利益改善は事業主、経営者にとって必要なタスクではありますが実際どうすればいいか、というのはなかなか思い浮かばないこともあります。
現状確認と利益改善、行動計画について考えてみます。
利益を増やすために必要なことは?
事業を続けるためには資本を投下して回収して利益を出して、その利益をまた投下して回収して、の繰り返しです。
利益が出ていないと事業を続けることがどんどん困難になっていきます。それに伴い税金の支払いもあるわけで。
では利益を増やすために何かしらしなければいけません。売上−仕入・経費=利益という計算です。
仕入・経費を減らすか売上を増やすか、両方やるか、ということになります。
基本的には仕入と売上は連動しますので一概にはいえませんが、どちらかをしなければ利益維持もしくは下がっていきます。
原材料の価格が上がった場合にはその分を売上に転嫁できないと原材料費が増えた分だけ利益を圧迫します。
経費についてはひとり社長やフリーランスであれば自分で管理しているのでチェック機能が働きやすいです。
従業員さんが多くて営業担当者が何人もいる場合などは全ての経費にその場で目を通して判断できないケースもあるでしょう。
そのような場合には決算の前後で良いので経費の見直しをしておくのがおすすめです。
経営者及び幹部、税理士がいてもいいと思います。そのメンバーで1日かけて経費の妥当性を確認しておく。
売上につながる内容になっているか、もしやめたらどのような影響が出るか、一つずつ確認できると経費の内容が引き締まります。
でも経費を見直してチェックをして減らすことには限界もあります。ではどうするか。売上を伸ばせないか考えてみることになります。
利益を5%もし伸ばせたら、数字で見てみる
仮の話ではありますが利益を5%伸ばそうと思ったときに数字でどうすればよいか落とし込んでみるとわかりやすいです。
売上2,000、売上原価1,000、販管費700だとすると営業利益300です。
2,000-1,000-700=300という計算式ではじきだせます。
では利益を5%伸ばそうと思ったらどこの数字をどう伸ばしたらいいか計算してみましょう。利益300の5%ですから300×5%=15です。
これを全部売上で伸ばすためには売上原価率が50%(売上2,000をあげるために売上原価1,000が必要)です。
販管費700が変わらないという前提ですすめると売上を伸ばすことになります。
売上が15増えるだけだと連動して売上原価も7.5増えますので7.5しか利益が増えなことになります。
売上原価率50%であれば売上ベースでみると30増やして売上原価15が増えて、差額で利益が15増えます。計算式だと以下のようになります。
2,030-1,015-700=315で5%増えることが確認できました。売上は30/2,000=1.5%増できればなんとかいけそうでしょうか。
もう少し踏み込んでみます。販管費の見直しをして1%減らせたらどうでしょうか。
700×1%=7ですので販管費693です。これをベースに利益率5%を達成しようともうと以下のような計算式になります。
2,016-1,008-693=315で売上は16/2,000=0.8%増です。
数字だけ見てみましたがどのように感じるでしょうか。こういった数字の話をするとわかっているけど机上の空論だよねと言われることがあります。確かにこのままだとそうなります。
そのために何ができるか
数字の目標を立てるのであれば行動計画につながるようにします。
考えるだけなら苦労しませんので実際にどうするか、なにをすればいいかというのが計画を立てる上で大事です。
借り入れをする際だけではなく、中期の事業計画をたてるときにも何をすればこの数字を達成できるのかがキーになります。
単年度も同じくですが逆に長期の事業計画を立てる際にはビジョンや理念などに重きを置くことになります。
どこの部分を見て何をする必要があるか。
せっかく試算表で数字を見るのであれば行動もセットで考えるとより経営に資する試算表ということになるでしょう。
まとめ
顧問先でも利益がでないというご相談はあります。実際にどのような行動ができるか、ここからさらに一歩踏み込んでみるといいでしょう。
数字の確認だけではなく行動計画に。商材があるのであればそれぞれがどれくらい利益を出しているのか、まずはそこからチェックをしていきます。