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名義預金が発生してしまう理由

名義預金の理由

こんにちは、京都の若ハゲ税理士ジンノです。

相続税申告や対策のご相談があったときに確認をしておきたいことのひとつに名義預金があります。

名義預金についてはこちら

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この名義預金どうして発生してしまうんだろうかと考えると対策も立てやすいのではないかなと。今回は名義預金が発生してしまう理由について書いてみます。

 

目次

名義預金が発生する理由

例えば亡くなったお婆さんの遺品や金庫、引出しを整理していたらぽろっと自分の名義の預金通帳が出てきた、という場合を考えてみましょう。

 

預金通帳には結構な金額が積み上がっていますが、自分自身はその存在を全く知らずはじめてその通帳と金額の存在を知った場合。

 

贈与は「あげます」「もらいます」の口頭でも成立しますが、この場合は通帳を発見するまでに貰った認識がないわけですので贈与が成立しているかと言うとしていないと考えられます。

 

相続の現場ではこういうことはときどき発生していて、こういう自分のあずかり知らないところで自分名義の預金口座があった、という場合には名義預金に該当する可能性が高いです。

 

貰った認識がないわけですので贈与ではないですし、名義が自分の名前なだけでおカネの出どころはお婆さんの預金からだとさらに名義預金の可能性が濃厚です。

 

ではなんでこういうことが起きるのでしょうか。

ひとつは今よりもっと前、10年以上前だと預金口座を銀行で開くことについては審査とか本人確認が緩かったことがひとつあります。

 

いま、お近くの銀行で自分以外の人の預金口座を自分が(勝手に)作ろうと思うと相当に手間がかかりますし難しいでしょう。

 

資金洗浄(いわゆるマネーロンダリング)対策や口座そのものをやりとりされて犯罪に使用されるといったケースを防ぐために金融機関における本人確認と口座開設は年々厳しくなっています。

 

一金融機関の複数支店で複数の口座を作るみたいなことも難しいです。

こういった状況が10年以上前だとかなり甘い認識が金融機関とこちら側にもあって、気軽に銀行口座を作れる状況が長くありました。

 

田舎であれば郵貯が民営化されるまで信頼感も抜群に高かったですし、農協さんだと家まで来て手続き関係もマメにやってくれていて、そういうひとから口座を作りませんかと言われるとけっこう作ってしまうものです。

 

そういうことが後々で問題になるとも考えていませんしある意味仕方がない部分もあるでしょう。

 

窓口で気軽に自分の子や孫の名義の預金口座を作ってそこにおカネを移しておけるのがとても気軽の行えた、というのが名義預金が作りやすかった、発生しやすい理由のひとつと考えています。

 

もうひとつは、おカネを渡したいけど使われるのはちょっと、という気持ちから名義預金ができている可能性があります。

 

お婆さんの立場で考えるとおカネに苦労しないように、相続税を支払うのに困らないように、事前におカネを渡しておきたいなと考えるのは資産をお持ちの方ですと自然な感情だと思います。

 

けどおカネをたくさん渡してしまうと子や孫の金銭感覚がおかしくなってしまって、無心されるようになってもイヤでしょう。

 

渡したいけど無駄に使ってほしくない、金銭感覚を自分がおかしくしてしまうことは避けたい、こういう思いは贈与をする側の方のお話を伺うとよく感じます。

 

ではどうするかというと「名義だけ子や孫にしておいて黙っておく」という選択肢がチョイスされることになるわけです。

 

こうなると名義人である子や孫はその存在を知らない預金口座におカネがあるわけですから貰った認識がなく、税務調査でフタを開けてみると名義預金ではないですか?となってしまいます。

 

財産を隠しておきたいという気持ちが全くないかと言われるとそういう方もいらっしゃるかもしれませんが、名義預金の多くは贈与する側の気遣いにより発生しているケースも多いのではないかなとお話を伺うと感じます。

 

名義預金かもしれないと気が付いたら

お亡くなりになった後に名義預金と思しき自分の名義の通帳が出てきたらどうすればよいでしょうか。

 

まずは相続税の申告が必要な状態なのであれば税理士に相談をすることです。

 

税理士側としても相続税申告に慣れている場合にはこういった場合の対処方法をよく知っていますし、さらに言うと税務申告においてもこのあたりの名義預金・名義財産については確認を細かく行うことになります。

 

なんでもかんでも名義預金とするのではなく、状況をひとつずつ整理をする必要があると考えて対応をしています。

 

おカネの出どころがどこか、名義人が自分で働いたりして蓄えたものではないか、名義人の実家からの相続や贈与ではないか、いろんなことを考慮して名義預金に該当するかを判断していきます。

 

税理士の立場でお伝えするともしこの「名義預金かもしれない財産」についてなにも聞かされていないともし税務調査で指摘ががあったときにフォローできない可能性も充分にあります。

 

申告前の段階で情報を整理し記録しておくことはとても大事です。

名義預金があるからと言って怒ったりしませんし、むしろ知らされていない状態のほうが後々で困ることになりかねません。

 

相続対策のご相談の段階で名義預金と思しき財産がある場合にはどうするか。

 

財産を一旦おカネを出した人の名義に戻して(これは贈与ではないです)改めてキチンと贈与するなどの対応が必要です。

 

この場合もキチンと状況を整理して対策をしておくことが安心につながります。わかっていたけどほったらかしだと申告の場合と同じくフォローできなくなります。

 

まとめ

名義預金をなくそうと思うとキチンと贈与して相手方で管理運用をしてもらうことが必要です。適切な手順を踏んでいないと名義預金じゃないかと疑われる可能性が上がっていきます。

財産を隠す目的ではなくある意味仕方がない要因が重なってしまっているケースも多いと思いますのでもし見つけた時には相談をし適切に対処できるようにしたいところです。

 

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この記事を書いた人

京都市下京区で税理士をやっています、ジンノユーイチ(神野裕一)です。
相続や事業のお困りごとを丁寧に伺い、解決するサポートをしています。
フットワーク軽く、誠実に明るく元気に対応いたします。

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