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資金繰りの第一歩 入出金タイミングの把握

入金と出金の タイミングを把握する

資金繰りをいつも気にかけている経営者の方は意外と多いですが、何から手を付けていいかわからない、ということもあるでしょう。

まずは入出金のタイミングの把握からしてみましょう。

目次

今月の売上がいつ入金になるか

今月の売上がいつ入金になるか把握していますか?と聞いてみると結構な割合で「いつだっけ?」となります。

まずはここからです。

現金商売の場合は今日の売上は今日入ってきますが必ずしもそういうビジネスばかりではないです。

売上に関する請求書を見てみましょう。

今月末締めで支払期日はいつになっていますか?翌月末ですか?翌々月末までですか?

売上を計上するタイミングと入金のタイミングがズレることはよくあります。

掛取引といっていわばツケの場合には基本的にズレます。クレジットカードで決済してもらったり、キャッシュレス決済の場合も同様です。

現金になるタイミングを確認します。

現金取引:その場で
掛取引:期日までに(翌月、翌々月など)
クレジットカード決済:カード会社指定の振込期日
小切手取引:取引金融機関に持ち込んだら1~2日で
手形取引:6か月後など券面記載の期日まで

といった具合です。

最近だと決済代行をしてくれるサービスでコチラから出金指示をしないとおカネが振り込まれないというケースもあります。

その場合は現金とほぼ同じと考えてよいでしょう。

製造業や卸売業ではいまでも手形取引がありますが、例えば最初は掛取引で売掛金として計上してその後、売掛金の支払期日に手形が発行される、みたいなこともあります。

5/9 (売掛金)/(売上)500,000円 〇△商事 売上(翌々月末日が期日)

7/31 (受取手形)/(売掛金)500,000円 〇△商事 受取手形に振替(6か月後期日)

みたいな感じです。

こうなると今月の売上が翌々月まつからさらにプラスで6か月後に入金となります。

手形であれば途中で割引して現金化することも可能ですが割引手数料が差し引かれます。

今月の仕入れ・経費がいつ出金になるか

売上を確認したら今度は出金、おカネが出ていくタイミングを確認しましょう。

おカネが出ていくのは仕入れや経費の支払いをしたときです。

仕入れであれば掛取引でいわゆる買掛金の状態になっていることが多いと考えられます。現金取引もあるかもしれませんが請求書でのやり取りがメインでしょう。

請求書を見てみると支払期日が記載してあるはずです。コチラから請求したときと同じですね。

ほかには各種経費の支払いがありますが定期的なものであればなんとなく金額が分かると思います。

例えば従業員を雇用している場合には給料手当、自分宛てに会社から役員報酬を支給している場合には役員報酬の支払があります。

掛取引や手形取引が多い場合もあるかもしれませんが、売上と比べると支払いのタイミングが短い、近いものが多いのではないでしょうか。

おカネが出ていくタイミングが売上入金よりも近い、短いという場合に資金繰りのことを考えていく必要があります。

預金口座があればそのなかで毎月おカネが出ていくタイミングをみて金額を把握してみましょう。

多くのビジネスの場合にはおカネが出ていくタイミングが先で、入金が後です。

これを把握して月末など支払いのタイミングであくせくしないようにしたいところです。なので把握したタイミングを並べてみましょう。

タイミングを並べてみる

売上と仕入れ・経費の入出金のタイミングを把握してみたら、それをExcelやスプレッドシートに記録してみることをおすすめしています。

簡易ではありますが資金繰り表作成ができますのでいまのキャッシュで事業を運営できそうかなんとなく見えてきます。

入金と出金の金額を月ごとで記入してみましょう。こんな感じになるはずです。

4月5月6月7月8月9月
入金予定1001508060100120
出金予定8080801508080

仕入れや経費の支払いのほうが多い月は残高が減ることになります。反対の場合は残高が増えます。売上や仕入の金額ではなく入出金の金額を入れるのがミソです。

入出金のタイミングと金額がなんとなく把握出来たらこの表にいまの事業用資金の残高をいれてみましょう。

4月5月6月7月8月9月
月初残高200220290290200220
入金予定1001508060100120
出金予定8080801508080
月末残高220290290200220260

さらに借入金がある場合には返済金額も入れてみます。

4月5月6月7月8月9月
月初残高2001701901400-30
入金予定1001508060100120
出金予定8080801508080
返済予定505050505050
月末残高1701901400-30-40

これで簡易な資金繰り表ができました。おカネが足りなさそうだな、という部分はないですか?

もしあればそれに向けて資金の融通を前もってトライできるはずです。借り入れをしたり支払を遅らせたり、いろいろあります。

本来であれば経営者の仕事に資金繰りであくせくすることは入らないと考えています。

もっと売上や利益に貢献する時間のために経営者は汗をかけるほうがより事業が発展しうまくいくでしょう。

まとめ

貧すれば鈍する、という言葉があります。

お金のことが常にアタマの中にあるとそれだけで精神的なストレスになりますし、あくせくしてほかの仕事に関する判断もうまくできない可能性もあります。

まずは事業の状態、地図でいうところの現在地を把握してみてみましょう。そこからどこにどうやって向かうか、を考えることができます。

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この記事を書いた人

京都市下京区で税理士をやっています、ジンノユーイチ(神野裕一)です。
相続や事業のお困りごとを丁寧に伺い、解決するサポートをしています。
フットワーク軽く、誠実に明るく元気に対応いたします。

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