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フリーランスが法人化を検討する際のポイント5つ

チェックリスト

こんにちは、京都の若ハゲ税理士ジンノです。

フリーランスの方の事業が軌道に乗り始めると、法人化、つまり会社を設立してご自身が代表になり今までは個人で行っていた仕事を法人という別人格で行うことを検討する方が多いです。

この個人の事業を法人化することを「法人成り」と呼ぶこともあります。

この「法人成り」を検討する際にチェックしておきたいポイントがいくつかありますのでご紹介します。

 

目次

売上と利益

フリーランスの方は法人化を検討するタイミングは売上と利益の金額が一定金額を超えはじめた時に、検討することが多いです。

 

一つ目のタイミングは売上が1,000万円を超える場合。売上1,000万円というのは消費税が課税されるかどうかというタイミングが大きく影響します。

厳密に言うと2年前の売り上げが税込で1,000万円を超えている場合には、その年度においては消費税を申告して納める必要がでてきます。

 

2018年の売上が仮に1,500万円だったとしたら、2020年は消費税がかかる年に該当するので2020年分の申告(2021年3月15日までに行うもの)については所得税と消費税の申告が必要となります。

 

それゆえ消費税の申告をなんとかしたいなぁと思う場合には2019年末ごろには法人成りをするか検討することとなります。

 

というのも個人事業主から法人化した場合には個人事業主時代の売上金額は消費税の判定において考慮されませんので、法人になってから最大で2年間消費税を納める必要がなくなるからです。

 

ただし2023年10月から消費税のインボイス制度というものが始まる予定のため、それを見越して課税事業者(消費税を納める事業者)になるかどうか検討する必要もあります。

 

いずれにしても売り上げの金額は1,000万円がまず第一の目安となります。

 

売上が上がっていても利益が上がっていなければ法人化してもあまり大きな効果は期待できませんので、続いて利益の金額の目安を見ていきます。

 

個人事業主の場合には、自分で自分に給与を出すことができませんので、利益金額で生活をしているという見方ができます。

法人化をするとこの利益金額から自分自身に給料を出すことができ、その効果が大きいと法人化を検討する必要があります。

 

実際のところは自分がいくらで生活ができるのかにより大きな違いが出てくるので個人差がありますが、役員報酬として月15万円ではなかなか生活も難しい部分があります。

 

ご自身が生活費として必要な金額と客観的に見て利益金額からどれぐらい報酬が出せるかというのは大きく影響します。

 

私自身はお客様には大体400万円から500万円ぐらい利益金額がないとそれなりに役員報酬を取ることができないとお伝えしています。それなりというのは月額20万円から30万円の役員報酬というイメージで良いです。

法人化を検討するときには所得税と法人税の税率の差が強調されがちですが、 実際には自分がいくら給与が取れるのか、という部分に大きく影響されますので利益金額がポイントとなってくるとお客様にはお伝えしています。

給与と社会保険

仮に役員報酬として毎月30万円を会社から自分に支払う場合どれぐらい費用がかかるか確認してみましょう。

 

役員報酬:30万円/月×12ヵ月=360万円/年

社会保険料(35歳京都府在住と仮定):約 85,000円/月×12ヵ月=102万円/年

(本人負担と会社負担の合計で計算)

となり、額面ベースでみると360万円プラス102万円=462万円となります。

 

法人化すると原則として社会保険に加入する義務が発生しますので社会保険に入らないという選択肢はないものと考えます。

イメージとしてだいたい給料額面の25%ぐらいが社会保険料として必要な金額となります。

 

税金の事にスポットが当たりがちですが社会保険料のシュミレーションも非常に重要性を増します。

会社運営のルール

所得税の計算の場合は所得税法のルールに基づいて計算をすることになりますが、法人化した場合には法人税の計算のルールと会社運営上のルール(会社法)の2つに基づく必要があります。

 

具体的には株主総会や取締役会を開いたりする必要がありますし、法人税の申告書というのは所得税の申告書と大きく違いますので専門家ではない方がご自身で申告をしようと思うとかなりハードルが高くなります。

 

この点を考慮すると法人化すると税理士報酬も上がります。少なくとも30万円から40万円ぐらいはどんなに安くても費用として毎年必要になります。

 

所得税の確定申告の難易度が仮に1だとすると法人税の申告書の難易度は3~4くらいと私はお伝えしています。

まとめ

[box03 title=”法人化検討ポイント”]
  1. 売上が1,000万円を超えるか(消費税の関係)
  2. 利益が400万円を超えるか
  3. 月額給与がいくらなら生活できそうか
  4. 社会保険料が給与額面のおよそ25%が目安
  5. 事業運営ルールの複雑化と税理士報酬
[/box03]

法人化を検討する際には税金のこと以外にもシミュレーションする必要があります。

そのお仕事が例えば一身専属的に他の方が代替したり、従業員などを雇って拡大するかどうかも考慮したほうがよいでしょう。

さまざまな視点からの検討が必要ですので検討のタイミングが来たらお近くの専門家に相談することをお勧めします。

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この記事を書いた人

京都市下京区で税理士をやっています、ジンノユーイチ(神野裕一)です。
相続や事業のお困りごとを丁寧に伺い、解決するサポートをしています。
フットワーク軽く、誠実に明るく元気に対応いたします。

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