まだタイミングじゃないな、という方はぜひ毎月末の事務所通信メルマガ(無料)の登録をこちらから!

キャッシュレス決済導入のポイント

キャッシュレス決済導入のポイント

先日、大阪関西万博を訪れましたが、万博会場内はキャッシュレス決済のみの対応となっていました。私自身は普段からキャッシュレスで買い物をすることが多いため、特に不便を感じませんでした。

普段から慣れている方は問題ないかと思いますが、高齢の方もキャッシュレス決済を利用している光景をよく見かけました。この体験を通じて、キャッシュレス決済導入のポイントについて考えてみましたので、整理してお伝えいたします。

目次

キャッシュレス決済導入のハードル

中小企業や個人事業主の飲食店などでは、キャッシュレス決済になかなか踏み切れないという話をよく耳にします。そのような場合に挙げられる主なハードルをご紹介します。

顧客層への影響

キャッシュレス決済だけにすると顧客が減るという懸念がよく挙げられます。確かにその可能性は否定できませんが、逆に顧客層をコントロールできる可能性もあります。現金とキャッシュレス決済の両方に対応する場合、現金の残高を合わせる作業が必要となり、この点も検討すべき要素でしょう。

従業員の負担軽減

万博会場、特にパビリオンの売店では外国人スタッフが多く働いていました。現金決済では、お釣りを日本円で用意して渡すという工程が加わるため、外国人スタッフにとってレジ業務の難易度が大幅に上がる可能性があります。このような理由も、万博会場でキャッシュレス決済のみを採用していた背景にあるのかもしれません。

決済手数料の負担

キャッシュレス決済導入における決済手数料も、よく挙げられるハードルの一つです。クレジットカード決済では、それなりの手数料が発生するのは確かです。そのため、手数料も加味した価格設定が必要になってきます。

万博会場では様々な商品を購入しましたが、確かに高く感じるものもありました。これは輸入による関税なども加味された価格であり、会場特有の要因もあるでしょうが、そういった背景も理解しながら楽しむことができました。

資金繰りへの影響

現金決済ではその場で売上を受け取れますが、キャッシュレス決済では入金が後日になるため、資金繰りへの影響も考慮する必要があります。

キャッシュレス決済導入の3つのポイント

キャッシュレス決済推進において重要なポイントは、以下の3つです。

  1. 顧客の対応可能性
  2. 決済手数料
  3. 資金繰り

現金決済では現金管理という業務が発生するのも事実で、最近は都市部でキャッシュレス決済のみの店舗も見かけるようになりました。

地域特性を考慮した判断

京都市の中心部では外国人観光客が多いため、キャッシュレスのみの店舗も増えている印象です。また、キャッシュレス決済に対応している飲食店も増加しています。

京都市などの観光地では、外国人観光客を顧客として想定するかどうかが導入の大きなポイントになります。地元の方のみを対象とする場合、キャッシュレス決済導入の動機は相対的に小さくなるでしょう。

コスト管理と価格設定

決済手数料については各社で比較検討が可能です。手数料を前提とした価格設定も必要になってきます。外国人観光客向けメニューを高く設定している店舗もあるようですが、価格決定は経営の根幹に関わるため、原価計算なども含めて十分に検討する必要があります。

現場業務の負担軽減

現場で働く立場から考えると、現金の取り扱いには緊張感や気遣いが伴います。お釣りの間違いや残高の差異は避けたい問題です。最近はコンビニエンスストアでもセルフレジが導入され、店員が現金に触れない仕組みが増えています。現金取り扱いを減らすことで、業務負担の軽減につながると考えられます。

どこに視点を置くかによって、キャッシュレス決済の見え方は変わってきます。もし導入を迷っている場合は、メリットとデメリットを含めて様々な視点から検討してみることをお勧めいたします。

まとめ

キャッシュレス決済の推進は、単なる技術的な変化ではなく、事業戦略に関わる重要な判断です。

主要な検討ポイント:

  • 顧客層への影響と対応可能性の評価
  • 決済手数料を含めた価格設定の見直し
  • 資金繰りへの影響とその対策
  • 従業員の業務負担軽減効果
  • 地域特性や顧客ターゲットとの整合性

万博会場での実例が示すように、キャッシュレス決済は多様な働き手への配慮や業務効率化にも寄与します。導入を検討される際は、短期的なコストだけでなく、長期的な事業運営の観点から総合的に判断することが重要です。

税務面での処理方法や会計システムとの連携についても、お気軽にご相談ください。

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!

この記事を書いた人

京都市下京区で税理士をやっています、ジンノユーイチ(神野裕一)です。
相続や事業のお困りごとを丁寧に伺い、解決するサポートをしています。
フットワーク軽く、誠実に明るく元気に対応いたします。

目次