フリーランスの方からご相談があると以前の申告書を拝見することが多いです。顧問の場合も同様にご自身で申告をしている場合にはチェックもかねて過去の申告書も見ます。
このとき、自分で申告をすることのリスクとしてどこまで許容するか、線引きするかについてご相談いただくことがあるのでお伝えします。
本来の納税に足りてない状況
ご自身で申告できるうちはやりたいという方は一定数いらっしゃいます。
ただ申告を自分でしていると高い割合でご相談があるのが合ってるのかどうかがわからないと。
国税庁の確定申告書等作成コーナーで申告書を作っている場合には、計算の中身自体は合っている可能性が高いです。
手書きでやると計算間違いや金額の転記(書き写し)が発生することで申告書の作成内容そのものが間違う可能性があります。
その点で、確定申告書等作成コーナーで申告書を作るとそういった計算間違いなどは発生しづらいです。(入力を間違うということはあり得ますが)
その点の心配ではなく経費の計上や売上の計上漏れがないか、計算の根拠そのものに間違いがないかといった不安が大きいようです。
また間違いのないようにも大小あって、修正申告等で直したほうがよい内容のこともあれば、それほど問題にはならないかなという内容まで様々です。
この辺りの塩梅がわからないというのも不安を大きくする要因かと思います。
あとは納めすぎている場合に直したほうがいいかどうか、そういったことも心配としてあり得ると思います。
致命的に納付漏れや計算間違い、これは直したほうがいいということがなければどこまで納得できるか許容できるかは人それぞれあると思いますのでそこはある程度明確にしておいたほうがよいです。
多少の払い過ぎならいいと思うかどうか
申告の内容が間違っている場合には2パターンあります。
①本来の税額>申告での納税の状態と、②本来の税額<申告での納税のふたつです。
①の場合には修正申告をしたほうが良いかどうかの判断をすることになります。税務調査で直ちに修正させられるような内容だと自主的に申告修正したほうがよいです。
ただすべての間違いがそのようなただちに直したほうが良い内容というわけでもなく、税務調査があって調査官から指摘を受けてもグレーな内容なので指導にとどまるというケースもありえます。
一方で②の場合には更正の請求をしたほうがいいかどうか判断することになります。
更正の請求というのは納めすぎていた税金を返してもらう、還付金額が少なすぎる、という場合の申告のようなものです。
修正申告の逆バージョンと考えてもらって差し支えないです。
この場合に例えば、本当は還付申告のないようなのに誤って納付申告になっていた、という場合などはもちろん更正の請求をしたほうがよいですが、そうじゃないケースもあります。
ちょっと間違っていたから直したいぐらいの内容だと税務調査のきっかけになりうる可能性があります。
税務署側としても税金を返す処理には慎重に対応するので、中身をよく確認して場合によっては税務調査する、となりかねません。
まとめ
もし間違いがあった時にこれなら仕方ないかとどこで線引きできるか。金額もそうですが手間などもありますし税務調査の可能性も考慮してみてください。
税務署とのやり取り、申告書の訂正などはやはり時間と手間が想定以上にかかることが多いです。