まだタイミングじゃないな、という方はぜひ毎月末の事務所通信メルマガ(無料)の登録をこちらから!

2026年分の路線価が公表—土地の相続税評価、何から確認するか

7月に入ると、その年分の路線価が公表されます。税理士にとっては夏の風物詩のようなものですが、相続税の申告を控えているご家族にとっては、「うちの土地はいくらで評価されるのか」が具体的に見えるようになるタイミングです。

今年も2026年(令和8年)分の路線価が7月1日に国税庁から公表されました。

全国平均は前年比プラス2.9%と5年連続の上昇で、現在の算出方法になった2010年以降で最大の上昇率です。

地価が上がっているということは、土地の相続税評価額も上がりやすくなっているということでもあります。

今回は土地の相続税評価をどこから確認していけばいいかを整理します。最初にひとつだけ押さえておきたいのは、「売買の値段」と「相続税の評価額」は別物だということ。まずはこの前提から入っていきます。

目次

路線価とは何か——「時価」とも「固定資産税評価」とも違う

路線価とは、相続税や贈与税の計算に使う、道路につけられた1㎡あたりの価格です。毎年7月1日に国税庁が公表します。

いくつか、混同されやすいポイントがあります。

まず、使うのは「相続が開始した(亡くなった)年」の路線価だということ。申告書を出す年ではありません。たとえば2026年中に相続が発生したなら、7月1日に公表された令和8年分の路線価を使って評価します。

次に、路線価は実勢価格(時価)そのものではありません。おおむね公示地価の8割程度の水準に設定されています。

相続税評価のために、一段低く置かれた価格だと考えてください。不動産屋さんの査定額とは前提が違うので、混同しないことが大切です。

そして、路線価は国税庁の「路線価図・評価倍率表」のサイトで、誰でも無料で確認できます。まずは自宅前の道路についている数字を見てみる、というのが第一歩になります。

評価の基本手順——路線価方式と倍率方式

土地の評価方法は、大きく二つに分かれます。

路線価がついている地域では、「路線価方式」を使います。路線価×地積(面積)が出発点です。ここから、土地の形状などに応じた補正が入っていきます。

一方、路線価がついていない地域(郊外や農村部など)では、「倍率方式」を使います。

こちらは、固定資産税評価額×地域ごとに定められた倍率で計算します。この倍率を載せた「評価倍率表」も、路線価図と同じ国税庁のサイトで確認できます。

ご家族の側でまずやっていただきたいのは、自分の土地がどちらの方式なのかを確認するところまでです。ここまでは専門知識がなくても手を動かせる範囲です。

このとき、固定資産税の課税明細書(毎年春に市区町村から届きます)が手元にあると話が早く進みます。

倍率方式で使う固定資産税評価額も、この明細書で確認できます。相続の必要書類を整理する段階で、あわせて手元にまとめておくとよいでしょう。

単純計算どおりにいかないところ——専門家が入る意味

ここからが、土地評価のいちばん大事なところです。

土地の評価は、「路線価×面積」で終わらないことがほとんどです。

たとえば、形がいびつな土地、奥行きが極端に長い土地、二つの道路に面している土地、私道部分がある土地——こうしたケースには、それぞれ評価額を補正するルールがあります。

多くは評価を「下げる」方向に働くものですが、見落とすとそのぶん払いすぎになってしまいます。

また、人に貸している土地や、貸家が建っている土地も評価が下がります。

さらに、自宅の土地の評価額を最大8割減らせる「小規模宅地等の特例」という制度もあります。

これは土地の評価とは別枠の特例で、適用するには要件を満たしているかの確認が必要です。効果が大きいぶん、判断も慎重に行う必要があります。

土地評価の実務の核心は、「評価を下げられる要素を漏らさないこと」に尽きます。同じ土地でも、どこまで補正や特例を拾えるかで評価額は変わってきます。ここは申告経験の差が出やすいところです。

まとめ

最後に、今日の内容を整理します。

まずは路線価図で自宅の路線価を見てみること。倍率地域だった場合は、固定資産税評価額を確認しておくこと。ここまではご家族でもできる範囲です。

そのうえで、「路線価×面積」はあくまで出発点だと押さえておいてください。補正や特例によって、評価額は大きく変わり得ます。

そして、評価を下げる要素の見落としは、そのまま税金の払いすぎにつながります。地価の上昇が続くいまだからこそ、土地が主な財産になる相続では、早めに全体像をつかんでおくことが効いてきます。

税金・確定申告のご相談はお気軽に

LINEまたはお問い合わせフォームからご連絡ください。税理士本人が直接対応します。

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!

この記事を書いた人

京都市下京区で税理士をやっています、ジンノユーイチ(神野裕一)です。
相続や事業のお困りごとを丁寧に伺い、解決するサポートをしています。
フットワーク軽く、誠実に明るく元気に対応いたします。

目次