ありがたいことにご依頼をいただく機会が今年は特に多いですが、過去の申告書を必ず拝見するようにしています。
間違いや改善点がないか
まず間違いがないかを確認しています。
漫画家や同人作家のかたですと多いのが源泉所得税の計上漏れと売上金額の計上時期のずれです。
源泉所得税そのものをマルッと計上出来ていないケースだと申告書の内容が間違っていることになりますので更正の請求という処理をすることになります。
本来だと源泉所得税は天引きされていて前払いの状態ですから申告の時に精算することで還付になるケースも多いです。
誤って納付の申告にしているケースだと、還付の分と過納付の分でけっこう税金が戻ってくることになります。
売上金額の計上時期のずれは特に、12月分売上が翌年1月になっている分について間違っているケースです。
この場合については金額の多い少ないも加味しつつ、今年で13か月分の売上計上するかどうかを相談の上で修正するかどうかを検討します。
本来であれば修正したほうが良いのですがいわゆる期ズレの状態ですから今年の売上が多くなる分についてはご本人が納得してもらえればという状況のこともあります。
平均課税の適用有無や個人事業税の非課税部分の計上のところもチェックしておきます。
この辺りの間違いが過去の申告分でないかどうかをチェックしつつ次のステップです。
改善点がないかのチェックをしますが、これまでの帳簿の付け方や会計ソフトの使い方、経費の内容についても軽く確認しています。
今後はこちらで入力等をして帳簿付けをしていくわけですので、そこまで細かくはお伝えしませんが、ご協力いただきたいことはお伝えします。
青色申告で特別控除65万円にしたいのであれば事業用の口座があったほうがよいですし、クレジットカードもその口座と紐づいているほうがよいです。
会計ソフトも強い希望がなければこれでお願いします、というものをご契約いただいています。
今後できることのチェック
ここまでの過去のチェックからとは視点を変えてこれからできることについてもチェックをします。
iDeCoや小規模企業共済をするのか、これまではどうしていたのかなどもそうです。
またインボイス制度が始まった関係でインボイス登録するかどうかも検討事項になってきます。
さらに国民健康保険のままでいくのか文芸美術国保の加入を目指すのか、そういったこともチェックしつつふるさと納税の希望があればどれくらいの目安かというのも確認しておきたいところです。
過去の分のチェックはもちろん大事ですが今後何をしていけそうか、ということの確認も同じく大切です。
まとめ
ご依頼いただいて過去の分が間違っていたからといって怒ったりそういうことはありません。どうしましょうか、こうしましょうか、という形でお話を進めます。
今後も長いお付き合いになることが多いのが顧問契約ですから最初にチェックして整備しておくことであとのことがスムーズに進んでいきます。