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在庫、棚卸資産の実務的な確認方法

在庫、棚卸資産の実務的な確認方法

中小企業の社長にとって棚卸資産の確認方法というのは悩みどころでもあります。

また、税務調査においても棚卸しは積極的に確認される事項ですので、今回は棚卸しのやり方、実務的な確認方法について整理しておきます。

目次

実地棚卸しとは

棚卸しと聞くと、まずは実地棚卸しを思い浮かべる方も多いのではないでしょうか。

例えば小売業だと、月末や週末などいろんなタイミングで棚卸しをします。決算の時以外でも月次決算のために棚卸しをしておくと適切な月間損益の把握に役立ちます。

コンビニやスーパーなどに行くと時々棚卸しをしているケースを見かけることがあると思います。あれは実地棚卸しといって、いつの時点で何個在庫があるかを確認しているわけです。

在庫があるビジネスだと、例えば月末や決算の時、決算の末日において棚卸しを実行することが望ましいです。

どのタイミングで何がいくら、どれくらいあるのかという実地の棚卸しをしていくことで、その場所にどれくらい物があり、それが期末の在庫になっているかというのを確認しやすいからです。

ある程度ご自身で実地棚卸しができる場合にはこの方法を選択しておく方が良いでしょう。

理由としてはやはり分かりやすいからというのもありますし、数を数えたり件数や物の数を数えることで、最終的な単価と掛け合わせて棚卸の在庫を確認することができるからです。

棚卸しと聞くとこれを思い浮かべる方もいると思いますが、この後お伝えする請求書上での確認も有効です。

請求書上での確認

請求書上での確認というのはどういう行為を指すかというと、請求書ベースでの確認となります。必要なものは相手方からの仕入れに関する請求書です。

相手方から請求書が送られてきて、その送られてきた請求書について対応する売上がその事業年度内に達成しているかどうかというのを確認するという方法です。

例えば今のタイミングだと、11月20日締め翌月払いの請求書が12月になってから届くと思います。

11月20日までに行った仕入れについて、12月になってから請求書が届くというのがスケジュール的な感じです。

この場合において、11月末が決算日だとすると、11月20日までの仕入れについて11月末までに売上が立っていないと棚卸しになるというのが、請求書上での確認の方法になります。

3月末決算とすると

3月中の仕入れに対して3月中の売上に紐づく→売上原価として仕入れ・経費になる

3月中の仕入れに対して3月中の売上が紐づかない、計上されていない→在庫として計上

これは税務調査においても比較的よく取られる方法で、調査官は請求書の束を確認します。

それぞれその事業年度末までの仕入れで、例えば直近1ヶ月や2ヶ月までのものについて対応する売上がないかを確認します。

これによって対応する売上がないのであれば在庫に該当するというのが、請求書上での棚卸しの確認の方法です。

通常は決算のタイミングで税務調査はなく過年度のものについて確認するため、実地たな卸しは難しいのが現実です。ですので請求書上で確認することが多いということです。

中小企業の特に決算時の棚卸しについては実地と請求書上での確認を合わせて行っておくのがより正確な在庫把握につながります。

棚卸しの時に確認しておきたいこと

棚卸しを行う際に確認しておきたいのは、確かに在庫の確認が優先ではあるのですが、もう一つ確認しておきたいことをお伝えします。それは、陳腐化等していない在庫がないかということです。

例えば、食品系の卸売の会社や小売をしている場合だと、食品には賞味期限がありますので、賞味期限が過ぎているものは基本的には販売できません。

なので、そういったものは除却をする必要があるのですが、割と食品系の会社だと、それが在庫になってしまっているケースは見かけます。

販売できない以上は廃棄処分が必要ですし倉庫で保管するにも費用がかかりますので、除却損として適切に処理しておくことが望ましいです。

また、他の商材で期限がないというものでも、例えば陳腐化していてもう販売できないとか、そういった在庫があるケースも見かけます。

そういったものも適切に確認しておくことが望ましいです。

今あるものを確認するということも大事ですが、販売できるかどうかも合わせて判断しておくと、より適切な決算整理になりますし、棚卸しの確認になるでしょう。

まとめ

棚卸資産の確認方法には、実地棚卸しと請求書上での確認という2つの主要な方法があります。

実地棚卸しは物理的に在庫を数える分かりやすい方法で、請求書上での確認は仕入れに対応する売上の有無で判断する方法です。

税務調査でも重視される項目ですので、どちらか一方ではなく、両方の方法を組み合わせて確認することをお勧めします。

また、棚卸しの際には単に在庫の数量を確認するだけでなく、賞味期限切れや陳腐化した商品がないかもチェックすることが重要です。

販売できない在庫は除却損として適切に処理することで、正確な財務状況の把握につながります。

こうした地道な作業の積み重ねが、適切な在庫管理と損益計算につながりますので、ぜひ実践してみてください。

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この記事を書いた人

京都市下京区で税理士をやっています、ジンノユーイチ(神野裕一)です。
相続や事業のお困りごとを丁寧に伺い、解決するサポートをしています。
フットワーク軽く、誠実に明るく元気に対応いたします。

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