中小企業だと経費の使い方ひとつで利益に影響を及ぼすことがあります。中小企業だと特に交際費が800万円までは認められることから交際費として支出したいという経営者のニーズは根強いです。
では中小企業はビジネスにおいて交際費をかけるべきか、否か考えてみます。
交際費が多い中小企業の特徴
ここからはわたしの経験上のはなしですが、中小企業でものすごく好調の会社は無駄遣いが非常に少ないです。
節税と称されるものであったり交際費もそうですがこういった経費の支出と無駄遣いは紙一重です。
交際費は中小企業であれば800万円までは経費になり得ますが、じゃあそこまで交際費を支出して好調になるか。
むしろ業績を圧迫してしまっているケースのほうが多い印象です。
好調な会社であればあるほど交際費は少なく、取引先や従業員の慶弔とお中元やお歳暮などの贈答ぐらいでほとんどないケースもよく見かけます。
こういったことの感覚は好不調を経験した経営者であればよくわかっているのか、経営者として円熟味が増すような経験年数が長い経営者ほど明確ではないかもしれませんが、肌感覚として持っているのかなと。
無駄遣いをしてそれを交際費として計上してしまうのと、同じ金額でもリターンが強く見込めることに資金を投下するのでは訳が違います。
経営者が自由に使えるお金として交際費を捉えているとそのうちジリ貧になって、節税どころか資金繰りを圧迫しかねません。
交際費に限らずですが事業としての経費はどこにいくらかけるのか、本当にそれでよいのかは支出の前によく考えたほうがよいです。
融資を受けている場合には税務署だけではなく金融機関からも財務諸表のチェックが入ります。
好調であれば多少の交際費の計上は問題になりませんが、仮に交際費が多額に計上されて赤字になっていたりすると融資をしている銀行等からはよくは思われないでしょう。
税務調査でも交際費が多い会社というのは必ずチェックされますし、仮装隠ぺい行為が絡んでくると重加算税の対象です。
どうせ会社の大事な資金を使うのであれば有効に使ったほうが会社が継続することに資するのではないでしょうか。
本当に必要な支出か?売上につながるのか?
経費の使い方は経営者の自由ではありますがその支出が本当に必要かどうか、という視点は忘れないようにしたいところです。
節税と称する商品やサービスなどは基本的にお金の支出を伴うものですし、結局やらなければよかったとなるともはや大事な会社の資金を無駄遣いしたことになりかねません。
交際費も同じで、その支出がどう売上につながるのかというのは考えてみましょう。
売上が増える、売上につながる、時間が生まれる、そういう目的があってこその経費です。
無駄が多いとやはり利益は残りません。
利益も粗利益(売上-売上原価)、営業利益(粗利益-販管費)とありますがそれぞれで目標数値、最低ラインを設定しておくことをおすすめしています。
税法が交際費800万円を認めていることがすなわち自社でその金額を費やしてよいということにはなりません。
業種にもよりますのでそれぞれで決定しておくのがよいですが粗利率(粗利益/売上高)で30%、営業利益率(営業利益/売上高)で7%とかそれぞれに応じて考えてみましょう。
売上が少ないから利益が少ないのか、仕入・経費が多いから利益が少ないのか。
どちらかのはずですから経費のチェックにも使えますし、その支出が売上につながるのかという視点で年に一度は帳面のチェックを入れておくのがよいです。
まとめ
良くも悪くもですが経費の使い方、かけ方には経営者の個性が大きく出ることがあります。ただ節税と呼ばれるものと無駄遣いは本当に薄い紙一重です。
効果的な経費の使い方をして売上や会社の成長につなげられるように考えてみましょう。