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融資を検討する際の返せるか、借りすぎてないかのチェック

融資を検討する際の返せるか、借りすぎてないかのチェック

事業をしていると融資を受けるかどうかの判断が必要なシーンがあります。初めての融資の際には特に、「返せるかどうか不安」という声をよく耳にします。

また、いま借り入れをしていて追加で融資を受ける際には借りすぎていないか、ということも気にされる事業者がいます。

自然な不安かと思いますのでどういう指標でチェックをしていくかという点をお伝えします。

目次

返せる利益の金額か

融資を受けると元本とそれに伴う利息を支払います。

利息は経費になりますが元本の返済は経費になりません。利益から返済するイメージを持っておきましょう。

ざっくりとした指標ではあるのですが以下のような算式で返せる利益の金額かをチェックします。

税引き後利益+減価償却費>返済元本

税引き後利益が毎月の試算表で計算しづらい場合には税引き前利益でもよいのでひとまず置き換えてみましょう。

いずれも月々での数字と仮定すると

税引き前利益100 減価償却費50 返済元本70 ならセーフティです。

税引き前利益の段階で100ですので返済元本を上回っています。

これが、税引き前利益10 減価償却費50 返済元本70だと返済が厳しくなります。会社の資金を取り崩して返済することになります。

減価償却費は固定資産の購入代金を経費にする手続きで使う費用の項目ですが、お金が出ていくタイミング(固定資産購入時)と経費になるタイミングがズレます。

お金は出て行ってないけれど経費の項目ということで、税引き後(税引き前)利益にプラスして算式を構成します。

まずは毎月の指標として返済元本に足りそうかをチェックしてみましょう。

単月で赤字でも年間で黒字となり、上記の算式のように返済元本を上回っているのであれば年間では問題ないです。

ただし単月では資金繰りに窮する可能性もあるのでそういう月が出てきそうであれば要注意。

会社にすでにある資金を取り崩す可能性があることと、資金繰りにより注意したほうがよいということになります。

借りすぎではないか

借りすぎていないか、ということを気にかける事業者のかたも多いです。

特に前期の決算が増収増益だと金融機関のほうから融資のニーズがないか、借り入れは必要ないですか?と聞かれることが増えます。

そういった場合に現状で借りすぎではないか、またこれから借り入れを増やすために申し込みするにあたって借りすぎかどうかのチェックをしておきたいところです。

返済目安としてどれくらいの年数で返せそうかという指標があります。

(借入金-現預金)÷(税引後当期純利益+減価償却費)<10年

借入金から現預金を差し引いて差額を計算します。現預金を差し引くのは現状で手元にある資金の分は返済できる余力があるとみるためです。

ここが運転資金になっている計算式もありますので好みでわけてもらえればと。

その現預金を差し引いた残りの分を前段の返済出来るかどうかで見た(税引後当期純利益+減価償却費)で割ります。

これにより現預金の部分をはみ出した借入金をどれくらいの年数で返済することができるかを計算できます。

10年が目安とされておりこれより長いと借りすぎ、これより短いと借入余力があると大まかにですが判断できます。

借入余力があるかどうか、まずはお手元の決算書で確認をしてみましょう。

指標をチェックしつつ気にしすぎない

銀行員も直近の決算書や試算表などで返済できるかどうかを確認していますので、借り入れ申し込みの際にはざっくりとチェックしてみましょう。

ザックリとしたチェックでよいとお伝えしているのは、返済ばかりに気を取られすぎても事業がうまく運営できないことがあるからです。

事業において最も気をかけなければいけないのは利益が出せているかどうか。

利益が出せていないければ結局は返済に窮することになりますし、資金繰りどころではなく事業継続も怪しくなっていきます。

まずは返済余力や返済原資があるかの確認をしつつ、事業にとっても最も良い状態である利益が出せる月や年度を増やして継続することです。

まとめ

借入をして不安になるのは返せるかどうかと借りすぎではないか、というこの2点がメインになってくるからです。

借り入れをしてちゃんと返せる計画になっているか、フラットに見てみましょう。

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この記事を書いた人

京都市下京区で税理士をやっています、ジンノユーイチ(神野裕一)です。
相続や事業のお困りごとを丁寧に伺い、解決するサポートをしています。
フットワーク軽く、誠実に明るく元気に対応いたします。

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