特にある程度の中小企業ですと月次決算の段階から数字をみることが多いです。
必ずやらないといけないというわけではないですが、道しるべやいまいる場所を把握するためには有用です。数字を見えるかするだけではなくて次何をするか考えていきましょう。
前年同期比という過去との比較
前年同期比というのは前年の同じタイミングでの数字との比較という意味です。つまり前事業年度との比較ですね。
例えば2024年7月の月次決算がある程度固まった段階で、2023年7月との比較をチェックします。
事業の状況などの違いはもちろんあるでしょうし、市場の状況などもかわるでしょう。いまであれば為替の変動が大きいので去年と比べてどうかなというのを変動する要素を加味しつつみます。
売上や仕入れなどもそうですしあとは労務関係費用、人件費などもチェックしておきたいところです。
ただ、それぞれの事業者によって確認したり重視したりするポイントは違いますので、どこを重点的に見たいかはある程度決めておくとスムーズです。
製造業なのであれば原材料費だったり製造原価にかかわるところ、粗利(売上総利益)、営業利益、人件費などでしょうし、在庫がないビジネスならほかの要素になるでしょう。
また期首からその検討する月までの累計でもチェックしておくとよいです。
3月決算法人なのであれば4月が事業年度のスタートですから4月から7月までの累計を前年度と比べてどうか。
税金の支払いも今の時点で把握しておくと安心です。
利益に対して例えば何パーセントで見積もるか、30~35%ぐらいが大きく外れもせず準備しておくにはよい数値だと考えています。
5,000万円の利益であれば30%で1,500万円の納税という見積もりですね。消費税についても併せてみておけるとより安心です。税抜処理なのであれば仮受消費税-仮払消費税-中間納付分がそのタイミングで計算できる納税金額と言えます。
計画比という未来への比較
過去との対比と合わせて未来との対比、比較もしておきたいところです。
例えば今年の見積もりとして売上が1億円を見込んでいたところ半期の時点で4,000万円の売上なのか、7,000万円の売上なのかで残り半期のアクションが変わるはずです。
また、売上だけではなく利益ベースでどうか、ほかには受注状況としてどうかというのも比較になります。
受注はしているけど納品がたまたま上半期にかからなかっただけなのか、そもそも受注件数が想定よりも少ないのか。
どこを見てアクションプランを考えるかはその事業者に特有の内容ですが、計画よりも進んでいなければやるべきことをやらないと減収減益の着地になる可能性もあるわけです。
数値だけ見るのではなく今後何をしていく必要があるか、アクションプランと表現したりしますが何が足りないのかそこにアプローチすることが大事になってきます。
数字を見るだけなら誰でもできますので次につなげるために、未来に対して何をするか、そういった視点でも月次をチェックしておくのがおすすめです。
次に何をすべきか、というのはまさに経営判断になのですが数字だけではなくいかに行動に移せるか、目標に至るまでに必要なことを考えて決めて共有する。
まとめ
税務申告のためだけというわけではなく過去と比べてどうか、今後どうしていくかに財務会計の情報を使えるとよりアクションが考えやすくなります。
KPIと表現したりするのですが難しく考えすぎずに「足りないことはなんだろうか」ぐらいの気持ちでやり始めると続けられるように思います。
課題を感じていたり漠然とした不安があるようでしたらトライしてみてください。トライをしたら必ず効果の測定も忘れずに行いましょう。やりっぱなしはやってないのと同じ効果しか生みません。