こんにちは、京都の若ハゲ税理士ジンノです。
おカネの支払方法はいろいろとあって、現金、クレジットカード、振込がありますがそこに最近ではキャッシュレス決済によるものが加わっています。
キャッシュレス決済「のみ」にしたときにどんなことが起きるのか、事業者さんからご質問をいただく機会も増えてきました。メリット、デメリットを解きほぐしていきます。
現金決済しないメリット
キャッシュレス決済のみですと現金を取り扱わなくてもよい状態になります。
事業をしていないかただとあまりイメージが付かないかもしれませんが、事業にかかる現金を管理することは結構手間暇がかかります。
毎日のおつりの準備から両替、レジ締めをした後の現金のカウント、レシートとの照合、差異が発生した時の取り扱いもそうです。
現金が事業所にたまってきたら預金口座に預け入れに行くことになりますが毎日行くのはとても手間ですしかといって溜めすぎると不用心です。
手間としてはおカネを数える、照合する、準備をするという手間があり、時間としてはそれにかかる時間が意外なほどにかかります。
もし現金がなくなったらこの手間暇がなくなります。
いま現金を取り扱っているビジネスをしているかたは「もし現金を取り扱わなくて済む状態になったら」と想像してみてください。
現金を数えなくても済み、定期的に銀行に預け入れに行かなくても済む。結構嬉しく感じる方も多いのではないでしょうか。
クレジットカード決済も現金以外の決済方法になりますので基本は同じです。
またコロナ禍による非接触が推奨されており現金のやり取りを手で行わないという流れが進んでいます。
コンビニエンスストアでも自分で決済方法を選んで現金でも自動精算レジとなり、店員さんと顧客とのやりとりでおカネを触らないようになっています。
おカネのやり取りを人間がやると間違ってミスをする可能性もありますので店側からすると現金の過不足がなくなることに繋がります。
現金を取り扱わないデメリット
決済方法を限定するとその方法でしか決済できない人しかお客様が来ない、ということになります。
現金オンリーであれば現金を決済で使える人しか来ませんのでキャッシュレス決済しかしない人は顧客になりません。
反対にキャッシュレス決済オンリーであれば現金決済しかできない人はお客にならないということです。
決済方法を限定するとその方法でしか決済できない人しかこない、ということになりますが現金を全く使わない人とキャッシュレス決済を全く使わない人を比べると後者の方が多いでしょう。
いわゆるPayPayなどのキャッシュレス決済はスマートフォンがないと利用できないので、その点だけ見てもスマホを持っていない人はキャッシュレス決済オンリーの店は使いづらいことになります。(クレジットカードが使えるならよいですが)
先日京都市内にも完全キャッシュレス決済のピザ屋さんができたことが話題になっていましたが、ニュース記事の見出しが「購入断念の高齢者も」となっていて端的に状況を表していました。
事業者側からすると来店する顧客を選ぶということになりそうです。
どういったお客様に来ていただくことになるか、決済方法を限定するとそういうことも考える必要があります。
周知が徹底していないと店先で現金決済を求められることがあたっときにお断りすることもでてきます。そこで現金で対応するか否か、現金決済できないと言えるかどうか。
また現金だとかからないものに手数料があります。両替なんかも手数料がかかりますが、クレジットカードやキャッシュレス決済の場合には決済そのものについて手数料を徴収されます。
どんなプラットフォームをつかっても外部に依存する限りはかかる費用ではありますが現金決済だと決済についての手数料はかかりませんのでその点はデメリットになるでしょう。
何事にもウラオモテあるからこそ
決済ひとつをとってもウラオモテの効果があります。
いろんなことを取捨選択をしていきますが決済方法で現金をしないということを最初にするか後にするかということも違ってきます。
最初から現金決済ナシはやりやすいと言えばやりやすいですが、最初は現金決済できていたのに途中で現金決済ナシは理解を得にくいでしょう。
また現金決済がなくなることで今まで利用していた顧客がいなくなる可能性もあるわけです。
その一方で自分が来てほしい顧客がだけがきてくれるようになる可能性もあって、そのあたりの判断は難しが残ります。
現金を取り扱う手間暇と顧客が限定されるということをどう感じるか。そのうえで一つずつクリアにして判断していくことが大事です。
まとめ
完全キャッシュレス決済のみ、現金を取り扱わないことについて事業者側の視点で考えてみました。
キャッシュレス決済の普及はまだまだな部分がありますが、現金を取り扱わないことメリット・デメリットを整理して決めていくのがよいでしょう。