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亡くなったひとの経歴を聞いて何を想像するか?

経歴

こんにちは、京都の税理士ジンノです。

相続人の方にヒアリング・お伺いする際にはまず話しやすいことから伺うように普段から心がけています。いきなり財産のハナシを聞いても答えづらいこともあるでしょう。

相続人の方が話しやすいこと、それは亡くなった方の経歴です。そしてこの経歴を伺っておくというのはとても大切です。なぜか?

それは経歴から財産規模を想像することで財産の形成要因を把握しておく必要があるからです。

目次

経歴として何を伺うか?

経歴と言っても学校がどこかとか履歴書的なことではなく、主には財産形成にかかわる項目について重点的にお伺いします。

 

具体的には、

  1. 職業
  2. 仕事の内容
  3. 趣味

この3つです。

 

職業で想像したいこと

相続税の申告をするぐらいですから、財産額としては多いです。財産の中身で何が多いかはとりあえずおいておいて、まずは職業を伺います。

 

例えば、お医者さんとか大学の先生とか公務員とか会社員とか、いろいろあると思います。

会社員にしても、上場企業なのかそうでないのか、どのくらいの役職までいかれたのか、というのをそれとなく聞くようにしています。

 

またお医者さんなら開業医なのか勤務医なのか、大学の先生なら国公立なのか私立なのか、そのあたりも聞けるといいですね。

 

特に亡くなった方のご生前の様子で、お元気に仕事をしておられたときのことというのは、相続人の方が一番そばで見守っていたでしょうし、思い出話に花が咲くではないですが、皆さん結構饒舌にお話してくださいます。

 

話しやすい雰囲気というのも大切で、税理士というのは皆さん堅いお仕事、ヘタすると怒られるのではとか、こんなこと聞いても大丈夫かな?と不安があったりや緊張をしておられる方もいらっしゃいます。

 

明らかに緊張しておられる際には、私自身はこのようにお伝えしています。

はじめてのことで慣れないことばかりでしょう。

疑問や不安に思うこと、聞いておきたいことは遠慮なく聞いてくださいね。

これだけでも結構ほぐれます。

 

高額所得の職業というのは皆さんの認識として大概一致します。

医者、大学教授、士業、経営者というのはやはり高額の所得がある方が多いです。必然的に相続財産としても多くを遺されています。

 

なので、職業によってイメージできる財産規模というのはあり得る話で、多い場合は問題ないのですが、職業と照らしてあまりにも少ないと、「財産が漏れてないかな?」というのは心の片隅においておくべきでしょう。

隠しているとは思いません。あくまで漏れてないか?という認識でいるようにしています。

隠しているでしょ?と聞くのは税理士ではなく税務署の仕事です。

認識違いで財産が漏れていることはありえます。

 

仕事の内容で想像したいこと

続いてはお仕事の内容を伺います。

 

大学の先生でも、研究内容が理系なのか文系なのか、いつごろまでお仕事しておられたのか?というのも大切です。

 

長くお勤めしておられるならもちろん所得としての蓄積がある程度あるでしょうし、長くお勤めの場合はおカネを使う機会が少ないので、みなさん結果的に蓄財しておられるケースも多いです。

 

京都ならではかもしれませんが、理系の教授職のかたのほうが収入は多い傾向にあります。

特に創薬や生命医療関係の研究職の方は大学ベンチャーなどとの連携で、ひとやま当てておられるかたもいらっしゃいますので。

 

会社員の方なら、営業職なのか技術職なのか、海外勤務の経験なんかも収入に大きく影響することがありますので、相続人の方にはお元気に仕事をしてられたときのことをどんどんお話してもらうようにしています。

 

海外勤務を長かったりすると海外に財産がある可能性もありますし、海外勤務というとやはり仕事が出来るビジネスパーソンで所得も高い、というのが一般的な認識でしょう。それが上場企業ならばなおさらです。

 

海外に財産がある場合には相続手続きに時間も費用もかかるので、海外財産があるかどうかは早めに抑えておくべき事項です。

最近では海外に資産を持つことのハードルが低かったり、財産を逃がすという意味で海外不動産を買っておられる方もいらっしゃるぐらいですから、「まさか海外には財産はないだろう」という思い込みは排除しておきたいところです。

趣味で想像したいこと

意外とここが大事なんですが趣味の話は結構細かくお伺いします。

 

というのも趣味は趣味でもおカネのかかる趣味、相続財産が遺りそうな趣味というのがありまして。

 

代表的なモノとしては

  • ゴルフ → ゴルフ会員権
  • 旅行  → リゾート会員権
  • クルマ → 高級外車
  • お茶  → 骨董の有名なお茶碗
  • お花  → 骨董の有名な花瓶・花器

これらのモノは興味がない相続人の方にとっては、あまり価値を見出せないことも多いのですが、市場価格があるモノについては相続財産になります。

 

特にゴルフ会員権なんかは、バブル期にご購入しておられると今はとんでもなく暴落している可能性はありますが、取引されているのであれば相続財産です。

 

お茶碗や花瓶・花器というと京都ならではかもしれませんね。以前、狂言が趣味の方がいらっしゃったんですが、能面と鼓(つつみ)を鑑定に出したことがあります。

 

ご自宅に伺った時に蔵があったりするとさすがに緊張します(笑)。気分はお宝鑑定団といったところでしょうか。

財産規模と形成要因の大切さ

このように書くと相続税とは関係ないじゃないと思われるかもしれませんが、相続財産の規模と形成要因というのはとても重要です。

 

財産を多く遺していそうな職業なのに、そんなに遺っていない場合は財産が漏れているのかもしれないと考えます。

 

また一方で会社員の方でとても多くの財産を遺しておられる場合には、ご自身が数字に強くて運用をバリバリしていたり(バブル期にうまく運用して切り抜けておられるかたは多い印象です)、亡くなった方のご両親や兄弟からの相続財産がある可能性もあります。

 

もし相続税の税務調査があった場合にも、経歴というのは結構細かく聞いてこられます。

それはやはり職業と財産規模、そして財産を形成した要因の確認をしているものと思われます。

 

財産を少なく申告していると疑われると相続税の税務調査上はかなり厄介な話で、性悪説的に徹底して洗い出してきます。

 

法人税や所得税の税務調査というのは、いつか取り戻せるという考えが税務署側にあるのも事実です。

一方の相続税の税務調査というのは相続税の申告と同じく、一発勝負です。

それゆえ、調査の内容としても厳しくなる傾向があります。

特に贈与関係については要注意です。亡くなった方の話ではなく、相続人間での贈与についても合わせ技で見てくることが多々ありますので。

まとめ

財産の形成要因というのは意識していない税理士も多いですが、これは結構重要です。

どのように財産を形成してどのように遺したか、というのは相続それそのものとも言えます。

経歴をヒアリングすることの重要性を感じていただけたでしょうか?

 

既に申告していて税理士の申告内容が不安だ、ヒアリングをキッチリされていない、税務調査は別の税理士に頼みたいという方は是非一度スポット相談をご利用ください。

相続のご相談 一般のかた向け

 

税理士にとっても相続税申告の経験が少なければ不安の大きい申告内容になっている可能性はあります。事前相談でも事後相談でも受け付けておりますのでスポット相談をご検討いただければ幸いです。

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この記事を書いた人

京都市下京区で税理士をやっています、ジンノユーイチ(神野裕一)です。
相続や事業のお困りごとを丁寧に伺い、解決するサポートをしています。
フットワーク軽く、誠実に明るく元気に対応いたします。

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