不動産の売買があると利益が出ていると税金の支払いがあります。
所得税と住民税が課税されることになるのですが、その利益計算において最も重要な書類の話をしますので参考にしてください。
不動産の譲渡所得のおさらい
不動産を売買したときには売った値段>買った値段だと基本的に利益が出ていることになります。
利益に対して不動産を買ってからどれぐらいの期間で売却したか、自分が住んでいたところなのかなど事情を考慮した上で、税率を適用して税金計算を行います。
この税金についてはそれぞれの不動産の状況に応じて変わってきますので、今回は割愛しますが、譲渡益があるならそこに税金がかかるのが基本です。
売却価格と購入価格をどうやって比較をするかというと、契約書等で金額を確認できるもので把握します。
ここで必要になってくる書類が2つあるわけです。
売却価格の把握は売ったときの契約書で確認できるわけですから直近ですし書類を無くしている、所在が分からないということはあまりないです。
問題は買ったときの価格がわかる契約書です。
ご自身が買って売っているのであればある程度把握しやすいのですが、例えば相続があってその相続した不動産を売却するときには1番最初に買ってきた人が取得した価格を引き継ぎますので、その1番最初に取得した価格の把握が必要になります。
例えばおじいさんやおばあさんが買ってきた不動産を自分の代で相続した後に売る場合には、そのおじいさんやおばあさんが買ったときの契約書が必要ということです。
基本的にこの買った金額というのには、土地と建物の値段が含まれており建物の部分は時の経過及び使用により価値が減少するという減価償却という計算手続きを経て買ったときの価格から減少することになります。
2,000万円で購入した建物を30年後には減価償却して500万円になっていた、というような感じでケースとしてはよくあります。
買ってきたときの契約書がない場合にはいろんな方法を検討するのですが一番税金がかかるのが概算取得費5%で計算をするパターンです。(売却価格の5%だけを購入価格としてよい、という計算ルール)
契約書を探す
ですので、不動産の売買契約書はご自身のものでなくても相続であれば必要になってくる可能性が必要に高いので、必ず保管をして探しておくというのが大事です。
相続した不動産の場合にはおじいさん、おばあさん、お父さん、お母さんの不動産を購入したときの書類ですので、古いものになるかと思うのですが、土地や建物の権利書等と一緒に保管されていることが多いので、そういった大事な書類が保管されている場所にないか確認をしてみましょう。
他にも価格を推測する方法というのは確かにあるのですが、基本的には契約書がもっとも確かです。
その時の契約書に基づいて価格を把握しているわけですから。
私自身が相談を受けて契約書を一緒に探したということもあります。
例えば中古の不動産の売買があって、その不動産を相続してその後売却したという場合、その中古の不動産であれば、基本的に不動産の売却売買の契約書というのは、売った方と買った方と、それぞれ1通ずつ作成します。
登記の情報から売主を探して連絡をして契約書の写しをもらうということを過去に行ったことがあります。
また新規で宅地開発しているような場合には、大きな不動産開発業者や販売業者が仲介で入っているはずですので、そういったところに問い合わせをして売り出し価格がわかる資料を探してみたり。
もっとナログの方法になるのですが、お隣さんやお向かいさんが購入のタイミングが同じであれば、契約書が残っていないか参考にできることがないかということを確認するというのも選択肢になります。
まとめ
不動産価格指数という不動産に関する団体が公表している指数を使って、その土地の購入したときの価格を推測する方法もあるのですが、かなりざっくりとした内容になっているため、税務申告でいるのはリスクが高いとされています。
それよりも地道な方法になるのですが、契約書や価格を把握する方法がないか、契約の相手から契約書を取得することができないかそういったことを検討したほうがよいです。
ぜひ試してみてください。とにかくですが、ご自身も不動産の売買を今後行うかもしれませんので、相続してきた不動産の契約書の場所や存在の有無を把握したり、ご自身の不動産売買の契約書もきちんと保管しておくことをお勧めします。