京都の税理士ジンノです。
フリーランスの方からご相談をいただくとき、節税についてやはり気になる方が多いです。
王道としては小規模企業共済への加入、iDeCoへの加入、ふるさと納税の活用、青色申告、が挙げられますが、もうひとつ経費の漏れがないようにする=こまめに経理することをオススメしています。
こまめに経理することがなぜ節税につながるか、経理の頻度の目安などを解説します。
こまめに経理することでなぜ節税につながるか
当事務所ではお客様から節税についてご相談があった際には必ずこまめに経理することをおすすめしています。
経理とは、領収書を帳簿につけたり、紙のお通帳があるのであれば記帳してもらったり、クラウド会計でしたらデータ連動したり、請求や入金のチェックなどをここでは指します。
節税の相談をしているのにこまめに経理することをお伝えすると怪訝な顔をされるお客様もいらっしゃいますが、お客様の会計データを日々見る仕事をしていると感じることがひとつあります。
それは、経費が漏れているんじゃないか?ということです。
会計データのチェックというと一つ一つを細かく見ていくことももちろんありますが、もう少し遠距離からの視点という意味で、試算表という資料で俯瞰的にデータをチェックすることが多いです。
試算表のイメージとしては
このような数字の羅列になります。コレでは味気ないので
Excelデータにして少し色を付けて見やすくしてみたり、
経費だけ抜き出してデータバーでより抽出してみたり、ということをしています。
このようなチェックをしていますと、毎月計上されているハズのこの経費が計上されていない?、経費が漏れているのかな?となります。
この経費の漏れですが、単純に経理をし忘れている、領収書をなくした、領収書をもらってから経理するまでの期間が空いて何の経費か分からない、というのが大きな原因です。
フリーランスになるとポケットからポロっとレシートが出てきて、「おや、このレシートはプライベートかな事業かな」となることは一度や二度ではなくなります。
サラリーマン時代に経費精算を貯めこみがちだったかたは尚更要注意です。
経費を漏れなく計上出来れば、それだけで適切な利益計算=節税ができます。これをやろうとおもうとやはりこまめに経理することが推奨されます。
経理の頻度はどうすればいいか
こまめに経理しましょうとお伝えするとよく話題になるのが、ではどれくらいの頻度で?ということ。
可能であれば毎日したほうが実は負担感は少ないです。というのも、毎日の習慣に出来れば5分10分で終わる作業だから。
毎日がおすすめ、というと固まる方がいらっしゃいます。
そういう方は曜日を決めて毎週何曜日は経理をする日、として一週間分をまとめて経理作業することもいいでしょう。
個人的には月に一度だと経費が漏れる可能性が高まると考えています。
例えば、カバンの底からポロっと出てきたスターバックスのレシートがあるとしましょう。
レシートの日付は一月前の日付です。
このスターバックスのドリンク代は果たして打ち合わせや会議のためにスターバックスを利用した=会議費なのか、プライベートでちょっと休憩しただけ=費用じゃない、のか思い出せますか?
会議費ならば経費として計上し、利益が適切なモノになりますが、プライベートな支出であれば経費にはなりません。
こまめにスケジュールを付けていればいつ、どこで、だれと会い、どんな仕事をどこでした、というのを記録していることもあるでしょう。
もしそういうモノがなければどうしましょうか?予定にない打ち合わせもありえますよね?
アナタは思い出せますか?思い出せる自信はありますか?
私にはその自信がありません。なのでご自身が自信をもってこれは事業用、プライベート用という分類の判断ができる範囲で、経理の頻度を決められたらよいかと思います。
ちなみに私は毎日経理をしています。
フリーランスになるとおカネの不安はつねにどこかにくすぶっています。毎日それを確認しておくことで、今の現在地もわかりますし、不安が少しでも解消されると私は考えています。
毎日、一週間ごと、二週間ごと、ご自身の記憶に自信がある範囲で決めていただければと。
定期的にコツコツとこまめに経理することができれば驚くほど確定申告がサクッと終わらせられることは間違いありません。
確定申告のネックは数字や税金計算だと思っている方は多いですが、確定申告のハードルは日々の経理=整理整頓です。
確定申告を楽にしたいなともし思われるのであれば頻度は高めのほうが良いと思います。
まとめ
[box03 title=”本記事のまとめ”]- こまめな経理が経費の漏れを防ぐ
- 結果的に適切な利益、節税につながる
- 経理の頻度は高いほうがいい
- 確定申告を楽にしたいなら頻度高めがオススメ
確定申告に対するアレルギーや恐怖感、不安な気持ちをお持ちの方は多いですが、確定申告のハードルは計算ではなく領収書などの整理整頓、経理作業です。
年末に向けて時間がある時に、ではなく時間を作って経理作業に取り組みましょう。