事業を始めたら創業融資などで借り入れをするフリーランスや法人の社長も多いです。
そんな時に不安に感じるのが資金繰り。ちゃんと返せるだろうか、というのは借入金額の大小にかかわらず不安を感じるポイントでしょう。
ひとまず借入返済予定表を自分でつくってみ
借入金の返済方法
借入金といってもいろいろな種類があります。手形、証書、運転、設備投資、折り返し、創業、つなぎ、真水、プロパー、保証つき、などなど。
聞いたことがあってもなくても返済という部分については同じです。
返済までの期間として据置期間というものが設定されることもあります。
融資の審査に通って、お金が入金されるとすぐに返済がはじまるというわけではなく、元本は据え置いておく、つまり利息だけをまずは支払う期間があることも。
全ての融資において据置期間があるわけではないですが、据え置きがあるのであれば元本返済はまだで利息をしばらく支払うというながれになります。
据置期間があってもなくても、いつかは元本返済が始まります。
その時の返済の方法としては2パターンです。
ひとつが元利均等返済、もうひとつが元本均等返済です。
似てますが少し違います。
元利均等返済は、元利が均等、つまり毎回の返済金額が一定です。毎月30,000円という返済設定をしたときに、その30,000円の中身が元本と利息に分かれます。
一般的には借入金の返済期間が長くなること、また借入期間が同じ場合には元金均等返済よりも総返済金額が増える、というデメリットがあります。
返す金額は毎回同じなので資金計画は立てやすくなります。
元本均等返済は、元本の部分は毎回同じ金額、それに加えてその都度利息部分を追加して支払う流れです。
返済開始から徐々に毎回の返済額がゆっくりと減っていきます。
2つの返済方法で元本そのものの金額が変わらなくても、返済期間が変わる、というところがポイントです。
返済の方法そのものは借入のときに決まり、後で変更する、ということは基本的にないです。
返済を遅らせるリスケジュール(いわゆるリスケ)はありますが、あまり好ましいことではないので可能であれば避けたいところです。
返済予定表の確認
借り入れをした際には返済がついて回りますから、返済予定表が借り入れをした人や会社に交付されます。
まずはこれを確認することから始めましょう。
書類を紛失してしまった、という場合には金融機関の担当者にお願いして再発行してもらうようにします。
そうしないと、いつまでいくら返済すれば良いのかわかりません。
資金繰りの最も基本的なことは、いつお金がいくら入ってくるのか、いつお金がいくら出ていくのか、残高がいくらなのか、この3つだけです。
資金繰りチェックにはテクニック的なこともありますが、お金の出入りと残高を把握することが最も基本かつ大事です。
よく、月末になって資金繰りに窮して金策に走り回る、みたいなシーンをドラマや本などで目にすることがあるかと思いますが、資金繰りを確認していないといずれそうなる可能性があるということです。
返済予定表には、いつ、いくら返済するのか、あとどれくらい残っているのか、が記載されています。
とても大事な書類ですから無くさないように、また無くしてしまったのであれば申し訳ないけれどという気持ちを添えて再発行をお願いしましょう。
返済元本は利益から返済するというのが基本です。
税引後当期純利益+減価償却費>返済元本 の状態だと利益から借入金の元本が返せそうだ、という判断ができます。
返済にあたっては利益が必要になり、その利益をどういう視点で考えるか。借入金がある場合には返済元本目標というのもよいでしょう。
決算書でもチェック
中小企業の場合で、決算書をみると向こう一年で返済する借入金の金額が把握しやすくなっている決算書もあります。
一般的には借入金の区分は、短期(1年以内)、長期(一年超)の区分で分けます。
この短期借入金はもともと向こう一事業年度で返済が予定されている金額ですが、長期借入金も返済期間が長くなるだけで向こう一事業年度で返済が予定されている部分があるはずです。
会計上、この長期借入金のうち一年以内返済長期借入金は長期借入金から振り替えておくことがあります。
自社の決算書に一年以内返済長期借入金の記載があれば、少なくともその金額は向こう一事業年度で返済する金額の目安です。
また役員借入金として会社にお金を入れている経営者の方は中小企業だとよく見かけますが、こちらも会社にとっては返済予定がなく長期を予定しているのであれば長期借入金と別建てで計上しておくのが分かりやすいです。
整理すると
- 短期借入金
- 一年以内返済長期借入金
- 長期借入金
- 役員借入金
という区分分けにしておくと分かりやすいです。
まとめ
借入をすると返済の話がついてきます。するとやはりいままではあまり気にしていなかったかたも資金繰りのことを気にするようになります。
資金繰りの基本はいついくらお金の出入りがあるか、残高は足りるか、そこだけといっても過言ではないです。
まずはいついくら返すことになるのかおカネの流れを見てみましょう。