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経営者が認知症になったときのリスク

経営者が認知症になったときのリスク

経営者の高齢化に伴い、年齢が上がることによるリスクは増えています。特に高齢になってくると認知症のリスクが高まるのは誰しも同じです。

経営者が認知症になってしまった場合、様々な会社運営上のリスクがありますのでどういったことに注意が必要か少し解説してみましょう。

目次

事業運営上のリスク

例えば経営者しか知らないことは中小零細企業だとものすごくたくさんあります。銀行の通帳は社長のデスクの引き出しにあっても会社の実印はどこにあるでしょうか?金庫の中にあるとして金庫がダイヤル式だとどうでしょう。

社長本人が銀行関係の事務手続きをすべて執り行っていた場合もそうですし、経理の方がいても金庫の開け閉めは社長がやる、みたいな状況はよくあります。

ダイヤル式の金庫で社長が番号を忘れてしまったら金庫を開けるのはかなり大変です。

銀行印も実印も取り出せなくなると非常に困ることになりますので、そういうものの管理は事前に考えたほうがよいです。

他には契約の締結や更新なども症状が進むとできなくなります。社長決裁をするものについては社長の最終判断になりますので、認知症の症状が出てきていろいろなことを忘れてしまったりすると契約そのものが難しくなるでしょう。

会社運営が難しくなれば代表取締役及び取締役を退任して別の人を当てる必要が出てきます。認知症の症状が強く出ている時は特に事理を弁識する能力がないとされています。

そういった場合は自身の生活はもとより会社運営上の様々な決定事項を決定できない状態と考えられます。

日常の症状が軽度なうちに対処できれば良いのですが認知症が疑われる場合には、なるべく早く医師の診断や医療のサポートを受けて、会社運営上の決定事項を早めに決めて退任するというのも選択肢になってきます。

軽度であってもこのような契約行為が難しくなるケースはもちろんありますし、症状が進んでくると会社の契約行為が全くできなくなる可能性が高くなります。

会社はいろんな契約をもとに運営されていくものですから事業運営そのものにも影響がでて、事業運営が難しくなっていきます。

相続対策上のリスク

認知症の症状が強くなると契約行為ができないとされていますので以下のような相続対策が出来なくなると考えられます。

  • 遺言を書く 書き直す
  • 財産を贈与する
  • 不動産の売却や購入
  • 保険契約の変更、解約
  • 信託契約の新たな締結
  • 養子縁組

こういったことは相続対策上、提案することが多いことがらだったり相続人の方からご相談のある事項です。

特に経営者の場合にはご自身のことに加えて会社とのやり取り、貸し付けや借り入れ、その会社の株式や持分があるぶん経営者でないかたの相続対策とは考慮すべき事項がかなり増えます。

会社運営上は株式を相続贈与すればそれで済むと言えばそうですが、株式を取得したからと言って会社の経営ができるわけではありません。

会社の引継ぎ、社長業の引継ぎも含めてやるべきことは多岐にわたります。そのための相続対策の内容でもあるのです。

こういったことが認知症の症状が進むと選択肢になりません。つまり相続対策は事実上全くできない可能性が高まります。

本人の意思確認ができないというのはこういうリスクがあることも考慮しておくのがよいでしょう。

まとめ

認知症と診断されても当初は軽度なことが多く、生活や仕事にあまり支障がない状態も考えられます。

そうしたときに改めてどう動き始めるのかは考えておいたほうがよいです。急激に症状が進行することはあまりないそうですが、契約関係や事業運営などは弁護士・税理士などに相談しながら進めるのが安心です。

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この記事を書いた人

京都市下京区で税理士をやっています、ジンノユーイチ(神野裕一)です。
相続や事業のお困りごとを丁寧に伺い、解決するサポートをしています。
フットワーク軽く、誠実に明るく元気に対応いたします。

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