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土地の評価の注意点② 測量図がないときの財産評価の仕方

どう粘って資料を集めるか

京都の財産評価が好きな税理士ジンノです。

土地の財産評価において、もっとも重要な書類のひとつが測量図です。土地の面積計算や間口距離、奥行距離が測量された内容が記載されていますので、測量図があればこれをもとに財産評価をすることが基本です。

では、測量図がないときはどうしていますか。税理士さんからのご質問・ご依頼でも「測量図がなくて困っている」ということがとても多いです。

測量図がないときの土地の評価、どんな資料を粘って探していくかについてお伝えします。

 

目次

建築計画概要書が取得できないかまず確認する

建築計画概要書という書類の存在をご存知でしょうか?

 

建物を建てるとき、建築基準法に基づいた内容の建物を建てますという許可申請を市区町村に提出します。確認済証というものが発行されてそれをもって建物を建築することができるようになります。

 

その際に建物と敷地の関係、道路との距離、間口距離などを測って提出する必要があり、その内容が記載されているのが建築計画概要書です。

 

市区町村の建築指導課においてだれでも見られるようになっています。閲覧の時間帯や方法、写しの交付については市区町村により各自決められていますので事前に確認してから閲覧等に行きましょう。

例えば京都市であれば、受付時間は9:00~11:30、13:00~16:30、写しの交付料金は300円/通です。

 

閲覧等に必要な事項として、どの建物かというのを特定しておきましょう。

・敷地及び建物の位置

・敷地の地名地番

・建築年月

・建築主の氏名

・構造,階数

・建築確認番号(わかる場合)

京都市のHPより抜粋)

 

例えば東京都の世田谷区だとこのようになっています→世田谷区のHP

 

建物を特定できる情報がたくさん記載されていますのでここに掲載することはしませんが、敷地面積の測量内容などはかなり正確です。(建物がない状態で測量して、建ぺい率などを計算しているものと思われます)

敷地に対しての建物の配置図という形で記載されている情報となります。

 

セットバックとしての後退線なども記載(道路中心線からの距離)されていることが多いので非常に有用です。道路提供部分があればその面積を逆算することができたりします。

(敷地面積と登記簿謄本上の面積の差が道路提供部分になっている可能性が高い)

 

建築基準法は昭和25年(1950年)からの法律ですので基本的には1950年以降に建てられた建物については建築計画概要書が残されていることが多いですが、備え付けられていない場合もあります。

 

そのような場合には周辺の建物の建築計画概要書を取得してみるというのも一つ方法としてあります。これは測量図がないときにも有用で、隣地には測量が入っている、ということが時々あります。

隣の土地の測量図から推し量って評価対象地の間取りを推測していくこともあります。

 

注意点としては建物を建築した当時の状況による書類ですので必ず現地確認をし変更等がないかをチェックしましょう。

それもない場合どうするか

測量図も建築計画概要書もない場合はどうするか。ここからはチカラ技に近くなっていきます。

 

財産評価にあたっては実際の面積で評価おこないますが、必ずしも実測を求められているわけではありません。

(財産評価基本通達8、実際の地積によることの意義)

多少強引かもしれませんが資料がない以上は合理的に算定しつつ、財産評価をするしかありません。

 

固定資産税台帳に整理図のようなものがないか確認をする

固定資産税を課税する場合には土地や建物の状況を市区町村で現地確認をしています。

 

毎年というワケではなく、建物を建てるときなどにあわせて確認をしたりしているのですが、その際に土地についての整理図のようなものを固定資産台帳に残していることがあります。

 

こちらについては市区町村の資産税課において固定資産税台帳の閲覧申請をすることで確認が可能です。この閲覧申請は委任状が必要です。

愛知県刈谷市HPにはコレに関する記載がありますので参考にしてみてください。

 

土地整理図・・1月1日現在の土地の地番、位置、形状等を表す図面

という文言が確認できます。形状等を表す図面があれば見ておきたいですよね。

 

ほかの市区町村でも備え付けられていることがありますので確認してみましょう。取得できたら現地確認の内容と合わせて財産評価に使えないか検討します。

 

土地家屋調査士さんに仮測量を依頼する

必ずしも測量が必要なわけではありませんが、測量を依頼することを検討してもよいでしょう。

 

隣地との境界確定のための本格的な測量が必要ではなく、あくまで財産評価のために必要な情報を集めるために仮測量をお願いすることがあります。

 

実際の間取り図のような形で提出してもらえるように依頼すれば、費用は掛かりますが対応してくれる土地家屋調査士さんも多いです。

気軽に相談できる土地家屋調査士さんを見つけておきましょう。

 

航空写真と現地確認から現場の土地略図を作成する

探しても資料がない場合には、こちらで土地の略図を作成するしかないかなと思います。

 

たまに公図を使って財産評価をされる方がいらっしゃいますが、公図はあくまでこのあたりに土地がありますという程度のものという理解を私はしていますので、公図で財産評価することはありません。

 

ここまで上げてきた資料や方法がむずかしければ自分で現地を確認して、間口など測れるところをすべて測り、角度なども確認して土地の略図を作成し、面積などを確認します。

 

航空写真も今では手軽にWeb上で見ることができますのでそのような資料と付き合わせていきます。最終的には財産評価ソフト(私はエッサムからリリースされている蔭地名人)を使っています。

 

まとめ

[box03 title=”本記事のまとめ”]
  1. 建築計画概要書が取得できないか確認する
  2. 固定資産台帳に添付の整理図がないか確認する
  3. 土地家屋調査士さんに仮測量をお願いする
  4. 自分で現地で測り航空写真などと突き合わせる
[/box03]

測量図がない場合の財産評価における資料をどのように集めているかをお伝えしました。

どれだけ根拠を付けられるかはとても大事ですので、粘って資料を探してみてはどうでしょうか。意外とあるもんだなと感じてもらえると思います。

 

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この記事を書いた人

京都市下京区で税理士をやっています、ジンノユーイチ(神野裕一)です。
相続や事業のお困りごとを丁寧に伺い、解決するサポートをしています。
フットワーク軽く、誠実に明るく元気に対応いたします。

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