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漫画家、イラストレーターに特徴的な経費を考える

漫画家・イラストレーターに 特徴的な経費の整理

漫画家やイラストレーターのかたの確定申告のサポートをしていると経費に該当するかどうか、のご相談は一定程度いただきます。

個別の事情が関係してくる部分でもありますので一緒に考えて答えを出すのですがその答えのを出すための考え方を整理しておきます。

目次

作品づくりのための資料費

クリエイティブな仕事をしている方の場合、漫画やイラスト、写真集、映画、小説などを資料として購入することがあります。

当事務所では雑費や消耗品ではなく資料費として位置づけて経費として計上しています。

なんでもかんでも経費になるというわけではなく、線引きのルールをお客様と相談しながら設定していくようにしています。

例えば当事務所では成人向けコミックを作成しておられる漫画家の方がいらっしゃいますが、購入する資料がアダルトな作品の場合があります。

ご自身の趣味の範囲のケースもありますし作品作りに活かすための資料という位置づけのものもあります。

アダルトなものだからと言って経費にならないというわけではないということです。

営む事業に関係があるかどうか、そこがポイントです。

ほかにも作家の方ですと小説を資料として購入するケースもありますが、それがエンターテイメント系のものであっても純文学系のものであっても上記と同じく作品のジャンルと経費性は別の問題です。

ではスポーツ記事のライターがアダルトな作品の漫画を資料として購入した、という場合はどうでしょうか。

仕事との関連性を説明するのは難しそうに私は感じますがどうでしょうか。

作品のジャンルと自分の事業の専門性はリンクしている、というの一般的な考え方かと思います。

もし違う分野のものを資料として購入するということであれば税務調査があったときにより手厚く説明できる根拠などがあるほうがよいでしょう。

例えば次の新しい仕事の資料で実際に書いた作品がこれ、という風に示せるとより説得力が増すと考えられます。

自費出版のための印刷費

漫画家やイラストレーター、絵を描く仕事をしつつ同人誌を自費出版するケースがあります。

印税、原稿料の収入と自費出版の収入の二本立てのイメージです。

印税原稿料の仕事は自分が印刷することはなく、制作物に対して使用料的なイメージで報酬が支払われ源泉徴収されます。

コミックマーケットで自費制作物、同人誌を販売したり、とらのあなやメロンブックスに印刷会社を通して書籍を卸して販売してもらう、というのが自費出版の収入に該当します。

自作した同人誌や自費出版した際の費用は当事務所では印刷費として区別して計上しています。

このように漫画家・イラストレーターのかたの帳簿付けでは、印税・原稿料収入と自費出版収入があり変動所得の計算をする際には変動所得計算にかかる経費を分けて計算する必要があります。

そのため印刷費は雑費などほかの勘定科目ではなく印刷費として別で計上する(新たに勘定科目設定)ようにしています。

平均課税適用時の明細作成時、変動所得計算時にこの手間が効いてくるのでそのようにしています。

ちなみに、書籍だけではなくグッズなどの物販にかかる費用がある場合にはこれも変動所得の計算からは除外するので印刷費または物品製作費などとして計上しています。

外注費に計上してしまうと外注アシスタントさんへの支払がある場合に外注費の中にアシスタントへの支払いと印刷費などが混在してしまい処理が煩雑になります。

もし印税・原稿料収入と自費出版系の収入がある場合には分けれる経費は分けて計上しておきましょう。

事業関連性の説明

事業関連性の説明というと難しく感じるかもしれませんが、事業に関係しているとどれくらい説明できるか。

この事業関連性にも深さや幅があります。

クリエイティブな仕事をしている方はいろんな作品などからインスピレーションを得る機会もあるかと考えていますが、だからと言って自分の趣味のウェートが大きいものを計上してよいかというとそれは違いますよね。

ものには程度というものもありますのでこの辺りのバランスは個別に決めていくことになります。

例えば当事務所では関与開始の時に経費の計上について相談をしておりますが、随時これは経費になりますか?というご質問はお客様から受け付けております。

経費になるとしてどういうための支出ですか?経費になると考えているのはどういう理由からですか?とお伺いすることも多いです。

というのも、最終的に税務調査があったときには税理士からフォローやサポートをしますが、事業に関連しているかどうかを説明するのはお客様自身だからです。

ネットに書いてあったから経費にできると思った、というのでは調査官も「いいですよ」とは言えないですよね。

私に説明をしていただくことを通じて整理をすることができますし、いました説明ができるならいいんじゃないでしょうか、とお伝えすることが多いです。

作品にどれくらい関わることなのか、深いのか浅いのか、その程度によっては経費から外すということも検討しておきたいところです。

特に趣味やプライベートのものとの判別が難しいものが漫画や小説、ゲームなどは多いのでその点を十分理解したうえで経費にするかどうかの線引きルールも決めていくことをお勧めしています。

なんでもOKでもなく、なんでもダメということもないです。

まとめ

経費の計上についてはそれぞれのお客様の仕事の内容や考え方、必要なものなど個別的な内容になってきます。

なのでAさんの事業では経費になるけれど、Bさんの事業では経費にならないだろう、みたいなことは頻繁に発生します。

ある一定程度の線を引きつつ、柔軟に考えていきましょう。

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この記事を書いた人

京都市下京区で税理士をやっています、ジンノユーイチ(神野裕一)です。
相続や事業のお困りごとを丁寧に伺い、解決するサポートをしています。
フットワーク軽く、誠実に明るく元気に対応いたします。

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