コロナ禍で事業者に対する各種の助成金や支援金が拡充されていました。また事業再構築補助金など金額の大きな補助金などもあり、助かったという方も多かったでしょう。
一方で、〇〇金がもらえるから、といった理由で何かをする事業者を見かけることも増えました。
何かアクションをすることは事業主や社長にとって大事ですが、その理由を見直しておきましょう。
〇〇金がもらえるから、なのか
事業再構築補助金という金額が大きい補助金がありますが、新しい事業の転換、業種転換などを目的とした補助金です。
新しいビジネスを始めるにあたっては必要な経費や設備がかかることもあり、スタートするのに元手が必要なケースもあります。
もちろん補助金を受け取れるのであればそれに越したことはないのですが、あくまで補助金です。
計画を策定して申請し採択されても基本的には後払いですのでそれまでの資金繰りが必要になります。
また補助対象外の経費に使用している場合には返金等の措置が取られることがあります。
補助金がもらえるから行うのではなく、新たな事業展開などを考えたときにこれぐらい必要で、補助金の適用が受けられそうだ、という場合に検討する流れです。
補助金がもらえるから事業展開するとなると、見通しが甘くなりがちですし途中で諦めるケースも多いです。
結局やらなければよかったとなりかねませんので慎重な判断が必要です。それと同時にやり抜くという覚悟も。
また飲食店などを中心に支給された協力金や、事業復活支援金、月次支援金、持続化給付金なども同様に要件に当てはまるのであれば受給すればよいですが、受給した後が大切です。
もらいっぱなしでその給された〇〇金頼みになっていると、それがなくなったときに打つ手がなくなったり、変化に対応できなくなります。
実際、いまはこの手の支援金関係はかなり減ってきており、今後は縮小していくものとみられます。
歪み始めるとずっと歪む
持続化給付金や事業復活支援金は売上の減少要件など比較的、受給要件が緩やかではありましたがそれでも要件がありました。
この要件に当てはまるのであれば申請すればよいですが、要件に当てはめようといろんなことを調整すると歪んでいきます。
今月の売上のはずなのに来月に計上したり、過去の申告を修正したり書類を改ざんしたりすると、歪みが大きくなっていきます。
仮にこの歪みが発覚すると返金措置が取られる可能性もありますし、発覚しないとしても歪みが残ります。
これは税務調査などでも同じで、何処かで取り繕うとそれを補うために別のところで取り繕って整合性が取れなくなっていきます。結果的に嘘で嘘を上塗りするということになりかねません。
そうなると何のための事業でビジネスなのかわからなくなります。
こういった帳簿のゆがみや不正な処理はクセになって、ずっと続けてしまう事業者も時々見かけますが、途中で直すというのが非常に難しいものです。
最初はちょっとだけしか角度が違わなくても距離が進んでい行くうちに大きく横に逸れてしまいます。
何のための事業でビジネスなのかよく考えましょう。
何かやりたいことがある、そのための計画を作って、それには補助金がある、じゃあ申請してみよう、という流れが健全です。
まとめ
支援金や補助金はコロナに関するものは今後は縮小して無くなっていくものと考えられます。それでも◯◯金は残りますし、そこに依存する度合いが高いと、今からがとても大変になります。
新しいこと、アクションをすることは事業主や社長にとって大事ではありますが、理由を「◯◯金がもらえるから」にしないようにしましょう。