こんにちは、京都の若ハゲ税理士ジンノです。
確定申告も無事に終わって新しい年分、今のタイミングですと令和3年分の入力作業等も進めていきたいところです。
確定申告が終わるまでは1月分、2月分は手をつけられていなかった方も多いかと思います。年明け1月分、2月分を入力する際の注意点をお伝えします。
売上に関する項目
年末年始の注意点として年またぎの売上については以前お伝えしました。
簡単におさらいをすると年末の時点で仕事が終わっているけれど入金がまだなものは売上として計上する必要があり、仕事はまだ済んでいないけれど先に入金があったものは売上ではない、ということです。
つまり、仕事が終わっているかどうかがベースになります。
年末の時点で仕事が終わっていて(サービスの提供が完了していたり、モノを納めていたりした場合)売上として計上し未入金の場合は以下のような仕訳になります。
(売掛金)/(売上)300,000円
この内容で計上されいて年が明けて入金があった場合はどのように処理するでしょうか?
売上として計上してしまうと二重計上になってしまいます。正解は
(現預金)/(売掛金)300,000円
として売掛金を消す処理(消し込みと表現することがあります、相殺です)をする必要があります。
これをしないといつまでたっても売掛金が計上されたままになってしまいますので注意しましょう。
お仕事が完了する前に入金があった前受金のほうはどうすればよいでしょうか?
年末の時点では以下のような仕訳を入力することとなります。
(現預金)/(前受金)300,000円
お金は受け取っていますが売上は未計上です。(仕事が完了していないため)
お仕事が年が明けて1月に完了したとすると、その時点で売上を計上する必要があります。報酬は既に受け取っているわけですから売掛金(ツケ)ではないですね?正解は
(前受金)/(売上)300,000円
となります。
売掛金も前受金も左と右(借方・貸方といいます)にそれぞれ年末時点で計上されていましたが、入金があった時点・仕事が完了した時点でそれぞれ反対側に計上されることで相殺されます。
売掛金は
12/31 (売掛金)/(売上)300,000円 ※モノは渡したが代金は未収
1/15 (現預金)/(売掛金)300,000円 ※代金を回収した
前受金は
12/31 (現預金)/(前受金)300,000円 ※先に代金を受け取った
1/15 (前受金)/(売上)300,000円 ※モノを渡した
という形となります。
経費に関する項目
経費についても売上に関する項目と基本的には同様です。
支払はまだ完了していないけれどモノが届いた、サービスの提供が完了したものについては未払費用・買掛金として計上します。
反対におカネは先に支払ったけれどまだモノが届いていない、サービスの提供が完了していないものについては前払費用として計上します。
いずれも売上の項目と同じく、年が明けてから支払いが完了した場合、モノが届いた場合はどうすればよいでしょうか?
買掛金の場合は(ツケで仕入れた)
12/31 (仕入)/(買掛金)200,000円 ※物は届いているが未払
1/15 (買掛金)/(現預金)200,000円 ※支払いを済ませた
未払費用の場合は
12/31 (支払手数料)/(未払費用)100,000円 ※サービスの提供は受けた
1/15 (未払費用)/(現預金)100,000円 ※支払いを済ませた
前払費用の場合は
12/31 (前払費用)/(現預金)100,000円 ※先に支払いを済ませた
1/15 (支払手数料)/(前払費用)100,000円 ※サービスの提供を受けた
という形になります。
それぞれ年末に計上したものが右左あればそれを消し込むことが必要です。
これを忘れてしまうと支払ったタイミングで経費や仕入れを二重計上する可能性がありますので注意が必要です。
まとめ
年明けはその前の年末に計上した売掛金や未払費用などの精算がありますので入力の際には注意が必要です。
お金を払ったタイミング、受け取ったタイミングと売上・経費を計上するタイミングにズレが生じるためです。
二重計上すると適切な利益金額の計算に支障が出ますので1月、2月の入出金は特に注意しましょう。