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設備投資を考えるときの材料

判断材料

こんにちは、京都の若ハゲ税理士ジンノです。

中小企業などの事業者さんにとって設備投資が必要なビジネスの場合には、その設備投資をするかどうかの判断が必要です。

どのように考えればよいか少し整理してみましょう。

 

目次

その設備投資で売上を得られるか

設備投資は何のためか、こんなことを聞いたら怒られそうですが基本に立ち返るのはとても大事です。

 

製品やサービス提供に必要だからというのは間違いがないですが「売上を上げるため」ですよね。

 

売上を得るための商品やサービスを作るために必要な道具、というイメージがわかりやすいかと思います。

 

製造業の機械装置であればその機械を使って製品を作りますし、デザイナーさんのパソコンであればデザインの成果物を作成します。

 

その設備を使って売上をあげられるか、という視点はとても大切です。

もしその機械を使って売上をあげられないのであれば何のための設備「投資」かわかりません。

 

投資というぐらいですからどこかで回収しなければいけないのですがではそのラインはどこか。

 

例えば120万円の工具があるとしましょう。

この120万円の工具は3年間で買い換えることになるとすると減価償却という計算で3年間均等に償却したとしましょう。

1年目40万円の経費
2年目40万円の経費
3年目40万円の経費

となりました。

 

工具の代金は一括で120万円を支払いますが、1年目に120万円が経費になる、というわけではありません。

 

法人税法には何年で償却しなさい(経費化しなさい)というルールがそれぞれの資産について決められています(法定耐用年数といいます)が会計上は自由ですので今回は3年均等償却としています。

 

機械を使ってどれくらい回収しないといけないか何となくわかったかなと。

 

年間でみると少なくとも40万円の売上がないと損になってしまいます。仮に40万円だとしてもトントンで損益ゼロ。

 

利益を出さないと事業は継続しませんので40万円超の売上が必要だな、ということがわかります。

 

ではその工具120万円を使って年間にいくらぐらいの売上が得られるのか、どう使ったらもっと増やせるのか、そういうことを考えていく必要があります。

 

設備投資に必要な資金の調達をどうするか

投資するためには調達が必要です。

よく設備投資をする際には借り入れをしたほうがいいですね、というお話をしたり耳にすることがありますがどういうことでしょうか。

 

おカネの面だけを見てみましょう。

借入をせず自己資金の場合には120万円を一括で手元資金から支払うことになります。

 

借入の場合は仮に120万円の借入で3年返済だとすると一年間で40万円の返済となる計算です。

 

おカネの動きだけを追いかけていきます。

 

借入がない場合に年間40万円の売上だとすると

1年目 手許から支出120万円で設備購入 売上入金40万円
差し引きでマイナス80万円

2年目 売上入金40万円 支出なし
差し引きでプラス40万円

3年目 売上入金40万円 支出なし
差し引きでプラス40万円

トータルでプラスマイナスゼロです。

 

借入120万円がある場合も同様に考えてみますと

1年目 借入120万円 売上40万円 入金160万円
120万円で設備購入 借入返済40万円 支出160万円
差し引きでプラスマイナスゼロ

2年目 売上入金40万円 借入返済40万円
差し引きでプラスマイナスゼロ

3年目 売上入金40万円 借入返済40万円
差し引きでプラスマイナスゼロ

となりました。

 

借入の場合は利息がありますが仮に年率3%だとすると1年目120万円×3%=36,000円
2年目80万円×3%=24,000円 3年目40万円×3%=12,000円
とざっくりと計算しました。

 

これは支出になりますので72,000円の利息が支出となります。

 

資金繰りで考えるとどちらがよいでしょうか?

利息は借入をするとついて回るものですのでおカネが減ることを心配しなくても済む(一年目のマイナス80万円)という保険料みたいに考えても良いですね。

 

このあたりは事業主の考え方次第な部分もありますが売上を立てれるかと同時に資金繰りを考えてみることも大事です。

 

ちなみにですが例で触れた内容だと設備投資に対して回収額が同額なのでやらないほうがいいかなと考えます。おカネが増えていませんし。

 

まとめ

単純にその設備が売上に貢献するか否かを見ておくというのは大切です。軽自動車でいいのに大きな乗用車を買う必要があるのか。

資金繰りを考えた時に借入をしたほうがいいか否かも大事です。借入を過度に嫌がる方は一定程度いらっしゃいますが必要なおカネを貯めるというのも時間がかかります。タイミングを逃してしまうことも考えられます。

売上を得られるか、資金繰りへの影響、まずはこの2点を確認して設備投資の材料をしてみましょう。

 

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この記事を書いた人

京都市下京区で税理士をやっています、ジンノユーイチ(神野裕一)です。
相続や事業のお困りごとを丁寧に伺い、解決するサポートをしています。
フットワーク軽く、誠実に明るく元気に対応いたします。

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