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フリーランスは勤めのときとの所得税の支払いの違いを把握しておく

所得税の前払い

こんにちは、京都の若ハゲ税理士ジンノです。

今までお勤めだった方は給料から売上に収入が変わり、それに伴い税金の支払い方も変わります。

個人事業主・フリーランスの方の所得税の支払いの流れをざっくり把握してどのタイミングでいくらぐらいという心づもりをしておきましょう。

 

目次

所得税支払いのタイミングは3回

お勤めの場合には毎月の給料から源泉徴収される所得税がありますが、事業主になった場合には所得税は自分で申告をして納めることが必要になります。

 

源泉徴収される報酬(デザイン料や著作権料など)がある場合には所得税の前払い的性格がありますので確定申告の時に精算をするイメージです。

 

源泉徴収の対象となる業務を行なっていないフリーランスの方は所得税前払いがないかというと、前年の所得税額等によっては予定納税という前払いがあります。

 

毎年5月15日時点での前年の所得金額や税額を元に「予定納税基準額」を計算し一定金額以上の場合には予定納税の対象となります。

 

6月15日までに所轄の税務署から書面にてその年に納めるべき予定納税金額が通知されます。

 

納付のタイミングは第1期分が7月1日から7月31日に納め、第2期が11月1日から11月30日までに納めるというスケジュールです。

 

つまり、予定納税が必要な方は年に3回、所得税の納税のタイミングがあります。

確定申告時:3月15日(納付方法により納期限が変わります)
予定納税1期:7月31日
予定納税2期:11月30日
となります。

 

予定納税の金額をざっくり計算

タイミングを把握したら続いては予定納税の金額をざっくり把握しておきましょう。

 

予定納税が必要となる人は以下のように規定されています。

(1) 次のいずれにも該当する人は、その人の前年分の申告納税額がそのまま予定納税基準額となります。
イ 前年分の所得金額のうちに、山林所得、退職所得等の分離課税の所得(分離課税の上場株式等の配当所得等を除きます。)及び譲渡所得、一時所得、雑所得、平均課税を受けた臨時所得の金額(以下「除外所得の金額」といいます。)がないこと。
ロ 前年分の所得について外国税額控除の適用を受けていないこと。
ハ 前年分の所得税について災害減免法の規定の適用を受けていないこと。

分離課税の所得、譲渡所得、雑所得、平均課税を受けた臨時所得の金額がなく、外国税額控除の適用を受けておらず、災害減免法の規定の適用を受けていない、という方は申告納税額が予定納税基準額となります。

 

申告納税額は確定申告B第1表の49の欄(右側中程)を見ると確認できます。

予定納税精算

 

(2) 上記(1)に該当しない人は、前年分の課税総所得金額及び分離課税の上場株式等に係る課税配当所得等の金額に係る所得税額(除外所得の金額がある場合には、除外所得の金額がなかったものとみなして計算した金額とします。また、災害減免法の規定の適用を受けている場合には、その適用がなかったものとして計算した金額とします。)から源泉徴収税額(除外所得の金額に係るものを除きます。)を控除して計算した金額及び当該金額の復興特別所得税額の合計額が予定納税基準額となります。

例えば平均課税の特例を受けている場合にはその影響がなかったのものとして税金計算をします。課税所得金額から平均課税の特例を適用せずに税額計算を行い源泉徴収所得税を控除した金額が予定納税基準額です。

 

多くの方は(1)に該当することにより予定納税基準額(予定納税の金額を計算するベース)を把握できますのでその金額が分かれば3分の1が1期分の予定納税額となります。

 

仮に49の欄に記載の申告納税額が30万円だとすると、7月31日期限の第1期分、11月30日期限の第2期分はいずれも30万円×1/3=10万円ずつです。

 

今年を例に考えると去年分の確定申告で納税が30万円だったら7月末までに10万円、11月末までに10万円の予定納税があるというスケジュールです。

 

この10万円ずつ支払った予定納税の所得税は経費にはなりませんが、前払いなので精算をすることになります。

 

予定納税=前払い→精算が必要

今年2回の予定納税で10万円をそれぞれ予定納税したとしましょう。

来年の確定申告のときのこの予定納税で納めた金額を忘れずに計上し記載して精算をします。

 

仮に来年の申告時(2021年分の確定申告)に申告納税額が30万円だとしたら以下のようになります。

予定納税の精算

この予定納税の金額ですが減額することが可能です。今年の状況で例えば廃業した、業績不振となった等の場合には予定納税を減額する申請が可能です。

 

第1期分と第2期分の両方についての減額申請は6月30日時点の損益計算書など所得の状況が分かる書類を添えて7月1日から7月15日までの間に申請書を提出します。

第2期分についての減額申請は10月30日時点の損益計算書など所得の状況が分かる書類を添えて11月1日から11月15日までの間の申請書の提出が必要です。

 

去年は業績が良かったけれど今年は思うように行かず予定納税金額が今年の所得と比べて大きくなりそうな場合には申請を検討してみてはいかがでしょうか。

 

まとめ

振替納税の方は所得税の納付が5月31日に完了して、言っている間に来月には予定納税第1期分の振り替えがあります。

納付のスケジュールと大体の金額を把握して資金繰りに加味し、不安な気持ちを和らげるようにしましょう。

心づもりの10万円と突然言われる10万円では感じ方が異なってきますので。

 

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この記事を書いた人

京都市下京区で税理士をやっています、ジンノユーイチ(神野裕一)です。
相続や事業のお困りごとを丁寧に伺い、解決するサポートをしています。
フットワーク軽く、誠実に明るく元気に対応いたします。

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