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令和2年分の京都の路線価をチェック

こんにちは、京都の若ハゲ税理士ジンノです。

7月1日は毎年路線価が国税庁から発表される日です。発表された年にあった相続や贈与について土地の価額を計算する際に使用されることになります。

昨年と比べてどのような数値になっているか主要な場所について確認してみます。

 

目次

京都市内3地点の推移

全ての地点の路線価をこの場でチェックするのは難しいので、京都市の3地点における路線価の推移をまずはチェックしてみましょう。

 

主要3地点について平成28年(2016年)、令和元年(2019年)、令和2年(2020年)の路線価の推移を確認してみましょう。

四条河原町交差点付近

四条河原町交差点付近で最も路線価が高い地点は御旅町の路線価となります。

位置関係でいうと四条河原町の交差点から西側、ちょうど京都高島屋の前あたりという位置です。

 

こちらはH28年分の路線価の抜粋です。

御旅町h28

 

続いてR01年分の路線価の抜粋です。

御旅町R01

H28年からR01年は3,250千円/㎡から5,700千円/㎡に上昇しており、およそ1.75倍となっています。

 

この地点は外国人観光客はもとより、もともと地元の方が買い物にでてくる(周辺には百貨店が多かった)地域でもあります。

こちらの地点がR02年の路線価を抜粋すると以下のような数字となっています。

御旅町R02

R02年の同地点の路線価の価格は6,730千円/㎡となっており、やはり上昇しています。

 

まとめますと

H28年:3,250千円/㎡

R01年:5,700千円/㎡

R02年:6,730千円/㎡

と推移しており、平成28年から令和2年の間で路線価が倍以上になってしまいました。

京都駅北側ローターリー付近

京都駅北側はヨドバシカメラや京都タワーなど観光客向けの施設が多く、また京都市中心部や観光地へ向かうバスのロータリーもあるため外国人観光客の出入りが最も多い地域です。

 

新型コロナウィルスの影響で外国人観光客の姿は見なくなりましたが、去年までは右肩上がりで観光客も増加の一途でした。

観光客が増えると使用するおカネも増えますので、商業地としての立地もよくなります。

 

H28年の路線価の抜粋は以下となっています。

東塩小路町H28

続いてR01年の路線価の抜粋です。

東塩小路町r01

こちらの地点も同じく、H28年からR01年にかけておよそ1.77倍の上昇となっています。

 

R02年の路線価を見てみますと

東塩小路町r02

となっています。

 

こちらの地点の推移をまとめますと

H28年:2,530千円/㎡

R01年:4,480千円/㎡

R02年:5,290千円/㎡

と上昇していて、こちらも平成28年から令和2年にかけて倍以上になっています。

 

伏見稲荷大社参道前付近

いわずとしれた京都市内の一大観光地域である伏見稲荷大社の参道前も外国人観光客の増加に伴い、活気が出てきていた地域です。

商業地としての土地の価値が上昇するに伴い路線価も上昇傾向にありました。

 

H28年の路線価の抜粋です。

深草稲荷御前町h28

続いてR01年の路線価の抜粋です。

深草稲荷御前町R01

この地点についてはH28年からR01年にかけて倍以上の路線価格になっており、たしか京都市内でもトップの上昇率を誇っています。

 

こちらの地点のR02年分路線価を確認してみると

深草稲荷御前町r02

このようになっています。

 

推移を確認しておくと

H28年:170千円/㎡

R01年:380千円/㎡

R02年:440千円/㎡

と上昇していて、こちらも平成28年から令和2年にかけて2.5倍以上になっています。

路線価とは

路線価は相続税を計算するうえでの土地の価格を計算するために使用しますし、土地を贈与する際にも価格計算のために使用します。

 

また、非上場株式の相続税評価額を計算する際に、評価対象となる会社が土地を保有している場合にも使用されます。

 

土地は一物多価と呼ばれる財産で、売買するときの値段、相続・贈与の際の価格、こち手資産税を計算するための価格、公示地価と呼ばれる価格など様々あります。

路線価がすなわち市場での売買価格というわけではない点に注意が必要です。

 

ちなみに路線価は国税庁HPによりますと

路線価及び評価倍率は、毎年1月1日を評価時点として、地価公示価格、売買実例価額、不動産鑑定士等による鑑定評価額、精通者意見価格等を基として算定した価格の80%により評価しています。

とされています。

 

つまり評価時点は1月1日時点となりますので、2020年年初からの新型コロナウィルスの影響は斟酌されていないと思われます。

一部の報道によると

一方、1日公表された路線価には新型コロナウイルスの影響は反映されておらず、国税庁は、ことし9月に発表される地価調査の数字なども踏まえ、大幅な地価の下落が確認された場合は、路線価を引き下げることも検討しています。(NHKニュースより)

とのことです。

 

京都市内はこれまで観光客、特に外国人観光客に人気があり地域経済の下支えをしている面がありました。

ただ今回の新型コロナウィルスの影響でインバウンドに依存していたビジネスは特に今後は維持発展が苦しい状況が続くと予想されています。

 

京都市内中心部は2、3年前から不動産価格が高騰して高止まりしていましたが、今後は不動産市況が落ち込んでいく可能性が高いです。

 

路線価の影響は前年の経済状態に大きく影響を受けますので、路線価が下落する可能性があるとすれば来年以降となります。

まとめ

京都市内の主要3地点について路線価の推移を確認してみました。

総じて上昇傾向にありますが、コロナウィルスの影響による経済の落ち込みが今年の路線価には反映されておらず来年以降に影響が出てくる可能性もあります。

相続があった場合にはいわゆる不動産鑑定評価を取ることも視野に入れた対応が必要です。

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この記事を書いた人

京都市下京区で税理士をやっています、ジンノユーイチ(神野裕一)です。
相続や事業のお困りごとを丁寧に伺い、解決するサポートをしています。
フットワーク軽く、誠実に明るく元気に対応いたします。

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