こんにちは、若ハゲ税理士ジンノです。
フリーランスになりたいな、と考える方にとって大きな不安のひとつがおカネ回りに関することです。
お仕事を取るということもそうですが、おカネがなくなれば会社勤めに、という選択肢も考えなければいけません。
開業前後のおカネの流れ方の違いをお伝えします。
開業前と後のおカネの流れ
お勤めの時にはお給料が定期的に入金される状態かと思います。
お仕事の仕方にもよりますが、入金されたお給料を何にどう使うか、考えるのは楽しいものです。
お給料から家賃や食費などの生活費、自分の趣味のための支出をしたり、旅行や将来のために積み立てたり貯金をしたり。
入金されたものをどう使うか、という視点に立つことが多いかと思います。
これが独立をすると、まずは先行して支出することになります。
事業に必要なものを揃える、という段階においては、売上が入金される前の段階で支出が必要な場面があります。
例えば事務所やコワーキングスペースを借りる場合には、賃料や利用料、敷金や礼金の支払いが先立ちます。
パソコンで仕事をする際には、仕事用のパソコンを揃えるためにモニターやパソコン、周辺機器も必要となります。
デザインやクリエイティブなお仕事の場合には、今まで会社で使えていたソフトウェアを買ったり、サブスクリプションで利用料を支払うなど何かと費用が掛かります。
開業して事業が安定してきても業種によっては支出が先行します。
事業運営のおカネの流れは、
[box03 title=”事業運営のおカネの流れ”]- 資金調達
- 資金投下
- 資金回収
この順番で行われることになります。
調達とは元手のおカネを用意することで、自己資金なのか借入なのか、はたまたクラウドファンディングなのかいろんな種類がありますが、まずはおカネの準備をする。
そのあとその準備したおカネを投下します。場所を借りたり、道具を用意したり、ソフトウェアを買ったり、用意したおカネを支払います。
その後、自分の仕事に対して成果=売上として入金される、というおカネの流れです。
勤めの時とフリーランスとしての活動のおカネの流れとしては
勤め:お給料をどのように使うか 入金から支出の流れ
フリーランス:まず支出をしてどのように回収するか 支出から回収の流れ
と理解しておきましょう。
支出が先行するからこそこまめに数字を見る
フリーランスの方の多くが支出が先行するタイプのお仕事なのですが、そういう方にはなるべくこまめに数字を見る習慣をつけるようにお伝えしています。
数字を見ればおカネが増える、わけではもちろんないですが、今いくらあって何にどれだけ使えるかということを客観的に把握しやすくなります。
例えば仕事に必要になるか微妙なソフトウェアがあったとして、このソフトウェアを使って仕事の幅が広がりそう、また受注する仕事の単価が上がるかもしれない、というとき。
こんな時に、自分が使えるおカネのおおよその幅を把握することなく支出をしてしまうと、あとあとおカネ回りが苦しくなることがあります。
それは前述のとおり、おカネを支出してもすぐに売り上げに直結して入金になることはなくて、あくまで支出→入金の流れだからです。
その欲しいソフトウェアを購入して次の入金のタイミングまで手元の資金が持つかどうかは把握しておきたいところです。
また個人事業主の方の場合には、事業から生まれた利益から生活費をまかなう必要があります。
お給料の場合は、お給料=売上であり、手許に増えるおカネです。
事業の場合には、売上−経費=利益から生活費を支払うことになります。
この利益で生活するという実感がないと、生活費を経費にしようと考えてしまうことがあります。生活費はあくまで生活費であって、事業のために必要な支出ではないので注意しましょう。
最初にうちに経費と生活費の線引きをしておくと迷うことが少なくなります。
また事業用の口座と生活用の口座を分けることをお勧めしていますが、事業用の口座から一定時期に一定額を生活用の口座に移し、そこから生活費として必要な金額をやりくりするほうが事業と生活の資金が混ざらないので管理がしやすくなります。
おカネ回りがごちゃごちゃになってしまうと確定申告の時に大変であると同時に、今の事業の現在地を数字で把握することが難しくなります。
年一回の記帳(帳簿作成)だとこのあたりは面倒に感じてしまいますし、面倒に感じるとますますやらないので、思い立った時に数字をまとめることをしてみましょう。
できれば毎日、むずかしければ毎週この時間は経理の時間、と決めて日々の習慣にすることで最終的には確定申告に係る時間を節約することにもつながります。
まとめ
フリーランスの方のお話を伺っているとおカネに対する不安というのが強い方がが多いです。
であるならばそこから目をそらさずにキチンと流れと現在地を把握しておくことで不安感は和らいできます。