勤めているときから資産運用に熱心な方もいらっしゃいますが、フリーランスになって軌道に乗り手元資金に余裕がでてきたからやってみたい、という方も多いと思います。
フリーランスの資産運用について考えてみましょう。なお、投資はご自身の責任で行ってください。
資産運用としても税金対策としてもやっておきたいことが、小規模企業共済とiDeCoの加入です。資産運用という視点で考えてみます。
小規模企業共済の特徴
小規模企業共済は中小機構という公的な機関を通じて毎年掛け金を納めておき、最終的に事業を廃止したときなどに退職金もしくは分割で受け取るというのが特徴です。
掛け金そのものは所得控除として所得税の計算上利益から引くことができます。
そのため同じ金額を定期預金するぐらいなら小規模企業共済にしておいてはどうでしょうか、ということはフリーランスのかたにお話しています。
定期預金の利率は0.1%などで仮に50万円預け入れたとしても一年で千円にもならない利息です。
仮に所得税率が最低税率の5%、住民税率は10%ですから、小規模企業共済として50万円預け入れすると所得税は2.5万円、住民税は5万円、預け入れしない場合と比べると有利です。
かたや数百円の利息と、7.5万円の税金がお得になる、ということならどちらを選ぶでしょうか。
さらに所得税率が高ければ高いほどその効果は比例して高まります。
受取時は一括で受け取った場合には退職金として税金計算をし、分割で受け取った場合には年金として税金計算をします。
特に退職金としての受け取りは今後税制改正が入る可能性があり、税務上のメリットは少なくなりますがそれでも税金計算上は退職金で計算できるというのは有利です。
現状は、勤続年数が20年以下だと800万円まで控除できますので、月3万円で36万円×20年掛けて解約したとしても720万円の受け取りですからその受取金額に税金はかからない計算です。
年間でMax84万円(月額7万円)ですが、少額でも早めにはじめておくのがよいでしょう。なぜかというと退職所得控除の期間が長く取れるからです。1,000円から加入できますので検討してみてください。
iDeCoの特徴
iDeCoは自分で将来の年金を積み立て運用して一定年齢以上になったら受け取る、という仕組みです。
こちらも掛け金は税金計算上は所得控除になりますので小規模企業共済とその点では同じです。
異なる部分としては資金がロックされるということと、自分で運用を考える必要があることです。
小規模企業共済は解約しようと思えばいつでも解約が可能です、掛け金が少しだけ減る可能性はありますが、解約して手元に戻せるのでロックはされていません。
iDeCoは死亡するか一定年齢になるまでは引出ができませんので、資金がロックされていると言えます。
金額の調整はできますが、意図的な解約ができないのでその点は注意が必要です。
一方でメリットとして自分で掛け金の運用先を選ぶことができます。証券会社により商品ラインナップが異なる部分がありますが、インデックス投資をする際にはiDeCoがいいかもしれません。
というのもインデックス投資の場合はバイアンドホールドが基本で、買ったものを保有するというのが運用成績が上がるとされています。
自然とドルコスト平均法を選択することにもなりますから、その点でも資産運用向きではあるでしょう。
リスクを抑えるならそういう投資信託商品を選べますし、リスクを取ってリターンを狙いたいということであれば米国インデックス投資商品も選択肢に入ります。
信用取引や個別株で運用するわけではないのでその点は比較的安心できるのではないでしょうか。
まとめ
利率という点でみると小規模企業共済に分がありそうです。最低でも掛け金の15%(所得税、住民税合わせて)は税金がお得になるわけですから。
ただ運用という点で見ると商品選びの楽しさや相場を見て楽しめるという点ではiDeCoもよいかもしれません。
資金ロックの関係から小規模企業共済からスタートすることをおすすめしていますがどういう資産運用をしたいかによります。
来年から新NISAも始まり非課税枠は拡大しますので