DLsiteで同人ゲームを販売している場合には自作しているケースが多いと考えられるので、個人の確定申告が必要です。
ヒットするとすごい金額になったりしますが、確定申告の注意点を整理しておきます。
基本的には同人作家や漫画家と似た内容になります。
平均課税の適用可否
原稿料や印税であれば平均課税による所得税の計算を検討することができます。では同人ゲームだとどうでしょうか。
DLsiteのサークルヘルプのページには以下のような文言があります。
- 源泉徴収をしている
- 確定申告によって確定した申告納税額と源泉徴収税額の差額によって納税又は還付になる
- 売上の区分は著作権の使用料である
- ダウンロード販売という性質上、サークルが有する著作権に対して、DLsiteが販売の際に公衆送信権、複製検討を使用したことに関する物としての使用料となる
- 所得の分類としては給与所得でなく雑所得(もしくは規模により事業所得)に該当する
実際、DLsiteの運営会社であるエイシス社からの売上合計明細についても源泉徴収額(Withholding tax)という記載があり、計算して引かれた金額が振り込まれていることを確認できます。
源泉徴収額の計算は消費税込の金額に対して、100万円までは10.21%、100万円超の部分は20.42%の計算です。
平均課税の対象となる変動所得は以下のように列挙されています。
各種所得の区分にかかわらず、漁獲又はのりの採取から生ずる所得、はまち、まだい、ひらめ、かき、うなぎ、ほたて貝又は真珠(真珠貝を含む。)の養殖から生ずる所得、原稿又は作曲の報酬に係る所得及び著作権の使用料に係る所得の金額の合計額
著作権の使用料が変動所得の範囲に含まれていますので平均課税の適用可否としては他の要件を満たせば適用できます。
確認しておきたいこと
過年度分の申告で平均課税の適用をしているかどうかはかなり重要なポイントです。還付申告の場合には5年間さかのぼって申告のやり直しができます。
平均課税の要件には青色申告であることは含まれておらず、前段の列挙の部分でも各種所得の区分に関わらず、とありますので事業所得か雑所得に関係しないということです。
白色申告であっても、雑所得であっても平均課税の要件を満たしていれば適用できます。
目安としては所得税率が10%である場合にその効果がでてきます。
というのも平均課税の大まかな計算として課税所得金額(税金がかかる部分)を5で割って、その金額で計算した所得税に5を乗じることで計算をする流れです。
そもそも所得税率が5%の区分の場合には最低税率での計算にしかならないため、平均課税をしても効果がでません。
仮に課税所得金額が100万円で全部が変動所得として平均課税を適用した場合には
100万円÷5=20万円 20万円×5%(所得税率)=10,000円 10,000円×5=50,000円
平均課税を適用しなかった場合には
100万円×5%=50,000円
となり所得税率が5%の区分(課税所得金額で言うと195万円以下)の場合には平均課税の適用をしてもしなくても税金が変わらないと言えます。
平均課税を検討したほうがよいのは初めてドカンとヒットがでた同人作家、漫画家、同人系クリエーター(ゲームなどの制作)のかたです。
ヒットがでると数百万の売上が計上されることも珍しくない業種ですので、過去の申告書を確認して適用できそうかどうか税理士に見てもらうのがおすすめです。
まとめ
平均課税が適用できると所得税への影響がかなり大きくなります。影響度合いとしては所得税を少なく計算できるので還付になる傾向が強いです。
もしいままで全く適用したことがない、という場合には一度税理士にチェックしてもらって可能であれば還付申告にトライしてみてはどうでしょうか。