税理士の仕事としてお客様の申告書を作成したり税務に関するご相談に対応するということがあります。
何もない状態では難しく、帳簿付けや申告書作成も相談業務も何かしらの情報が必要です。
お客様のご協力があってこその税理士の仕事でもあり、ご協力をいただきやすい環境整備を心掛けています。
資料・情報があってこそ
資料があってこそ帳簿付けや経理、申告書作成、相談業務に対応できるという側面が大きいです。
何もかも自動で出来るわけではなく、元の情報があって、それを元にいろんなことを判断したり事務仕事をしていきます。
帳簿付けだけでも、売上や入金に関する資料、仕入や出金に関する資料が必要でこれに加えて預金通帳の情報(紙でもデータでも)があります。
決算申告については、残高証明書、売掛や買掛の残高明細、経過勘定としての未払・未収・前払・前受を計上するための資料など、本当に資料だらけです。
これは帳簿付けそのものが取引の情報を数字として帳簿に起こすためでもあります。
この資料のやり取り、いわば情報の共有がおろそかになると損をする可能性があるのは誰か。
損をするのは最終的には資料提供できなかったお客様になってしまいますので、それを避けるべく資料の共有、情報の共有をお願いしています。
また事後ではどうにもならないということが中にはあって、タイミングが悪かったということも起こり得ます。
例えば事業に必要だったので車を購入した、という場合。
事業年度の末に購入するのか事業年度の初めに購入するかで減価償却として経費になる金額が変わってきます。
さらに中古なのか新品なのかでも経費になる期間が変わってきますし、機械や工具器具備品であれば補助金の有無や税額控除などの対象になるケースもあり税額に影響してきます。
これが全てが終わった後にご相談されてももうその取引自体は完結してしまっているわけで、後からどうにかできることは本当に少ないですし選択肢も狭まります。
事前の情報共有、ご相談をいただくことの重要性を感じていただけるとこちらも仕事を進めやすくなります。
何事も自動で終わるわけではないからです。
資料・情報共有の仕方
資料・情報の共有の仕方もいろいろとあります。
お客様自身がデータで提供することに抵抗がない場合もあれば、少し苦手意識があるということもあり、千差万別です。
紙でお預かりすることもあればデータでお預かりすることもあり、改善しつつご提案しつつやっています。
通帳であればコピーした紙、通帳をスキャンしたデータ、通帳をクラウド会計で連携、などいろんな方法があります。
Excelでお預かりすることもありますし、スキャンしたものをお預かりすることも。
ただひとつ言えるのがどういう方法であろうと情報共有していただかないことにはこちらの業務も進められないことが圧倒的に多いことです。
資料を取りに伺ってもご準備いただけていない、メールで連絡しても返事をいただけない、資料を送っていただくようにお願いしてもなかなか届かない、ということが積み重なると支援することも難しくなります。
税務申告は期限があるものですし、こちらとしてもお客様はひとりではなく、また事務仕事をする時間はどうしても必要です。資料をお預かりしてあっという間に決算はできません。
お互いの状況を理解しつつ協力関係が構築できないと最終的にはご縁がなかったと解約になる可能性もあります。
そうなる前にもし郵送でやり取りする場合には返送用のレターパックを宛名などを書いて送ってみる、クラウド会計のデータ連携であればアドレスを送ってみるなど出来ることをやっていくしかありません。
お客様のビジネスを応援したくなるかどうかはこういう部分で対応していただけるかどうかがやはりキーになってきます。
これはどうですか?どうでしょうか?という提案や依頼に対して応じていただけるかどうか、この部分が税理士とお客様の相性という部分の幹にもなるでしょう。
まとめ
情報共有についてお客様にいつもお伝えしていることを改めてここに書いてみました。
初めて税理士にご依頼をいただく場合など、どういう形で進めていくのかの一次情報になればうれしく思います。