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住宅取得等資金贈与の概要と改正、注意点

住宅取得等資金贈与の 概要、改正、注意点

こんにちは、京都の税理士ジンノです。

住宅取得等資金贈与という特例の贈与があり、富裕層の間で人気でした。

期限のある特例のため期限とされていた2021年末までかもしれないという状況でしたが、令和4年度税制改正大綱で延長措置が発表されましたので変更になる中身も併せて確認しておきましょう。

 

目次

現行制度の確認

まず現行制度から確認しておきます。

住宅取得等資金贈与は親や祖父など直系尊属から住宅を取得するために贈与を受けた金銭については非課税となる特例贈与です。

 

通常は親や祖父母世代から金銭の贈与をされると110万円の基礎控除金額を超える場合には贈与税の支払いが必要となります。これが基本です。

 

この特例贈与は住宅取得に当たっては資金が多く必要となり、また高齢世代から現役世代への資産の移転を促進し、住宅取得を後押しするという趣旨で設立されています。

 

特例贈与ですのでいろいろと要件があります。

贈与者:直系尊属(親、祖父母)
受贈者:その年の1月1日において20歳以上の合計所得金額が2,000万円以下
建物要件:床面積が50㎡以上240㎡以下 1/2以上がもっぱら居住の用に供される

などが主な要件です。

 

非課税の限度額は契約締結日において変わります。

契約締結日 消費税等が10%の場合 左記以外の場合
省エネ等住宅 左記以外 省エネ等住宅 左記以外
H31.4.1~R2.3.31 3,000万円 2,500万円 1,200万円 700万円
R2.4.1~R3.12.31 1,500万円 1,000万円 1,000万円 500万円

 

予定される税制改正

この住宅取得等資金贈与について限度額の変更と期限延長が税制改正大綱で触れられています。

 

まず適用期限ですが令和5年12月31日まで延長となっています。

 

非課税の限度額については省エネ等住宅が1,000万円、左記以外が500万円と縮小されています。

 

受贈者の年齢要件は18歳以上と緩和されています。(成人年齢引き下げに伴うものと考えれます)

 

この改正は令和4年1月1日以後に贈与により取得する住宅取得等資金にかかる贈与税について適用されます。

 

実際のところは延長されるかどうかが不明でしたが非課税限度額を縮小して延長される運びとなりました。

 

実行の際の注意点

ここからは実際に住宅取得等資金贈与の実行をする際の注意点を3つお伝えします。

 

贈与の順番を間違えない

贈与された資金について住宅取得に充てることが求められていますので、住宅取得の契約をしてから資金提供を受けると間違いになります。

 

お金をもらってそれを充当する順番です。建築契約を締結して完成し、住宅ローンを組んだり自己資金で立替え払いをした後に資金提供を受けて住宅ローンを返す、となると特例贈与の要件を満たしていませんので贈与税が課税されてしまいます。

 

この順番は非常に大切なのでタイミングを誤らないようにしましょう。

 

贈与税の申告が必要

特例贈与で非課税になった場合でも申告は必要です。贈与を受けた年の次の年に贈与受けた金額等を記載し必要書類を添付して申告をします。

 

贈与税がかからなくても贈与税の申告が必要ということです。税務署側ではその贈与が特例贈与なのかどうかが判別できないですし、特例の適用を受けるためには申告が必要と決まっています。

 

暦年課税の基礎控除と併用可能

暦年贈与の基礎控除は110万円ですが、この規定と併用することができます。つまり住宅取得等資金贈与の分は基礎控除とは別枠ということです。

 

住宅取得等資金贈与として1,000万円を贈与して、なおかつ110万円の基礎控除の範囲内で贈与をしても合計して1,110万円ですので非課税となり贈与税がかかりません。

 

ただし住宅取得等資金贈与の適用を受けるには申告が必要(上段)なので申告はやはり必要です。

 

まとめ

住宅取得等資金贈与の非課税制度について解説をしました。

触れている要件のほかにもいつまでに住む必要があるなどの細かい要件がほかにありますので実行する際には要件を満たすように注意しましょう。

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この記事を書いた人

京都市下京区で税理士をやっています、ジンノユーイチ(神野裕一)です。
相続や事業のお困りごとを丁寧に伺い、解決するサポートをしています。
フットワーク軽く、誠実に明るく元気に対応いたします。

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