「税理士変更を検討している」という理由でのお問い合わせや申し込みをいただく機会があります。
その場合、事業主の立場として確認しておきたいことが少し変わってきているように考えていますので整理します。
税務の情報
税務の情報というのは税理士が顧問をしていればそのお客様について届け出したものなどは把握していてしかるべきではあります。
一方で事業主のかたにとっては「◯◯やっておきましたので」と言われることも多いかと思います。
この場合、顧問税理士は把握していても事業主が把握していないことがキチンと把握、認識していないこともあり得ます。
そういうものがないかをまずは確認してみましょう。
法人であれば法人税に関する届け出、申請書関係の控えが手元にあるか、データでも構いません。
消費税は特に、インボイス登録をしているかどうか、しているのであれば控えなども確認が否うようです。
法人の場合のインボイス登録は法人番号が分かれば登録しているかどうか分かりますが、個人事業主の場合は法人番号がありませんので、割り振られた番号がわからなければ登録しているかどうか国税庁のホームページで確認ができません。
こういったことであったり、消費税の申告をしているのであれば届け出関係として簡易課税の届け出をしているかどうかなどもチェックしておきたいところです。
電子申告をしているなら利用者識別番号とパスワードは必須です。これらも要確認事項です。
もし税理士事務所から出し渋られたらパスワードを事務所で共通にしている可能性がありますから、パスワードは変更してもらって利用者識別番号と一緒に取得しましょう。
この2つが分かればパスワードはあとでこちらで変更することができます。
あと税務の情報として税務調査がいつ来たか?というのも記録を残しておきましょう。
というのも税理士変更のあとに税務調査があると「前回の宿題事項」があったかどうかも含めてわからないことがあります。
税務調査の情報は税理士側で把握していることが多いですが変更になる際にはその情報も預かっておきたいところです。
会計の情報
会計の情報としてはまず自社や事業主側で入力等しているのか、それとも税理士事務所で記帳・帳簿付けをしているのかを確認しましょう。
会計ソフトについても合わせて確認が必要です。
過年度分、つまり進行期よりも前の事業年度の総勘定元帳や仕訳(日記)帳などもデータで構いませんので手元にあるかどうかをチェックします。
進行期よりも前の事業年度の分は直接それを修正することはあまりないですが、過去からの流れで今の処理があります。
それを踏襲するかどうかも含めて新しい税理士事務所のほうで判断する材料が必要ですので過去の情報はとても大切です。
申告書と同じく決算書や決算時の株主総会等の議事録などの書類も手元にあるか確認します。
自社で帳簿付けが完結している場合には会計ソフトを変更するかどうかも検討すべきポイントになります。
会計ソフトについては新しい税理士事務所側のやり方もあるでしょうし、これまでのやり方を含めて変えるのか変えないのか。事業主としてのスタンスを決めておくのがよいです。
クラウド会計ソフトであればログインID、ログインパスワードがあればスムーズに移行しやすいです。
いわゆるクラウド型ではない会計ソフトの場合にはパソコンから変更するのかどうかも含めて税理士事務所、会計ソフト会社の担当者とよく相談するのが安心でしょう。
まとめ
いきなり今の税理士事務所と契約解除をすると必要な情報を集められない可能性が高まります。
後の税理士事務所のみならず会社や事業主のかたにとってもメリットはないですから、必要な情報をしっかり収集しておきましょう。