要な方には、月次顧問の方が合っているかもしれません。
判断に迷ったら、一度相談してみてください
ひとり事業をしていると「これで合ってるのか」という不安は尽きません。その「確認したい」という気持ちを、ぜひ大切にしてください。
スポット相談は、そんな不安を一度整理するための場所です。「こんなこと聞いていいのかな」と思うような質問でも、歓迎しています。
