こんにちは、京都の若ハゲ税理士ジンノです。
事業をやっていると耳にしたことがあるかたも多い試算表。試算表という月次決算の帳票というか資料がありますが、推移と前年同期比を比較するようにしています。
試算表の数字を見てやっておきたいことを整理します。
前年同期比、推移とのズレがないか
試算表は推移で見た方がいいと考えていて、それは事業年度の中でも流れがあることが多いからです。
季節的なものもあるでしょうし、多かれ少なかれ波があります。
月単位でそれが表に出てくることもあれば、週単位のこともありますが、推移を見ることで見えてくることがあります。
それは前年同期比で見た時のズレがないかどうか。
前年同期で見るというのはどういうことかというと、例えば3月決算の法人があったとして記事執筆時点は11月ですので、10月までの数字がある程度固まっているとします。
推移で見るというのは4月、5月、6月、、、、10月という時系列に並べてその推移を見るということです。
そして前年同期で見るというのは2021年4月から10月までの数字と、2020年4月から10月までの数字を比較することです。
これにより、今期と前期の同じ時期で比べてみたときにどのような違いが出ているかをチェックすることができます。
後述しますが、経営者の勘や直感も大事ではありますが、せっかく去年の数字があって今年の数字があるのですから比較してみましょう。
大きな違いがないかをまずはみてみるだけでもよいです。
そのズレの原因
前年同期比で見た時に上振れしているのか下振れしているのかがはっきりわかります。
その時になんでこのブレができたのかを確認してみることは今後の行動に影響する部分ですのでやっておきたいところです。
例えば今期は前期に比べて前年同期比で利益が出ていないとしましょう。
粗利(売上総利益)の時点で取れていないのか、営業利益なのか、それとも単純に売上ベースなのか。横並びにしてみた時にどこが原因かはなんとなくわかるはずです。
単純に受注のタイミングのずれだけであればそこまで心配しなくてもいいでしょう。
経費が去年よりもだいぶ増えているとか、仕入れ値がかなり高騰しているとか、反対に外注に出していた作業が内製化できたので外注費が下がったとか。
いろんな要素の積み重ねで利益計算は行われます。
前期、または前々期も加えてみた時に嬉しいズレなのか嬉しくないズレなのか、原因を探ってそこに対しアプローチできるのはやはり数字があるからです。
10月の月次決算書を半年後に見ることで有効な手が打てるかというとそういうことは少なくて、やはり2ヶ月後、1ヶ月後、2週間後、10日後と締めからの期間が短いと打てる手の選択肢は増える傾向にあります。
かといって例えば2営業日後に締めた時と、2週間後に締めた時では精度の違いは当然出てきます。
試算表で感じた違和感を把握し、解決に向けて行動に移すにあたってどこまでの精度があればよいのかは事前に思い描いておきましょう。
これにより月次決算をいつまでに締めることを目標にするかが明確になります。
経営者の感覚とのズレ
もう一つ確認しておきたいのが経営者の感覚とのズレです。
経営者は数字をベースにすることも多いですが長年の勘や直感で決断をするケースもまだまだ多いです。
全てを直感で決めるひともなかにはいらっしゃいますが、その結果は確認しておいたほうがいいです。
結果というのは数字にダイレクトに反映されますので、自分が思い描いていた利益がでているか、数字でもって確認しましょう。
このズレが大きい場合には見直しが必要ですし、状態でいうと黄色信号です。直感でやってきた部分が実はどうやら結果が出ていないぞ、ということになりかねません。
社長の感覚としてのズレが致命的になる前にズレの原因を確認し軌道修正をしておきたいところです。
粗利がとれていないのであれば製造原価(原材料費、労務費、外注費など)が前年同期比と比べてどうなっているか。
また営業利益がとれていないのであれば増えている経費がないか、逆に減っている経費がないかをチェックします。
経常利益がとれていないのでれあば、特別損益の項目に普段と異なる項目がないかをみてみましょう。
ひとつずつ解きほぐしていくことで改善点のりんかくがハッキリしてきます。
まとめ
利益がでているか、また現預金が増えているか、そういった点を確認し前年同期比とのズレや感覚とのズレがあれば原因を確認し次の行動に繋げられるように試算表を活用できるとよりよい会社運営になっていきます。
現預金が増えているかどうかもチェックしておきましょう。
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