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消費税の課税事業者になるときに考えたいこと

消費税を納める

こんにちは、京都の若ハゲ税理士ジンノです。

フリーランスの方で2020年の1年間の売上が1,000万円を超えている方は2022年から消費税を納める事業者、消費税の課税事業者となります。

2022年分の確定申告時期(2023年3月)に所得税とともに消費税を納めることになるのですが、消費税の課税事業者になるときに考えておきたいことをお伝えします。

 

目次

消費税の計算方法の選択

事業者として納める消費税には計算方法が2種類あります。原則方式と簡易課税方式の2つです。

 

原則方式は売上について受け取った消費税から仕入・経費について支払った消費税を差し引いて計算をします。

 

簡易課税方式は売上について受け取った消費税からみなし仕入率により計算した消費税を差し引いて計算をします。

 

大まかな説明にはなりますが、簡易課税方式のほうは実際の支払った分の消費税は考慮しないということです。

 

このことにより出てくるのが原則方式と簡易課税方式の有利不利があるということで、まずこの計算方法の選択がキーポイントになります。

 

簡易課税方式により計算する際のみなし仕入率は業種により決まっており90%~40%と事業にあわせて設定されています。

 

簡易課税方式のほうが計算がラク(売上の消費税のみで完結)なのですが、事業の内容や支払っている消費税によっては原則方式のほうが有利な場面が出てきます。

 

また大きな設備投資をする際にも同様で、この設備投資にも消費税がからんできますので注意が必要です。

 

消費税の区分を免税事業者(事業者として消費税を納めないでよい事業者)のときからオススメしているのは事業規模が大きくなってきて年間売上が1,000万円のラインが見えてきたときに、かならずこの消費税の計算方法の選択を検討する必要があるからです。

 

適切な時期に届出をしないと基本は原則方式により計算することを選択しているとみなされますので注意が必要です。

 

法人成りを検討することも含めて消費税の課税事業者になるときには事前に税理士に相談をしておくことをオススメします。

 

特にこの消費税の計算方法は後だしジャンケンというか事後相談では対応できることに限界があります。

 

消費税の資金繰り

消費税を納める事業者になったら考えたいことのひとつに資金繰りがあります。

 

資金繰りとはおカネ回りを考えるということです。特にいままでは消費税を事業者として納める経験がなかった方は注意が必要です。

 

資金繰りで大事なのはタイミングと金額を把握しておくということ。これができるだけでも心理的負担がかなり軽減されます。

 

ある日突然50万円支払う必要が判明するのと、来年の3月に50万円支払う必要があるのを理解しておくのは全然違うということです。おカネの準備も心の準備もです。

 

まず納めるタイミングを確認します。

個人事業主の方の場合には年明けに所得税の確定申告というイベントが待っていますが、基本はこのタイミングと同じと考えておきましょう。

 

例年だと申告期限自体は所得税の確定申告が3月15日で、消費税の確定申告は3月31日が期限です。

 

振替納税を利用していない場合にはこの申告期限において納める消費税を納税することになります。振替納税の場合は概ね1ヶ月ほど後ろ倒しで引き落としになりますので時間的余裕は少し生まれます。

 

どうせ払うものではあるのですが「支払は遅く出来るものは遅くする」というのは資金繰りを改善するための第一歩です。

 

振替納税をして誰かに迷惑がかかるわけではありませんし、手数料もかかりませんので手続きをしておくことを普段からおすすめしています。わたし自身も振替納税の手続きをしています。

 

続いて納税金額の目安を確認します。

例えば毎月キチンと帳簿つけが出来ている場合には納税金額の目安は計算しやすくなります。

 

原則方式の場合は前述のとおり納税消費税額は売上に係る消費税-仕入に係る消費税で計算できます。

 

この計算できた納めることになる消費税は別口座にプールしておき手をつけないようにしましょう。納税資金として確保しておくことで資金繰りが改善されます。

 

免税事業者であったときには売上にかかる消費税を売上に含めて見ていたと思いますが、消費税を納めるべき事業者になったら消費税は別物と考えておきましょう。

 

毎月の売上や支出に大きな変化がない場合には年間の予測は毎月の納税予想金額の12ヶ月分です。初年度の場合は予定納税といって中間で支払う分がありませんので丸々1年分を納めることになります。

 

金額によっては2年目以降は予定納税(つまりは前払い)がありますので資金繰り計算も少し変わってきます。

 

簡易課税方式の場合はさらに簡便で、例えばみなし仕入率50%の場合には売上にかかった消費税の50%が納めるべき消費税です。

 

売上金額そのものではなくその消費税の部分がベースですのでご注意ください。

 

ときどき、ウチは消費税は加味しておらず税込で1万円です、みたいなことを仰る方がいらっしゃいますが消費税の課税事業者であれば売上は全部消費税を加味して計算します。

 

1万円が本体価格で1,000円が消費税なのであれば上記の簡易課税方式の例で言うと50%で、500円が納めるべき消費税となる計算です。

 

簡易課税方式の場合には売上にかかった消費税×(100%-みなし仕入率)で計算した消費税金額を別でプールしておくことをオススメしています。

 

まとめ

消費税を納める事業者になったときに考えたいこととして、計算方法と資金繰り(タイミングと納税額の目安)をお伝えしました。

計算方法は事前に相談をして、資金繰りについても納めるものがあるということを忘れないようにしましょう。

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この記事を書いた人

京都市下京区で税理士をやっています、ジンノユーイチ(神野裕一)です。
相続や事業のお困りごとを丁寧に伺い、解決するサポートをしています。
フットワーク軽く、誠実に明るく元気に対応いたします。

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