試算表というと数字の羅列でよくわからない、数字が並んでいる状態に抵抗感がある、苦手だ、という方は意外と多いです。
でもせっかくなので項目を絞ってチェックしてみてはどうか、というご提案です。
数字の羅列は見にくい
数字の羅列は苦手、という経営者の方はいらっしゃいます。
数字が読める、羅列をみて判断ができる、ということと経営者としての仕事、営業活動、稼ぐ能力は別の問題です。
でもせっかくなら出来上がった試算表をそのままではなく、推移を違う形で見ることができれば次のアクションにつなげるきっかけになります。
例えば試算表だと以下のような形になりますが、これを見て何かを判断できるかどうか。
4月 | 5月 | 6月 | 7月 | |
現金 | 100 | 150 | 70 | 120 |
預金 | 3,000 | 4,500 | 5,000 | 3,000 |
売掛金 | 450 | 200 | 100 | 600 |
電子記録債権 | 200 | 400 | 300 | 800 |
銀行や取引先に出すものはカチッとした形のものでよいですが会社の中でわざわざそれを使う必要はないです。
管理会計という会社や事業者の内部で使う会計もありますけど堅苦しいので項目をピックアップして見ることをオススメしています。
気になる項目をピックアップしてチェック
気になる項目は事業者によって様々あってよいですし、業種にもよります。
傾向をつかむためには視覚的にイメージが掴めることでより分かりやすくなります。
季節的な要因があるケースもあるでしょうし月次棚卸しを実施していない場合には営業利益が適切な数字じゃないこともあります。
ご自身が気になる部分を重点的に見ても構いませんし、むしろそうすべきです。
例えばこういった項目を見てみることをオススメしています、現預金、売掛金等債権、借入金、原材料費、営業利益などです。
現預金は事業を継続するうえで欠かせません。借入金が増えるから会社が立ち行かなくなるのではなくておカネがないから返せなくて立ち行かなくなるのです。
どういった指標を見たらいいか、どの数字を見たらいいかわからないという場合にはまずは現預金からチェックしましょう。
続いてもし可能であれば売掛金等の債権関係も見ておきたいところです。
売掛金等の債権は今後おカネが入ってくる予定のものですが現預金ではないです。売掛金、未収金、受取手形、電子記録債権が該当します。
これらをピックアップして増えているか減っているか見てみましょう。増えている場合には資金繰りのチェックが必要ですし減っていれば回収できているはず、もしくは売上が少ない可能性もあります。
製造業であれば原材料費の推移は把握しておきたいところです。
というのも原材料費はこちらの努力で押し下げることが難しい部分でもありますので、価格変動により一層注意が必要だからです。
日々の感覚として上がっている下がっているは経営者の感覚として掴んでいるケースも多いですが、昨年同月と比べてどうか、という視点も必要です。
値が上がっているなら価格に反映することも検討しなければいけません。
どの項目をピックアップしても経営者が気になっているのであれば問題ないですし、資産法など提出するものではないのでいろいろと試行錯誤してみましょう。
数字をグラフ化しても見やすくなりますのでもしそういう形にしたいのであればExcelやCSVでデータをもらってもよいでしょう。
会計ソフトにはレポートという形で数字をグラフ化する機能がついている場合がありますのでそういうものを見れないか見てみるのもよいです。
まとめ
まず迷ったら現預金からピックアップしてみるのをオススメしていますが、気になる項目があればチェックしてみましょう。
せっかくできた月次決算ですから有効に活用できないかという視点で見てみるとまた違って見えてきます。