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相続税申告時のヒアリング 財産形成要因は?

財産形成要因を確認する理由

相続税の申告の際にはヒアリングシートを使ってお話を伺うようにしています。

聞き洩らしがないようにということもそうですが、記録を取っておくという意味合いもああります。

そのヒアリングで財産の形成要因を伺うようにしていて、今日はその理由について解説します。

目次

財産の形成要因とは

財産の形成要因というと堅苦しく感じるかもしれませんが、その亡くなった人の財産がどのように形成、構築されたか、ということです。

Aさんの財産構成として土地や建物、現預金、有価証券、生命保険金などいろいろあるでしょう。

そのような財産がどうやって形成されたか。

相続税がかかるぐらいの財産をお持ちなわけですから一般的には富裕層に該当すると考えられます。

どのようにして財産が形成されたか、この視点は相続税申告書を作成する前段階でその人となりを推し量るという点でも大切にしています。

相続税申告の際のヒアリングはお元気だったときの様子からお伺いすることが多く、趣味やお好きだったこと、お仕事で頑張ったことなどからお話を聞くと、相続人の方も比較的お話しやすいかなというのが個人的な印象です。

どのような要因があるか

どのような形成要因が考えられるかというと結構様々あります。

ご本人の仕事からというのが1番多い印象です。

会社経営者や役員を長く勤めていたということでしたら、役員報酬が積み重なって形成されていることが多いので現預金の比率が高いことがあります。

また一般的に高所得者のイメージがある職業にご存命でお元気な時に就いていた場合(例えば医師や弁護士、会計士などの士業)もあります。

そのほかでいうと勤めていた会社が就職当時は中小企業だったけれど、事業が好調で上場し役員になった、というケースだとその会社の株式を多く保有しているケースなどもお見掛けします。

投資がお好きで得意だったという方もいらっしゃって、バブル期を実感として体感していない私としては想像ができない部分もお話を聞いているとあるのですが、株式投資なんかでもものすごく上手に財産を増やした、というかたもいます。

ご自身が稼いだものに加えてその方の親や祖父母世代から引き継いだ財産があるケースもあります。

いわゆる代々の地主さんや不動産賃貸業をしておられる場合が該当します。

地主さんの相続財産の構成はやはり不動産の割合が高くなる傾向で納税資金の確保がチェック項目になります。

記録を取ってまとめておく

財産形成要因を把握しておくことでその方の財産構成から違和感を感じることもあります。

例えば元々保険の代理店を長くやっておられた方ですとご自身も保険に加入しておられるケースが多いので、死亡保険金を受け取る保険とは別に生命保険契約に関する権利評価の対象となる保険がないか、と通常よりも気を付けて確認をします。

またお伺いした内容よりもどうも資産が少ない印象だと何かほかに使ったりしたのかなと通帳の出金を確認したり、お話を伺うこともあります。

税務調査においても財産の形成要因は確認されます。

調査官も事前に確認はしていると思われますが、仕事の内容などから推測する財産金額と比べて多い少ないは印象として持っているでしょうし、財産形成要因は相続税が課税される要因でもあるわけです。

申告書を出して2年後ぐらいまでに税務調査があるケースが多いですが、その時の備忘として記録を残すことも大切だと考えています。

配偶者の方がいらっしゃっても税務調査の時にお話がうかがえる状況かというと必ずしもそうではないです。

お亡くなりになっていることもありますし認知症でお話を聞けない状態ということもあります。

相続税申告書を起案する際に情報のひとつとして財産形成要因をお伺いして記録してまとめておくようにしています。

まとめ

相続税申告業務を行う際には初回のヒアリングにも十分に時間を取り、相続人の方の不安や心配事も可能な限りお答えするようにしています。

やはり相続税申告自体が初めてのかたが多いですし、税理士と接することも初めてという方がいて緊張しておられることも多いです。

ご生前の様子からお伺いしていくことで普段の様子に近い状態になってもらうことで、心配なことや思い出したこともお話しやすくなるのではないかと考えています。

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この記事を書いた人

京都市下京区で税理士をやっています、ジンノユーイチ(神野裕一)です。
相続や事業のお困りごとを丁寧に伺い、解決するサポートをしています。
フットワーク軽く、誠実に明るく元気に対応いたします。

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