先日、仕事の環境のメンテナンスについてブログに書きました。道具や机まわり、パソコンの中身と順に見直していくなかで、いちばん手入れが遅れていたのが事務所のホームページでした。
以前、このHPをAIに診てもらったとき「情報が多すぎる」と言われたことがあります。振り返ると、根っこは同じだったのだと思います。
何を載せるか以前に、「このHPは何のためにあるのか」を決めないまま、足し算だけを続けていました。
今日は、ひとり事務所のHPの位置付けをどう決めるかを、自分の失敗も含めて整理してみます。
HPの役割は「名刺・受付・書庫」の3つに分けられる
事務所のホームページが担う役割は、大きく分けると3つあります。
- 名刺:紹介や検索で名前を知った人が「どんな人なのか」を確かめに来る場所です。プロフィールや事務所概要、顔の見える情報がこれにあたります。
- 受付:問い合わせや申込みの窓口です。サービス内容、料金、問い合わせフォームなど。
- 書庫:発信の蓄積です。記事や動画の置き場所であり、検索から初めての人が入ってくる入口にもなります。
3つともあったほうがいいのは確かです。ただ、どれを一番前に出すかで、トップページの構成も、更新の手間も変わってきます。
3つを全部同じ重さで並べると、初めて来た人は迷ってしまいます。人柄を確かめに来た人の目の前に申込みフォームが出てきたり、問い合わせたい人が記事の一覧をかき分けて窓口を探したりすることになるからです。
自分のHPは、どこに重心を置いてきたか
開業した当初、私には営業の経験がなく、紹介に頼れるつながりもありませんでした。だから最初のHPは「受付」が主役でした。とにかく問い合わせが来ること。それが最優先だったのです。
その後、毎日記事を書くようになり、「書庫」がどんどん大きくなっていきました。気づけば、受付と書庫が同じ画面のなかで混ざり合っていました。
新しい記事を書くたびにトップページへの導線を足し、サービスの案内も削らずに残す。どちらも大事に思えて、どちらも引けなかったのです。
AIに言われた「多すぎる」の正体は、情報量そのものではなかったのだと今は思います。量が多いことよりも、役割が混ざっていたことのほうが問題でした。見直すべきは量ではなく、重心の置き方だったのです。
ちなみに、料金をオープンにしているのは、受付として「迷わせない」ためです。振り返ると、受付の役割として何を載せるかをはっきり決めていたのは、料金くらいだったのかもしれません。
これからの置き方――受付を止めていた事務所が、CTAを始める
実は、しばらく新規の顧問の受付を止めていました。それでもHPには受付の顔が残ったままで、来てくださった方が見るHPと、事務所の実際の状態とがずれていました。
一方で、クリエイターの方からのご相談は、その後も届き続けています。お断りするだけでは、相談してくださった方の行き先がありません。それがずっと気にかかっていました。
そこで、紹介手数料をいただかずに、考え方を共有する税理士へおつなぎする「CTA(クリエイターズ・タックス・アライアンス)」を始めることにしました。来週から本格的に動き出します。
これに合わせて、事務所のHPは「書庫+名刺」に寄せ、受付の役割はCTAの側に移します。受付をやめたというより、相談の行き先をつくるために形を変えた、というのが実感に近いです。
自分のHPから受付を外すことで、長く混ざっていた役割がようやくほどけます。HPを開いた人が、事務所のいまの姿をそのまま受け取れるようになるはずです。
位置付けを決めるときに使ったのは、次の3つの問いです。
- 最初に来るのは誰か 紹介で来る人が多いなら「名刺」が、検索で来る人が多いなら「書庫」が入口になります。
- 来た人に、何をしてほしいか 問い合わせてほしいのか、記事を読んで判断材料にしてほしいのか。
- その量を、更新し続けられるか 続かない量は、最初から載せない。
ひとりで回している以上、3つ目の問いは特に大事だと思っています。載せた情報は、載せた瞬間から手入れの対象になります。古くなった受付の案内が残っていたのも、更新し続けられる量を超えて足していたからでした。
まとめ
- HPの役割は、名刺・受付・書庫のどれを前に出すかで決まります。
- 情報が多すぎると感じたら、量を減らす前に「役割が混ざっていないか」を見てみてください。
これは税理士や士業に限らず、フリーランスや作家のポートフォリオサイトにも通じる話だと思います。まずは自分のHPのトップページを開いて、3つのうちどれが一番前に出ているかを確かめてみてはいかがでしょうか。
漫画家・同人作家の方のご相談は、来週からCTAの窓口でお受けします。仕組みについては、10月23日の動画でお話しする予定です。
